【Ver.2024】ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ―第七回「データを表示する機能」
2024年12月11日 10:00 AM
Claris FileMaker 2024
こちらは「ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ」をClaris FileMakerの 最新バージョン Ver.2024に合わせリニューアルしたブログです。
第7回は「データを表示する機能」ということで、以下4つをご紹介します。
- 「データを表示する」ことにおけるテーブル・テーブルオカレンス・レイアウトの役割
- 対象レコード
- 関連レコード
- グローバルフィールド
このブログは以下のシリーズで連載しています。
①データを入力する器を作成する機能 V15|V17|V18|V19|V2024
②データを登録する機能 V15|V17|V18|V19 | V2024
③データを消去する機能 V15|V17|V18|V19 | V2024
④データを変更する機能 V15|V17|V18|V19 | V2024
⑤データをインポートする機能 V15|V17|V18|V19 | V2024
⑥データをエクスポートする機能 V16|V17,18|V19 | V2024
⑦データを表示する機能 V16|V17,18|V19 | V2024 ←今回はここです
⑧データを表示する画面を作成する機能 V16|V17,18|続編(V19)
⑪処理を自動化する機能 V17,18|スクリプトトリガ編(V19)
⑫セキュリティに関する機能 V17,18|FileMakerファイルの暗号化/通信の暗号化(V19)
⑬~ 2024の新機能など(予定)
■「データを表示する」ことにおけるテーブル・テーブルオカレンス・レイアウトの役割
それぞれの機能を一言で表現すると以下のようなります。
・テーブル → データの器
・レイアウト → データを表示するインターフェイス
・テーブルオカレンス → テーブルのデータをレイアウトに表示させるための機能
レイアウトを始め、計算式、スクリプト(第11回で紹介)、リレーションシップ設定では直接テーブルを指定することはできません。
そこで登場するのがテーブルオカレンスで、リレーションシップグラフ上にテーブルを仮想化して表示させます。
Claris FileMakerでは、このテーブルオカレンスを通して実データにアクセスができ、レイアウトにデータを表示させることができます。
FileMakerオンライン学習ではテーブルオカレンスを「ふたつの世界をつなぐ“トンネル”」と表現しています。なんとなくイメージはつきますでしょうか?
それぞれの関係は下図のように、テーブルとテーブルオカレンスで1対1もしくは1対多の関係、テーブルオカレンスとレイアウトで1対1もしくは1対多の関係になります。
データを表示する機能とは少し逸れますが、「レイアウトが指定しているテーブルオカレンス」「テーブルオカレンスが指定しているテーブル」の確認方法も簡単にご紹介します。
レイアウトが指定しているテーブルオカレンスの確認方法
レイアウトモード時のレイアウトバー「テーブル:○○」という表記で確認できます。
※表示は“テーブル”ですが、ここに表示されているのはテーブルオカレンス名です。
上図の場合、現在のレイアウトが指定しているテーブルオカレンスは「顧客情報」です。
テーブルオカレンスが指定しているテーブルの確認方法
リレーションシップグラフ内のテーブルオカレンスの上でダブルクリック、またはテーブルオカレンスの左上にカーソルを合わせることで出てくる、ポップアップの「ソーステーブル:○○」で確認できます。
今回の場合、テーブルオカレンス「顧客情報」が指定しているテーブルは「t顧客情報」です。
テーブルとテーブルオカレンスの違いについての考察ブログがありますのでぜひご覧ください。
FileMaker考察:「テーブル」と「テーブルオカレンス」の違いについて
それでは本題に戻ります。
■対象レコード
対象レコードについては 第3回目「データを消去する機能」でも登場しましたね。
対象レコードというのは簡単に言うと「検索をした際に検索条件に該当するレコード」のことです。
ステータスツールバーで確認します。
画像の場合ですと、「該当件数レコード」が8/25となっているので、登録してあるレコード数が25件で、そのうち8件のレコードが「対象レコード」になります。対象レコードにしないと画面には表示されません。
■関連レコード
関連レコードとはざっくり言うと「対象レコードにリレーションシップで関連付けられたレコード」のことです。
たとえば、テーブルオカレンス「顧客」とテーブルオカレンス「宿泊履歴」が、フィールド「顧客コード」でリレーション設定されている場合、上図のようにそれぞれの「顧客コード」で、誰に対する宿泊履歴なのかを判断することができます。「顧客」と「宿泊履歴」のレコードは互いに関連レコードと言えます。
関連レコードはレイアウト上にフィールドとして配置したり、下図のようにポータル機能で表示したりすることができます。
レイアウトモードで確認すると、関連レコードのフィールド名には手前に「::」が表示されています。
ちなみに関連レコードではないフィールドをレイアウトに配置した場合は以下のようになります。
<非関連テーブル>と表示され、データを表示/編集/入力することができません。
ただし「グローバルフィールド」と呼ばれるものは例外ですので、後ほどご紹介します。
第2回目「データを登録する機能」の「リレーションを利用したレコードの作成」でも関連レコードについて紹介していますので、復習してみてください。
■グローバルフィールド
「グローバル格納」が設定されたフィールドのことをグローバルフィールドといい、ファイル内のすべてのレコードで共通する値が格納されます。
グローバルフィールドであれば、関連していないテーブルオカレンスのフィールドでも、データを表示/編集/入力することができます。
設定はデータベースの管理画面から、各フィールドの「オプション」をクリックすると開く、オプション編集画面の「データの格納」タブで「グローバル格納」にチェックを付けるだけです。
ここでは詳しく触れませんが、様々な使い方が可能です。グローバルフィールドを利用した“期間検索機能”の作り方をブログでご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ファイルメーカーで 「初心者が迷わず使える『期間検索機能』」 を作ろう!
ヘルプページも併せてご参照ください。
Claris FileMaker Pro ヘルプ:グローバルフィールド (グローバル格納を使用するフィールド) の定義
いかがでしたでしょうか?
テーブルやテーブルオカレンスの概念を完全に理解するには時間がかかると思います。
色々なコンテンツを参考にしながら実際にFileMakerに触り、少しずつ自分の中に落とし込んでいきましょう!
次回は第8回「データを表示する画面を作成する機能」です。
最後までお読みいただきありがとうございました!