【Ver.2024】ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ-第十一回「処理を自動化する機能」

2025年05月19日 12:00 PM

Claris FileMaker 2024


こちらは「ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ」をClaris FileMakerの 最新バージョン Ver.2024に合わせリニューアルしたブログです。

第11回は「処理を自動化する機能」ということで、以下4つをご紹介します。

  • 処理の自動化とは
  • スクリプトについて
  • スクリプトはどう作る?
  • スクリプトの書き方(試してみましょう)

このブログは以下のシリーズで連載しています。

V19では「スクリプトトリガ」についてご紹介していますので、あわせてご覧ください。

■処理の自動化とは?

以前「データをインポートする機能 」「データをエクスポートする機能」の記事の中で、データをインポートする手順、データをエクスポートする手順をご紹介しました。ただ、毎日データのインポートやエクスポートをする必要がある場合、これを繰り返し行うのは少し大変です。もしそれがボタンひとつでできたら業務が少し楽になりますよね。
Claris FileMakerでは「スクリプト」を作成することで、様々な処理の自動化が可能となります。

難しそう…と感じるかもしれませんが、意外と簡単に作成することができます。

■スクリプトについて

「スクリプト」とは、一連の操作を自動化するための命令の集まりです。ユーザーのクリックや入力に応じてデータベース上で特定の動作をまとめて実行できるようにしま

例えば、以下のようなことができます。

  • ボタンを押すと 、データのインポート/エクスポートが実行される
  • ボタンを押すと、特定のレイアウトに切り替える
  • ボタンを押すと、複数のフィールドに入力された値をもとに検索を行う
  • ボタンを押すと、表示しているレイアウトを PDFとして保存する
  • 毎月の請求書を自動作成・PDFとして保存・メール送信する
  • ユーザー操作のミスを防ぐために確認メッセージを表示する

■スクリプトはどう作る?

Claris FileMakerには、「スクリプトワークスペース」というエディタがあります。ここで「レコードのインポート」「レコードのエクスポート」などといったスクリプトステップを順番に並べていくことでスクリプトを作成することができます。

Claris FileMakerのスクリプトは、Microsoft AccessやExcelのマクロ機能に似た自動化の仕組みですが、より直感的に操作できるため、習得のハードルは低めです。
Claris FileMaker:あらかじめ用意されたスクリプトステップを一覧から選ぶだけでOK!
Access:マクロでOKだが、複雑なことを行いたい場合はVisual Basic(VB)の習得が必要
    (VBのプロともなれば、一覧から選択するよりも書いたほうが早いと感じる場面も・・・)

こういった違いから、Claris FileMakerは非エンジニアの方にも扱いやすいツールとして支持されています!

〇スクリプトワークスペースの紹介

スクリプトを書く画面「スクリプトワークスペース」は、 メニューバーの「スクリプト」>「スクリプトワークスペース」を選択すると表示されます。

スクリプトワークスペースは、左側:スクリプトパネル、真ん中:スクリプト編集パネル、右側:スクリプトステップパネルとなっています。
右側のスクリプトステップをクリックすると、どんな処理ができるのか右下の「説明」に処理内容が表示されます。スクリプトステップをダブルクリックすることで、スクリプト編集パネルにスクリプトステップが追加されます。

 グラフィカル ユーザー インターフェイス

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

■スクリプトの書き方 (試してみましょう)

スクリプトの作成は、基本的にはスクリプトステップを順番通りに並べていくだけです。

スクリプトステップの並べ方を考えるコツは、手動ではどんな操作をする必要があるのか考えてみることです。


例を挙げて説明していきます。

データの入ったタスク管理システムがあるとします。
このシステムで、「期限が今日のデータをExcelで保存する」をワンクリックで行うことができる機能を実装してみましょう。

〇「期限が今日のデータをExcelで保存する」を手動でおこなう場合に必要な操作
1.検索ボタンを押して、検索モードに切り替える
2.期限に「今日の日付」を入力する
3.検索実行
4.対象のデータをメニューバーの「ファイル」>「レコードの保存/送信」>「Excel」からExcel保存する

ではこれと同じ処理をワンクリックで行うことができる機能を作成してみましょう。
〇ボタンを押して「期限が今日のデータをExcelで保存する」をスクリプトで行う場合に必要な操作

1.スクリプトの新規作成

左上の「新規スクリプト」から、新しいスクリプトを作成します。
スクリプト名は、処理内容が一目で分かるものに変更しておきましょう。
今回は「本日期限データ_Excel保存」と名付けます。

2.手動で行う場合の操作に対応したスクリプトステップを並べる

スクリプトの新規作成ができたら、スクリプトステップを並べていきます。

1. 検索モードに切り替え  (手動の場合の操作▶検索ボタンを押して、検索モードに切り替える)
※ [一時停止]のオプションはオフ

2. フィールド設定  (手動の場合の操作▶期限に「今日の日付」を入力する)
今回は、「期限」というフィールドに対して、「今日の日付」を入力します。
現在の日付は「Get(日付)」関数で取得することができます。

※[ターゲットフィールド] :期限
 [計算結果] :Get(日付)

3. 検索実行  (手動の場合の操作▶検索実行)

4. レコードをExcelとして保存

(手動の場合の操作▶メニューバーの「ファイル」>「レコードの保存/送信」>「Excel」からExcel保存する)

以上4ステップでスクリプトの作成は完了です。
※★印がスクリプト名の端に付いているとスクリプトが保存されていない状態です。「ファイル」>「スクリプトの保存」または Ctrl + S(Windowsの場合。Macの場合はcommand + S) から保存してください。

3.レイアウト上にボタンを配置し、スクリプトを割り当てる
スクリプト作成後は、レイアウト上のボタンにそのスクリプトを割り当てることで、ユーザーがワンクリックで処理を実行できるようになります。
右上の「レイアウトの編集」よりレイアウトモードに切り替えます。

画面の適当な箇所にボタンを配置(下画像赤枠を選択して作成)し、分かりやすいボタン名を付けます。
「処理」から「スクリプト実行」を選択すると、スクリプト一覧が表示されるため、先ほど作成したスクリプト「本日期限データ_Excel保存」を指定します。
グラフィカル ユーザー インターフェイス

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

ボタンの配置ができたら、右上の「レイアウトの終了」>「保存」

これで、「期限が今日のデータをExcelで保存する」をワンクリックで行うことができる機能を作成することができました。それでは動作確認を行ってみましょう。
画面上のボタンを押すと、任意の名前を付けてExcel保存ができるようになっています。

保存したExcelを確認してみると、期限が本日(2025/05/07)のデータのみ出力されていることが確認できるかと思います。

このように処理の自動化は簡単にできます。
決して難しいことはありませんので、ぜひ試してみて頂ければと思います。

いかがでしたでしょうか。

スクリプト機能を活用することで、日々のルーチン業務を簡単かつ確実に自動化できるため、業務の精度と効率を大きく向上させることができるのではないでしょうか。

次回は第12回「セキュリティに関する機能」です。
最後までお読みいただきありがとうございました!