FileMaker Server 18 「fmsadmin」コマンドレビュー(前編)
2019年06月11日 10:00 AM
FileMaker 18
FileMaker 18 プラットフォームが発売されました!
今回はFileMaker Serverのコマンドラインツールである「 fmsadmin 」について、
これまでとの変更点を中心に見ていきたいと思います。
※FileMaker Server 17発売時のコマンドレビューはこちら
https://ywc.com/filemaker/?p=5062
○はじめに
まずはfmsadminコマンドで何ができるかを確認してみます。
[ fmsadmin get ] [ fmsadmin set ]コマンドに、
バックアップスケジュールに関する記述が追加されていました。
各コマンドを詳しく見てみます。
○fmsadmin get
[ fmsadmin get backuptime ]というコマンドが追加されています。
ちょうど「Examples」としてコマンド例が載っていたので、
試しに[ fmsadmin get backuptime ]コマンドを実行してみます。
バックアップスケジュールの一覧が取得できました。
「ID」が「1」の「FMS」は、デフォルトで設定されている自動バックアップのスケジュールです。
現在無効にしているため、「Start time」も表示されません。
「ID」が「2」の「backup test」は、Admin Consoleから作成したスケジュールです。
こちらは設定どおり「Start time」が「23:00」となっております。
順番に行くと次は「ID」が「3」のスケジュールが表示されるはずですが、
「4」のスケジュールが出てきました。
これは、「3」がバックアップスケジュールではなく、
FileMakerスクリプトを実行するスケジュールだったためでした。
なお、スケジュールの一覧は[ fmsadmin list schedules ]コマンドで見ることができます。
[ fmsadmin get backuptime ]コマンドだと、
バックアップスケジュールのみを見ることができるので、
[ fmsadmin list schedules ]コマンドよりわかりやすくなっています。
ちなみに、[ fmsadmin get backuptime ]コマンドで表示される「Start time」は、
あくまで実行される時間しかわかりません。
試しに「backup test」スケジュールの開始日を1か月後にしたり、
実行する曜日を変更したりしてみましたが、「Start time」の表示は変わりませんでした。
また、せっかくなのでFileMaker Server 17からある、
[fmsadmin get serverconfig]コマンドも実行してみました。
設定できる項目はFileMaker Server 18になっても変更がありませんでしたが、
「ScriptSessions」のデフォルト値が「25」だったものが「100」に上がっています。
これは、
「スクリプトの処理を積極的にサーバー側で行っていきましょう!」
というメッセージ!……かもしれませんね。
○fmsadmin set
[ get ]で取得できることは[ set ]で設定もできます。
バックアップスケジュールの「Start time」も、
[ fmsadmin set backuptime ]コマンドで自由に編集することができました。
[ fmsadmin set backuptime ]コマンドは、IDを指定しないと、
「1」の「FMS」(自動バックアップ)スケジュールが選ばれるようです。
「IDを指定しなかったら全てのスケジュールの時間が切り替わってしまうのでは?」
という心配は全くの杞憂に終わりました。
ちなみに、無効にしてあった「FMS」スケジュールの「Start time」を変更したところ、
有効にした際に変更が反映されていました。
但し、Admin Consoleの以下の部分は変更されませんでした。
その下の「次のバックアップ」表示が実際のバックアップ時間です。
また、スケジュール開始時間は「00:00」~「23:59」以外の指定はできませんでした。
あくまでバックアップスケジュールのコマンドであるため、
スクリプトスケジュールの時間変更もできません。
○ところで
FileMaker Server 18からの新機能である「起動復元」について、
ヘルプに以下のような記述がありました。
(「起動復元」機能については当ブログの別記事で取り上げる予定です。)
https://fmhelp.filemaker.com/help/18/fms/ja/#page/FMS_Help%2Fhostdb-startup-restoration.html
「パフォーマンスに懸念がある場合、CLI コマンドを使用して起動復元を無効にすることができます:fmsadmin set serverprefs StartupRestorationEnabled=false 」
[ serverprefs ]という見慣れないオプションの記載があります。
何ができるオプションなのか気になったので、
試しに[ fmsadmin get serverprefs ]コマンドを実行してみました。
想像よりずっと多くの項目が出てきてびっくりしました。
「起動復元」のために新たに追加されたオプションかと思いましたが、
気になってFileMaker Server 17で同じコマンドを実行したところ、
「起動復元」に関する[ StartupRestoration~ ]という項目以外の全ての項目が、
Ver.17の頃から既に取得・設定可能でした。
この[ fmsadmin get serverprefs ]コマンドについては、
後編で詳しく見ていきたいと思います。
後編はこちら→