【FileMaker Ver.2024対応】ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログー第二回「データを登録する機能」
2024年09月18日 12:00 PM
Claris FileMaker 2024
こちらは Claris FileMaker(クラリスファイルメーカー)の最新バージョンVer.2024に合わせリニューアルした「ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ」です。
今回は、第2回目「データを登録する機能」ということで、以下の内容をご紹介したいと思います。
・新規レコードの作成とデータの入力
1)新規レコードの作成
2)データの入力と確定
3)レイアウトとテーブルの関係性について
4)複数テーブルがある場合
・リレーションシップを利用したレコードの作成
1)リレーションシップの設定方法
2)動作の確認
このブログは以下のシリーズで連載しています。
①データを入力する器を作成する機能 V15|V17|V18|V19 | V2024
②データを登録する機能 V15|V17|V18|V19 | V2024 ←今回はここです
④データを変更する機能 V15|V17|V18|V19(入力を補助する機能をプラス)
⑤データをインポートする機能 V15|V17|V18|V19
⑥データをエクスポートする機能 V16|V17,18|V19
⑧データを表示する画面を作成する機能 V16|V17,18|続編(V19)
⑪処理を自動化する機能 V17,18|スクリプトトリガ編(V19)
⑫セキュリティに関する機能 V17,18|FileMakerファイルの暗号化/通信の暗号化(V19)
⑬~ 2024の新機能など(予定)
◇新規レコードの作成とデータの入力
前回の記事のおさらい_レコードとは
「レコード」とは、エクセルで例えるなら「行」のようなものです。
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〈参考記事〉
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1)新規レコードの作成
Claris FileMakerでは、レイアウト上に表示されるフィールドの枠に対して情報を入力することができますが、基本的にはレコードのない状態で入力することができません。
レコードがない状態(下の赤枠部分の合計レコードが0の状態)でフィールドをクリックすると下図のようなダイアログが表示されます。
下の図はエクセルを使ったイメージ図です。
「名前」や「住所」の値を入力するためには、まず「レコード」の作成が必要になります。
今回は、「顧客情報」というテーブルのレコードを作成します。
「顧客情報」テーブルのレコード作成は、「顧客情報」テーブルが紐づくレイアウト上で行うことができます。
自分で新しくレイアウトを作成してテーブル(正しくはテーブルオカレンス)を紐づけることもできますが、今回はテーブルを作成し、フィールドを追加した時点で自動的に作成されたレイアウトを使いたいと思います。
※レイアウトにテーブルを紐づける方法、テーブルとテーブルオカレンスの違いについてはこの記事の後半「3)レイアウトとテーブルの関係性について」や、「⑦データを表示する機能」で扱います
レコードを追加するためには、ステータスツールバーの「新規レコード」をクリックします。
「新規レコード」を1回クリックすると、「合計レコード」に1レコード追加されます。
2)データ入力と確定
レコードが作成できたら、次はそのレコード内にデータを入力していくことができます。
Claris FileMakerでは、データは作業中に保存されます。
これを「データの確定」と呼びます。データは次の操作を行った時点で確定されます。
・フィールド(入力欄)の外側をクリックする
・テンキーのEnterキーを押す(デフォルト設定の場合、文字キーボード側のEnterキーを押すと改行になります。)
Windows:テンキーの Enter キー、または Ctrl + Enter
macOS:テンキーのenter キー (return キーでは確定されません)、または fn – return
・他のモードに切り替える
・他のレコードを選択する
・他のレイアウトに切り替える
もし間違ったデータを入力する場合は、データが確定される前であれば、入力したデータを元に戻す(データベース格納値に戻す)ことが可能です。
メニューバーの【レコード】>【レコード復帰】を選択します。
【レコード復帰】がグレー表示されている場合は、データがすでに確定されているということになります。
3)レイアウトとテーブルの関係性について
先ほど、「顧客情報」テーブルのレコード作成は、「顧客」テーブルが紐づくレイアウト上で行うことができます。」と記載しました。
レイアウトとテーブルの関係性についてもう少し詳しく説明します。
まずは、「テーブルオカレンス」についてです。
Claris FileMakerには、「テーブルオカレンス」という考え方があります。
レイアウトにテーブルを紐づけたり、データの関連付けを行ったり、Claris FileMakerでシステムを作成する上で必要な場面がたくさんあるのですが、説明するのがなかなか難しい部分なのです・・・。
多くの初心者の方が一番初めにつまずく所なのではないでしょうか。
この記事のシリーズの中でも何度も登場します。いろいろな場面で使っていく中で徐々に理解していくことができるかと思います。
テーブルオカレンスは、
メニューバーの【ファイル】>【管理】>【データベース】からデータベースの管理画面を開き
「リレーションシップ」タブで表示することができます。
テーブルオカレンスをダブルクリックして「テーブルを指定」を表示します。
「Sample.fmp12」 ファイルにある
「顧客情報」 テーブルのデータを表示する
「顧客情報」 という名前のテーブルオカレンス
ということが分かります。
次に、先ほどレコードを作成したレイアウトを レイアウトモード に切り替えて見てみましょう。
画面の右上にある「レイアウトの編集」をクリックすると、レイアウトモードに切り替えることができます。※通常はブラウズモードになっています
ショートカットキーで切り替えることもできます。
Windows:Ctrl+L
Mac:⌘-L
Tips_レイアウトモードからブラウズモードへの切り替えについて
右上の「レイアウトの終了」をクリック、もしくはショートカットキーで切り替えることができます。
Windows:Ctrl+B
Mac:⌘-B
Tips_その他のモードについて
モードは全部で4つあります。
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それぞれのモードについては、別の回で詳しくご紹介します。
ブラウズモード :第7回「データを表示する機能」 (Ver.19はこちら)
検索モード :第7回「データを表示する機能」 (Ver.19はこちら)
レイアウトモード :第8回「データを表示する画面を作成する機能」(Ver.19はこちら)
プレビューモード :第9回「画面を印刷する機能」 (Ver.19はこちら)
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下の図の赤枠の部分に「テーブル:顧客情報」という表記があります。
このレイアウトには、「顧客情報」というテーブルオカレンスが設定されていることが分かります。
テーブルオカレンスが間に入ることで、レイアウトとテーブルが紐づけられていることを確認できました。
4)ファイル内に複数テーブルがある場合
AテーブルとBテーブルが存在するファイルで、
Bテーブルにレコードを作成したい場合はBテーブルが紐づくレイアウト上で新規レコードを作成します。Aテーブルが紐づくレイアウトを表示している場合、 Bテーブルが紐づくレイアウトに切り替える必要があります。
ブラウズモードでレイアウトを切り替えるには、以下の2つの方法があります。
・ステータスツールバーの「レイアウト:○○」というレイアウト名の表示部分で切り替える
・【表示】>【レイアウト切り替え】から選択する
■切り替えたいレイアウトが候補に表示されない場合
メニューバーの【ファイル】>【管理】>【レイアウト】でレイアウトの管理画面を開き、
左端のチェックボックスを確認します。チェックを付けていないとブラウズモードでレイアウト候補として表示されません。
◇リレーションシップを利用したレコードの作成
続いて、「リレーションシップを利用したレコードの作成」についてご紹介します。
先にお伝えした通り、基本的にレコードを作成するためには、レコードを追加したいテーブルが設定されているレイアウトに切り替えて「新規レコード」をクリックしますが、
リレーションシップを設定することで、表示されているレコードに関連するレコードであればレイアウトを切り替えずにレコードを作成できます。
まずは設定方法を見ていきます。
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リレーションシップとポータルについては、第7回「データを表示する機能」の回でご紹介しますが、以下のブログでも詳しくご紹介していますので、よろしければご覧下さい。
◆リレーションシップグラフを読み解いてみよう
◆難しいことは考えず、とにかくFileMakerでポータルを使ってみよう!
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1)リレーションシップの設定方法
メニューバーの【ファイル】>【管理】>【データベース】からデータベースの管理画面を開き「リレーションシップ」タブで設定をします。
リレーションシップを設定する2つのテーブルオカレンスのフィールド同士をドラッグアンドドロップでつなぎます。
今回は「顧客情報」テーブルオカレンスの「顧客ID」と、「販売履歴」テーブルオカレンスの「顧客ID」をつなぎます。
続いて、リレーションシップの真ん中にある「=」をクリックし、リレーションシップ編集画面下部の「販売履歴」の「このリレーションシップを使用して、このテーブルでのレコードの作成を許可」にチェックを付けて、「OK」をクリックして設定は完了です。
2)動作の確認
下図のレイアウトを使って実際の動作を見ていきます。
「顧客情報」テーブルを設定したレイアウト上で「販売履歴」テーブルのレコードをポータルで表示しています。
あらかじめ「顧客情報」テーブルのレコードは追加しています。
先程の設定によってポータル内に入力欄が表示され、データが入力できるようになっています。
このレイアウト名を「顧客情報_販売履歴」とします。
Tips_レイアウトの名前の変更方法
メニューバーの【ファイル】>【管理】>【レイアウト】でレイアウトの管理画面を開き、
【編集】ボタンからレイアウトの設定画面を開きます。
ここでレイアウト名の変更をすることができます。
以下は「販売履歴」テーブルを設定しているレイアウト(レイアウト名を「販売履歴」とします)です。
冒頭でご説明したように、このレイアウト上でデータを入力するには新規レコードの追加が必要です。
ですが、先程の設定により「販売履歴」レイアウト上のレコードが0でも、「顧客情報_販売履歴」レイアウトのポータルからレコードを作成することができます。
動作を確認するため、レコード数は0のままで「顧客情報_販売履歴」レイアウトに切り替えます。
そしてポータルでデータを入力して確定します。
「販売履歴」レイアウトに戻ります。ポータルで作成したレコードが追加されているのが確認できました。
このように「リレーションシップを利用したレコードの作成」では、レイアウトを切り替えて新規レコードを追加する、という作業をしなくてもポータル機能などを使って関連するレコードを作成することができます。
Tips_関連テーブルへのレコードの追加について
関連テーブルのフィールドがポータルにある場合、ポータルの最終行のフィールドにデータを入力して (レコードの外側をクリックするか別のレコードを選択するなどして) レコードを確定することで関連テーブルにレコードを追加することができます。
いかがでしたでしょうか。以上が、「データを登録する機能」のご紹介となります。
次回、第3回の内容は「データを消去する機能」です。
最後までお読みいただきありがとうございました!