【FileMaker 19対応】ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ「データを登録する機能」
2021年03月30日 10:18 AM
Claris FileMaker 19
こちらは「ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ」をClaris FileMaker 19対応にリニューアルした記事です。
今回は、第2回目「データを登録する機能」ということで、
・新規レコードの作成
・リレーションを利用したレコードの作成
の2つをご紹介したいと思います。
このブログは全12回のシリーズです。
①データを入力する器を作成する機能 V15|V17|V18|V19|2024
②データを登録する機能 V15|V17|V18|V19 ←今回はここです
④データを変更する機能 V15|V17|V18|V19(入力を補助する機能をプラス)
⑤データをインポートする機能 V15|V17|V18|V19
⑥データをエクスポートする機能 V16|V17,18|V19
⑧データを表示する画面を作成する機能 V16|V17,18|続編(V19)
⑪処理を自動化する機能 V17,18|スクリプトトリガ編(V19)
⑫セキュリティに関する機能 V17,18|FileMakerファイルの暗号化/通信の暗号化(V19)
◇新規レコードの作成
Claris FileMakerでは、基本的にはレコードのない状態でデータを入力することができません。
(例外は後程ご紹介します。)
レコードがない状態(下の赤枠部分の合計レコードが0の状態)でフィールドをクリックすると下図のようなダイアログが表示されます。
そのため「先にレコードを追加する」という手順が必要になります。
レコードを追加するためには、ステータスツールバーの「新規レコード」をクリックします。
「新規レコード」を1回クリックすると、「合計レコード」に1レコード追加されます。
レコードに情報を入力し、レコードを確定させる動作をすることで情報が登録されます。
レコードを確定させる動作は以下です。
・フィールド(入力欄)の外側をクリックする
・テンキーのEnterキーを押す(デフォルト設定の場合、文字キーボード側のEnterキーを押すと改行になります。)
Windows:テンキーの Enter キー、または Ctrl + Enter
macOS:テンキーのenter キー (return キーでは確定されません)、または fn – return
・他のモードに切り替える
・他のレコードを選択する
・他のレイアウトに切り替える
レコードが確定される前であれば、入力したデータを元に戻す(データベース格納値に戻す)ことが可能です。
メニューバーの【レコード】→【レコード復帰】を選択します。
【レコード復帰】がグレー表示されている場合は、データがすでに確定されているということになります。
テーブルが複数ある場合、どのテーブルにレコードが増えるのか?ということを正しく把握する必要があります。
定義すると
「新規レコードボタンを実行したレイアウトに設定している、テーブルオカレンスの、データソースとなっているテーブル」
ということになるのですが、テーブルオカレンスの概念は少し難しいので、まずは
「新規レコードボタンを実行したレイアウトに設定しているテーブル」
と認識して頂ければ良いと思います。
レイアウトモードに切りかえることで、レイアウトに設定しているテーブルを確認することができます。
画面の右上にある「レイアウトの編集」をクリックすると、レイアウトモードに切り替えることができます。※(通常はブラウズモードになっています)
※ショートカットキーは
Windows:Ctrl+L
Mac:⌘-L
モードは全部で4つあります。
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━━-━-━-━-━-━-━-━-━
それぞれのモードについては、別の回で詳しくご紹介します。
ブラウズモード :第7回「データを表示する機能」 (Ver.18はこちら)
検索モード :第7回「データを表示する機能」 (Ver.18はこちら)
レイアウトモード :第8回「データを表示する画面を作成する機能」 (Ver.18はこちら)
プレビューモード :第9回「画面を印刷する機能」 (Ver.18はこちら)
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━━-━-━-━-━-━-━-━-━
レイアウトモードにすると、下図のようにレイアウトバーに「テーブル:○○」という表記があります。ここに表記されているのがレイアウトに設定されているテーブルです。(正確にはテーブルオカレンス)
レイアウトモードからブラウズモードに戻るには右上の「レイアウトの終了」をクリックします。
※ショートカットキーは
Windows:Ctrl+B
Mac:⌘-B
例えば、顧客テーブルと見積テーブルが存在するファイルで、
「現在は顧客テーブルを設定したレイアウトを表示しているが、見積テーブルに新規レコードを作成したい」
という場合は、下記の手順をとります。
①見積テーブルを設定しているレイアウトに切り替え
②新規レコード作成
ブラウズモードでレイアウトを切り替える方法は
ステータスツールバーの「レイアウト:○○」というレイアウト名の表示部分で切り替える方法と【表示】→【レイアウト切り替え】から選択する方法があります。
■切り替えたいレイアウトが候補に表示されない場合
メニューバーの【ファイル】→【管理】→【レイアウト】でレイアウトの管理画面を開き、
左端のチェックボックスを確認します。チェックを付けていないとブラウズモードでレイアウト候補として表示されません。
◇リレーションを利用したレコードの作成
続いて、「リレーションを利用したレコードの作成」についてご紹介します。
先にお伝えした通り、レコードを作成するためには、レコードを追加したいテーブルが設定されているレイアウトに切り替えて「新規レコード」をクリックします。
では、ポータルなどを使って、レイアウトに設定されているテーブルとは別テーブルにあるレコードを追加したい場合はどうでしょうか。
いちいちレイアウトを切り替えてレコードを作成するのは手間だと思います。
リレーションの設定をすることでレイアウトを切り替えずにレコードを作成できます。
まずは設定方法を見ていきます。
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━━-━-━-━-━-━-━-━-━
リレーションとポータルについては、第7回「データを表示する機能」の回でご紹介しますが、以下のブログでも詳しくご紹介していますので、よろしければご覧下さい。
◆リレーションシップグラフを読み解いてみよう
https://ywc.com/filemaker/?p=2502
◆難しいことは考えず、とにかくFileMakerでポータルを使ってみよう!
https://ywc.com/filemaker/?p=1105
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━-━━-━-━-━-━-━-━-━-━
■設定方法
メニューバーの【ファイル】→【管理】→【データベース】からデータベースの管理画面を開き「リレーションシップ」タブで設定をします。
下図の四角のかたまり1つ1つをテーブルオカレンスと呼びます。
リレーションを設定する2つのテーブルオカレンスのフィールド同士をドラッグアンドドロップでつなぎます。
今回は「顧客」テーブルオカレンスの「顧客ID」と、「見積」テーブルオカレンスの「顧客ID」をつなぎます。
すると、次のような状態になります。
続いて、リレーションの真ん中にある「=」をクリックするとリレーションシップ編集画面が開きます。
編集画面下部の「見積」の「このリレーションシップを使用して、このテーブルでのレコードの作成を許可」にチェックを付けて、「OK」をクリックして設定は完了です。
■動作の確認
下図のレイアウトを使って実際の動作を見ていきます。
「顧客」テーブルを設定したレイアウト上で「見積」テーブルのレコードをポータルで表示しています。
あらかじめ「顧客」テーブルのレコードは追加しています。
先程の設定によってポータル内に入力欄が表示され、データが入力できるようになっています。
このレイアウト名を「顧客_見積」とします。
以下は「見積」テーブルを設定しているレイアウト(レイアウト名を「見積」とします)です。
冒頭でご説明したように、このレイアウト上でデータを入力するには新規レコードの追加が必要です。レコードが0個の状態では以下のダイアログが表示されます。
ですが、先程の設定により「見積」レイアウト上のレコードが0でも、「顧客_見積」レイアウトのポータルからレコードを作成することができます。
動作を確認するため、レコード数は0のままで「顧客_見積」レイアウトに切り替えます。
そしてポータルでデータを入力して確定します。
「見積」レイアウトに戻ります。ポータルで作成したレコードが1つ追加されているのが確認できます。
このように「リレーションを利用したレコードの作成」では、レイアウトを切り替えて新規レコードを追加する、という作業をしなくてもポータル機能などを使って関連するレコードを作成することができます。
以上が、「データを登録する機能」のご紹介となります。
次回、第3回の内容は「データを消去する機能」です。
最後までお読みいただきありがとうございました!