【FileMaker 19対応】ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ「入力を補助する機能・データを変更する機能」

2021年04月13日 10:47 AM

Claris FileMaker 19


こちらは「ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ」を最新バージョンClaris FileMaker 19対応にリニューアルした記事です。

新バージョンでの第4回は「データを変更する機能」にプラスして「入力を補助する機能」も合わせてお届けしたいと思います。

 

まず「入力を補助する機能」として以下3つを、

・入力値の自動化

・入力値の制限

・値一覧

その後「データを変更する機能」として以下4つをご紹介します。

・手入力による編集・変更

・フィールド内容の全置換

・フィールド内容の再ルックアップ

・Evaluate関数

 

このブログは全12回のシリーズです。

①データを入力する器を作成する機能 V15V17V18V19

②データを登録する機能 V15V17V18V19

③データを消去する機能 V15V17V18V19

④データを変更する機能 V15V17V18V19(入力を補助する機能をプラス) ←今回はここです

⑤データをインポートする機能 V15V17V18V19

⑥データをエクスポートする機能 V16V17,18V19

⑦データを表示する機能 V16V17,18V19

⑧データを表示する画面を作成する機能 V16V17,18続編(V19)

⑨画面を印刷する機能 V17,18続編(V19)

⑩データを共有する機能 V17,18V19

⑪処理を自動化する機能 V17,18スクリプトトリガ編(V19)

⑫セキュリティに関する機能 V17,18FileMakerファイルの暗号化/通信の暗号化(V19)

 

 

FileMakerにはデータの入力を簡単にしたり、正確なデータ入力を補助する機能がいくつかあります。その中から3つを今回ご紹介します。

 

■入力値の自動化

「入力値の自動化」はフィールドに値を自動で入力できる機能です。

データを登録した日時やユーザー名などを自動入力できます。また計算式の結果や、関連レコードの値を利用することもできます。

 

設定場所はデータベースの管理画面から、各フィールドの「オプション」をクリックすると開く

オプション編集画面の「入力値の自動化」タブです。

 

①作成情報:レコード作成時の情報が入力されます。選択肢は、日付・時刻・タイムスタンプ・名前・アカウント名です。

②修正情報:レコード修正時の情報が入力されます。選択肢は、日付・時刻・タイムスタンプ・名前・アカウント名です。

③シリアル番号:連番を生成して入力します。入力のタイミングをレコード作成時・確定時どちらにするか選択します。

④直前に参照したレコード値:同じテーブルで、最後にアクセスしたレコードの値が入力されます。

⑤データ:設定した値が入力されます。

⑥計算値:設定した計算式の結果が入力されます。

⑦ルックアップ値:関連レコードのフィールドから値をコピーします。

 

◆「計算値」の設定【フィールドに既存の値が存在する場合は置き換えない】について

チェックを付けない場合は、計算式で使用されているフィールドの値が変更されるたびに、再計算されて自動で値が変更されます。

チェックを付けた場合は、計算式で使用されているフィールドの値が変更されても、最初に入力された値から変更されません。

 

◆設定【データ入力時の値変更の禁止】について

この設定にチェックを付けた場合は、ユーザーが自動入力された値を変更できなくなります。変更しようとすると以下のようなメッセージが表示されます。

入力値の自動化の詳細はヘルプをご参照ください。

Claris FileMaker Pro 19 ヘルプ:入力値の自動化の定義

 

 

■入力値の制限

入力される値を制限したり、入力漏れを防ぐことができる機能です。

設定場所は「入力値の自動化」の隣のタブ「入力値の制限」です。

①いつのタイミングで制限するかを設定します。

「常時」を選択すると手入力だけでなくインポート時やスクリプトでの値入力にも、制限が適応されることになります。

★制限がかかるタイミング

常時:手入力・インポート・スクリプト

データの入力時のみ:手入力

 

②「データの入力時にユーザーによる上書きを許可する」は制限の警告メッセージを無視して上書きできるかできないかの設定です。

下図はチェックを付けた場合の警告メッセージです。

「はい」をクリックして上書きができます。

チェックを付けない場合は下図のように選択肢が「はい」「いいえ」ではなく「OK」のみになり警告を無視できなくなります。

 

③具体的な制限内容を指定します。

オプションによって警告メッセージのタイミングが異なります。

 

④警告メッセージをデフォルトの文章から変更できます。

 

入力値の制限の詳細はヘルプをご参照ください。

Claris FileMaker Pro 19 ヘルプ:入力値の制限の設定

 

■値一覧

よく利用する値や、文言が決まっている値をあらかじめ一覧で登録しておき、ユーザーが入力時に選択できる機能です。入力が簡単にできる、値を統一できるなどのメリットがあります。

例えば「担当者」やタスクの「ステータス」は同じ値を何度も使う項目かと思いますので、値一覧を登録しておくと便利です。また、値一覧の表示方法(コントロールスタイル)も4つありますのでご紹介します。

 

値一覧の基本的な使い方は2ステップです。

①値一覧の作成

【ファイル】→【管理】→【値一覧】をクリックします。

値一覧の管理画面が開きます。ファイルに設定している値一覧を管理できます。

左下の「新規」をクリックすると編集画面が開き、新しく値一覧を追加することができます。

②フィールドへの値一覧の割り当てと、フィールド書式の設定

レイアウトモードの右側のインスペクタパネルでフィールドの値一覧設定ができます。

「値一覧:」でフィールドに割り当てる値一覧を選びます。

「コントロールスタイル」で表示方法を選びます。値一覧で利用できるコントロールスタイルは「ドロップダウンリスト」「ポップアップメニュー」「チェックボックスセット」「ラジオボタンセット」の4つです。

※選択するコントロールスタイルによって「値一覧:」下のオプション設定は変わります。

 

下図はドロップダウンリストです。このように値一覧から値を選択することができます。

今回ご紹介した値一覧は「“静的“値一覧」と呼ばれるものです。一方「“動的“値一覧」と言ってフィールドに入力されたデータをもとに関連データを表示させる方法もあります。

ブログがありますのでよろしければご覧ください。

ファイルメーカー(FileMaker Pro)の「値一覧」

 

値一覧の詳細はヘルプをご参照ください。

Claris FileMaker Pro 19 ヘルプ:値一覧の定義

 

 

続いて「データを変更する機能」をいくつかご紹介していきます。

 

■手入力による編集・変更

編集したいフィールドにカーソルを入れて値を入力し、レコードを確定させる動作をすることでデータが変更されます。(レコードを確定させる動作については2回目でご紹介しました。)

これは新規登録の際も、編集する際も変わりません。

 

新規登録時と同様、レコードを確定させる前であれば、値を元に戻す(データベース格納値に戻す)ことが可能です。

 

操作方法は、メニューバーの【レコード】→【レコード復帰】です。

 

 

■フィールド内容の全置換

対象レコードの値を一括で変更できる便利な機能です。

対象レコードを一括で置換しますので、実行後にレコード復帰はできません。

 

【レコード】 →【フィールド内容の全置換】から実行できます。

置き換えたいフィールド(下の図では「都道府県」フィールドの“東京都“)にカーソルを入れて置換を実行することで、対象レコードのフィールドの値を一括で特定のデータに変更することができます。

膨大なデータを置き換える必要がある場合にはとても便利ですね!

繰り返しになりますが、実行後は置き換え前のデータに戻せないので注意しましょう。

 

 

■フィールド内容の再ルックアップ

この機能は入力値の自動化「ルックアップ値」を設定しているフィールドがある場合に利用する機能です。

コピー元のフィールドの値を変更した時、「ルックアップ値」を設定しているフィールドの値もその値で上書きしたい場合に利用します。

対象レコードを一括で置換しますので、実行後にレコード復帰はできません。注意しましょう。

 

例えば下図のように「見積」の「連絡先」フィールドは関連テーブル「顧客」から「電話番号」フィールドをコピーするように設定していたとします。

※以下2カ所をデフォルト設定から変更しています。

1)「完全に一致する値がない場合」は「使用する値」を選択。右の四角の欄は空欄のまま。

2)左下の「内容が空欄の場合コピーしない」のチェックを外す。

そうすると照合フィールド「顧客ID」に基づきレイアウト「見積」の「連絡先」の値がルックアップで自動入力されます。

 

重要なのが、ルックアップで入力された値は、コピー元のフィールドの値が書き換わっても上書きされないということです。ここで「フィールド内容の再ルックアップ」を利用します。

 

【レコード】 →【フィールド内容の再ルックアップ】から実行します。

今回の場合だと「顧客ID」にカーソルを入れて実行します。

ダイアログが表示されますので、「OK」をクリックすると、「顧客ID」に基づいて「見積」の「連絡先」の値が変更されます。

 

ちなみに、この時カーソルを「顧客ID」ではなく「連絡先」に入れて「フィールド内容の再ルックアップ」を実行すると以下のようなダイアログが出ます。

つい、値をルックアップするフィールドにカーソルを入れてしまいそうになりますが、照合フィールドにカーソルを入れる、ということを頭に入れておきましょう。

 

再ルックアップも「フィールド内容の全置換」同様、対象レコードを一括で置換しますので、実行後レコード復帰はできません。注意してください。

 

■Evaluate関数

「このフィールドが書き換わったら、自動でこのフィールドの内容も書き換えたい!」

といった場合に便利な関数です。

例えば特定のフィールドの値が変更されるたびに「変更日時」のフィールドを更新したい場合などに利用できます。

Claris FileMaker Pro 19 ヘルプ:論理関数「Evaluate」

 

—————————— FileMaker ヘルプより抜粋 ——————————

Evaluate ( “Get ( タイムスタンプ )” ; [フィールドB ; フィールドC] )

フィールド B またはフィールド C が変更されるたびに、タイムスタンプを保存します。

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次回は第5回「データをインポートする機能」です。

最後までお読みいただきありがとうございました!