【Ver.18】ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ

2019年11月18日 02:58 PM

FileMaker 18


こちらはFileMaker(ファイルメーカー)18に合わせリニューアルした「ファイルメーカーの使い方を覚えたいあなたの為のブログ」です!

最新バージョン FileMaker 2024 対応版はこちら

全12回のシリーズで連載していきます。

1回目の今回は

FileMaker Pro 18 Advancedでできることを知る

データを入力する器を作成する機能について

という2つのテーマですすめていきます。

■FileMaker Pro 18 Advencedでできることを知る

ファイルメーカーとは何か?をWikipediaで調べると、次のように定義されています。

FileMaker(ファイルメーカー)は、クラリス社(旧ファイルメーカー社)が開発しているクロスプラットフォームのデータベースソフトウェアである。最新版は18

当初はカード型であったが、バージョンアップ毎に様々な機能を追加してきた。

FileMaker Proとなった後に大きなものでは、3.0にて関係データベース機能、4.0ではプラグイン機能及びWeb公開機能、7.0では多テーブル構造を取り入れファイル形式を変更し、データベースのキャパシティーが増大した。現バージョンではカード型の平易さを残したまま、かなりの規模のデータベースを構築できる。また、簡易DTP機能を備えており、ページデザインの自由度もデータベースソフトとしては高い。

日本語版はバージョン6までがカタカナ表記、バージョン7以降は英字表記が正式となる。

出典:Wikipedia 2019年11月現在

https://ja.wikipedia.org/wiki/FileMaker

自分の言葉で説明させて頂くと、次のように定義できるかと思います。

ファイルメーカーとは「クラリス・ジャパン社(旧ファイルメーカー社)が販売しているデータベースソフトウェアのシリーズ名称

(以降、”FileMaker プラットフォーム”と表記)

発売中の最新シリーズの製品一覧は次の通り。
・FileMaker Pro 18 Advanced
・FileMaker Server 18
・FileMaker Go 18
・FileMaker Cloud for AWS

※アメリカでは2019年10月30日に新しい「FileMaker Cloud」 が発売されました。日本での発売は2020年春予定

ファイルメーカーカスタムAppで利用するデータベースを作成するためには、

FileMaker Pro Advancedが必要になります。

(2018年5月をもってFileMaker ProはFileMaker Pro Advancedに一本化されました。)

2019年11月現在、クラリス・ジャパン株式会社は、ファイルメーカーで開発したソリューションのことを「カスタムApp」という名称で表記しています。

その為、本ブログでもFileMaker Pro 18 Advanced を利用して開発するソリューションのことを「カスタムApp」と表記します。

FileMaker Pro 18 Advanced には、大まかに次のような機能があります。

①データを入力する器を作成する機能 V15V17V18V192024   ←今回はここです

②データを登録する機能 V15V17V18V19

③データを消去する機能 V15V17V18V19

④データを変更する機能 V15V17V18V19(入力を補助する機能をプラス)

⑤データをインポートする機能 V15V17V18V19

⑥データをエクスポートする機能 V16V17,18V19

⑦データを表示する機能 V16V17,18V19

⑧データを表示する画面を作成する機能 V16V17,18続編(V19)

⑨画面を印刷する機能 V17,18続編(V19)

⑩データを共有する機能 V17,18V19

⑪処理を自動化する機能 V17,18スクリプトトリガ編(V19)

⑫セキュリティに関する機能 V17,18FileMakerファイルの暗号化/通信の暗号化(V19)

「これらの機能を組み合わせて、カスタムAppをつくる」ことが、

ファイルメーカーの使い方を覚える、ということになると思います。

■データを入力する器を作成する機能

それではまず、「データを入力する器を作成する機能」についてご紹介します。

具体的には、

・FileMakerファイル

・テーブル

・フィールド

の作り方をお伝えしたいと思います。

◇FileMakerファイルの作成の準備

FileMaker Pro Advancedをインストールしたら「高度なツール」の利用設定をしましょう(高度なツールについての詳しい説明は省きますが、バージョン16以前でFileMaker Pro Advancedでのみ利用できた機能のことです。

バージョン16以前では FileMaker ProとFileMaker Pro Advancedが製品として分かれているためこの設定はありません。)

これからの説明の中では高度なツールを使用しなくても十分できますが、

ゆくゆく操作が慣れて作りこむ…となったときに非常に便利な機能がたくさん含まれています。

事前に設定しておいて損はないので、まず設定してしまいましょう。

FileMaker Pro Advancedを起動し、メニューバーの【編集】から【環境設定】を選択します。

表示された環境設定ダイアログの「一般」タブの一番下のチェックボックスの

「高度なツールを使用する」にチェックを入れます。

「OK」ボタンで閉じ、FileMaker Pro Advancedを一度終了し、再度起動します。

メニューバーに「ツール」という項目が新たにできたのが確認できると思います。

これで「高度なツール」の利用もできるようになりました。

◇FileMakerファイルのつくりかた

「.fmp12」という拡張子を持つ、FileMakerファイルの作り方をお伝えします。

FileMaker Pro Advancedを起動し、メニューバーの【ファイル】から【新規作成】を選択します。

新規作成の選択ウインドウが表示されますので、一から作成する場合は「新規」を選択し、右下の「作成」ボタンを押します。すると、「名前を付けて保存」というダイアログが出ますので、ここで任意のファイル名を入力して保存をクリックします。

保存をクリックすると、FileMaker ファイルの編集画面が表示されます。

この時点で既に「.fmp12」のファイルは作成されていますので、右上の「×」ボタンで閉じてもファイルが消えることはありません。

◇テーブルのつくりかた

「.fmp12」のファイルが新規作成されたとき、自動的に作成されているものがあります。

・ファイル名と同名のテーブル

・デフォルトフィールドと呼ばれる5つのフィールド

・ファイル名と同名のテーブルオカレンス

・ファイル名と同名のレイアウト

・Adminのアカウント(完全アクセス権限に紐付く)

…テーブルオカレンスって何?ということについては、また別の機会に後記していくとして、まず「テーブルとは」についてご説明したいと思います。

〈参考記事〉FileMaker考察:「テーブル」と「テーブルオカレンス」の違いについて

FileMaker考察:「テーブル」と「テーブルオカレンス」の違いについて

テーブルとは、エクセルで例えるなら「シート」のようなものです。

「.xlsx」の拡張子を持つファイルの中に「シート1」「シート2」「シート3」が存在していて、それぞれのシートにデータを入力できるのと同じように、

「.fmp12」の拡張子を持つファイルの中に「ファイル名と同名のテーブル」が存在していて、ここにデータを入力していく事が出来ます。もちろん「テーブル2」「テーブル3」と、テーブルを増やしていく事もできます。

テーブルを追加する際は、メニューバーの【ファイル】から【管理】>【データベース】を選択し、編集画面を開きます。

「ファイル名」のデータベースの管理 という編集窓が表示されましたら、「テーブル」のタブを選択します。

追加したいテーブル名を入力し、「作成」ボタンを押すとテーブルを追加することができます。

最後に「OK」ボタンを押すと、実際にテーブルが作成されます。

※最初に自動的に作成されるテーブルは、不要であれば削除しても構いません。

テーブルを削除した際は「リレーションシップ」タブで、同じ名前のテーブルオカレンスが<テーブルが見つかりません>と表示されてしまうので、こちらも削除しましょう。

◇フィールドのつくりかた

続いて、フィールドの作成方法をご紹介します。

フィールドとは、エクセルで例えるなら「」のようなものです。

管理項目を1つ1つ、フィールドとして登録していきます。

(別のデータベース言語では、”カラム”と呼ぶことが多いと思います。)

データベースの考え方は、表計算ソフトをイメージして頂くと理解がスムーズです。

このように、管理項目を表す横軸(フィールド)と、1件1件のデータを区別するための縦軸(レコード)の組み合わせで、情報を格納していきます。

例えば「鈴木二郎さんの住所は?」という問いに対して、まず鈴木二郎さんのレコードを特定し、同じ行にある住所フィールドの値を取得することで「北海道」という結果を得ることができます。

では、実際のフィールドの作成方法をご紹介します。

フィールドは、テーブルと同じようにメニューバーの【ファイル】から【管理】>【データベース】から編集画面を開くことができます。

「ファイル名」のデータベースの管理 という編集窓が表示されましたら、「フィールド」のタブを選択します。

この時、どのテーブルにフィールドを追加しようとしているかを表す、

画面上部の [テーブル(B):  SampleFile ▼  5フィールド] という部分に注意してください。

これは、「SampleFile」のテーブルにフィールドを追加しようとしていることを表しています。

例えば、【住所録】に「電話番号」のフィールドを追加したいのに、誤って【接触履歴】に追加してしまったら、全く意味がありませんので、ここは慎重にご確認をお願いしたいと思います。

フィールドの追加自体は、テーブルの追加と同じような感覚で追加して頂くことができますが、1つだけ【タイプ】を選択する点がテーブルと異なります。

【タイプ】には、以下の種類があります。

・テキスト

・数字

・日付

・時刻

・タイムスタンプ

・オブジェクト

・計算

・集計

作成したいフィールドの内容に一番合っているものを選択します。

それぞれの詳細については、下記リンクをご確認下さい。

<<フィールドタイプの選択について:FileMakerナレッジ>>

https://support.filemaker.com/s/answerview?anum=000023380&language=ja

適当につくることもできますが(全部テキストとか)、後から変更する場合、色々と面倒なことになる可能性も否定できないので、

(データが全部消えてしまう、不具合の原因になった、etc….)

予め、正しいタイプを設定しておくことをお勧めいたします。

最後に「OK」ボタンを押すと、実際にフィールドが作成されます。

最後にStarter AppとサンプルAppについてご紹介します。

ファイルを新規作成する際、「新規」以外にもカラフルな選択肢があったと思います。

ここにはStarter AppとサンプルAppがあり、選べるようになっています。

Starter Appは、すぐに使えるシンプルな App で、これを出発点としてカスタム App の開発を始められます。

サンプル App は、よくあるビジネスの課題に焦点をあて、FileMaker Pro Advanced 、FileMaker Go 、FileMaker WebDirect で利用できるように最適化されています。

言い換えてみると、他の機能を組み込むことを前提に作られているのがStarter App、機能を追加することもできるけど、これだけでも十分使用することができるというのがサンプルAppといったところでしょうか。

こういうものを使用すると、どんな機能が作れるのか、どうやったら作れるのかなど参考になりますね。

ぜひぜひ活用してみてください。

次回は、データを登録する機能についてご紹介します。