【FileMaker19】第10回「データを共有する機能」ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ

2021年08月30日 11:16 AM

はじめの一歩


こちらの記事は「ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ」をClaris FileMaker 19(ファイルメーカー19)対応にリニューアルした記事です。

今回は、「データを共有する機能」ということで

・データを共有するとは?

・カスタムAppを共有してみよう!(Claris FileMaker Server)

の2つのテーマでお届けします。

——————————————————————————

こちら全12回のシリーズで連載しています。

①データを入力する器を作成する機能 V15V17V18V192024

②データを登録する機能 V15V17V18V19

③データを消去する機能 V15V17V18V19

④データを変更する機能 V15V17V18V19(入力を補助する機能をプラス)

⑤データをインポートする機能 V15V17V18V19

⑥データをエクスポートする機能 V16V17,18V19

⑦データを表示する機能 V16V17,18V19

⑧データを表示する画面を作成する機能 V16V17,18続編(V19)

⑨画面を印刷する機能 V17,18続編(V19)

⑩データを共有する機能 V17,18V19  ←今回はここです

⑪処理を自動化する機能 V17,18スクリプトトリガ編(V19)

⑫セキュリティに関する機能 V17,18FileMakerファイルの暗号化/通信の暗号化(V19)

——————————————————————————

                                                                                 

■データを共有するとは?

カスタムAppをサーバーやクラウドにアップロードして、複数人がネットワークを介して同じカスタムAppに同時にアクセスできるようにすることです。

共有したカスタムAppは、iPad・iPhone・Webブラウザからもアクセスできます。

「外出先から社用携帯のiPhoneで営業日報を入力する」、「調査現場に訪問してその場でiPadを使って調査結果を入力する」、といったことができるので、情報のすれ違いやタイムロスを防ぐことができます。

カスタムAppを共有するためにはClaris FileMaker Server もしくはClaris FileMaker Cloudが必要です。

■カスタムAppを共有してみよう!

Claris FileMaker Server を利用したカスタムApp共有の手順をご紹介したいと思います。

今回ご紹介するのはMacでの手順ですが、Windowsの場合もほとんど変わりません。

【事前準備】

・Claris FileMaker Pro(以下FileMaker Pro)のインストール

・Claris FileMaker Sever(以下FileMaker Server)のインストール

FileMaker Pro/ FileMaker Sever の45日無料評価版

FileMaker Severのインストール方法

※Windowsでの説明になっていますが、Macの場合でもほとんど手順は変わりません

・共有用カスタムApp の準備

ご自身のカスタムAppがある方はぜひそちらをご利用ください。

今回はStarter Appから新規作成したカスタムApp「コンテンツ管理」を使ってご説明します。

新規に作成した状態では[完全アクセス]にパスワードが設定されておらず、

そのままだとFileMaker Serverにファイルをアップロードできないので、以下の手順でパスワードを設定します。

①メニュー[ファイル]→[管理]→[セキュリティ]

②名前が「Admin」のアカウントを選択

<パスワードがありません>の右の鉛筆マークをクリック

④「パスワードの設定」ダイアログでパスワードを設定

⑤右下の「OK」をクリック

【カスタムApp共有の手順】

それではカスタムAppを共有していきます。

FileMaker Proを起動し、

[ファイル]→[共有設定]→[ホストにアップロード]

の順にクリックしていきます。

左上の「+」ボタンからホストを追加します。

「ホストのインターネットアドレス」と「お気に入りのホストの名前」を入力して「保存」をクリックします。

接続しようとすると以下のダイアログが出ます。

このダイアログはカスタムSSL証明書※がインストールされていない場合に表示されます。

今回はテスト使用ですので、「接続」をクリックします。

※カスタムSSL証明書とは?

証明機関が発行するSSL証明書のことです。

Admin Consoleの「構成」タブに「SSL証明書」という項目があります。

「証明書情報」を確認すると状態は「インストール済み証明書」となっています。この証明書はデフォルトでインストールされる証明書で、テスト用として提供されているものです。本番運用となりデータを保護する必要がある場合はカスタムSSL証明書が必要です。

するとまた、以下のような先程と違うダイアログが出ますが、「接続」をクリック。

場合によってはこのダイアログより先に『FileMaker Proでは「<ドメイン名>:5003」を認識不可』というダイアログが出ます。「接続」をクリックしてください。

これらのダイアログが出る理由はおそらく、ファイルのアップロードの際は強制的に暗号化通信に切り替わるためだと思います。

FileMaker ServerのAdmin Consoleの名前とパスワードを入力し、「サインイン」をクリックします。

左下の「参照」をクリックしてアップロードしたいカスタムAppを選択するか、ファイルをドラッグします。

右下の「アップロード」をクリックすれば、FileMaker Server上にカスタムAppがアップロードされ、共有されます。

FileMaker Server のAdmin Consoleを確認するとデータベースに「コンテンツ管理」が追加されていることが確認できました!

ちなみに、すでに共有されている「FMServer_Sample」はFileMaker Serverが正しく動作しているか、テストするために用意されたカスタムAppです。

【共有したカスタムAppに接続してみよう】

では、共有したカスタムAppに、FileMaker ProとiPhoneから接続したいと思います。

iPhoneで接続するためにClaris FileMaker Go(無料)を利用します。

まず、ホストにFileMaker Proで接続します。

[ファイル]→[ホスト]にカーソルを当てると先程追加したホストが表示されますので、クリックします。

共有されているカスタムAppが表示されますので、「コンテンツ管理」を選択し、「OK」をクリックしてください。

アカウント名とパスワードを入力して「サインイン」をクリックします。

共有されているカスタムAppの場合、利用しているサーバー名※がカスタムApp名の横の()内に表示されます。

※「MacBook-Pro.local」はmacOSでデフォルト設定されているローカルホスト名です。

iPhoneでデータが共有されることを後程確認するため、レコードを一つ作成して下図のようにデータを入力します。

続いてiPhoneから接続します。

FileMaker Go を開き、下部の「ホスト」タブをタップします。

FileMaker Proと同様、左上の「+」ボタンからホストを追加します。

セキュリティ警告のダイアログが出るので「常に接続を許可」をタップします。

「コンテンツ管理」をタップし、アカウント名とパスワードを入力してサインインします。

FileMaker Proで入力したデータが確認できました。

この状態でFileMaker ServerのAdmin Consoleを確認すると、合計接続数「2」、FileMaker Pro「1」接続、FileMaker Go「1」接続と表示されていることが確認できます。

カスタムApp共有方法のご紹介は以上になります。

いかがでしたでしょうか?

カスタムAppを共有するとはどういうことなのか、なんとなくイメージはつきましたでしょうか?

次回は第11回「処理を自動化する機能」です。

最後までお読みいただきありがとうございました!