FileMaker Server 18 「fmsadmin」コマンドレビュー(後編)

2019年06月14日 10:00 AM

FileMaker 18


前編ではfmsadminコマンドのヘルプから、バージョン17からの変更点をご紹介しました。

   FileMaker Server 18 「fmsadmin」コマンドレビュー(前編)はこちら→

今回は、Webの「起動復元」機能のヘルプに記載があるのにコマンドのヘルプには書かれていない、
[ fmsadmin get ][ fmsadmin set ]コマンドの[ serverprefs ]オプションについて、
何ができるのかを中心に見ていきます。

 

 

○取得できる情報

まずは[ fmsadmin get serverprefs ]コマンドを実行して、取得できる情報を見てみます。

MaxGuests/MaxFiles/CacheSize/UseCustomHostName/CustomHostName/MaxLogSize/
UseStatsLog/StatsTimeInterval/UseSecureConnection/IncrementalBackupInterval/
AllowPSOS/UseTopCallsLog/UseClientStatsLog/RequireSecureDB/CollectFeatureInfo/
DenyGuestAndAutoLogin/WPERedirect/HSTSEnable/StartupRestorationEnabled/
StartupRestorationLogMB/StartupRestorationLogCount/StartupRestorationSyncWrite

全部で22項目あります。
「StartupRestoration」と入っている4項目については、
FileMaker Server 18で新しく追加された「起動復元」機能に関するものです。
それ以外の18項目は、FileMaker Server 17でも同じコマンドを実行すると、同様に表示されました。
(「起動復元」機能については当ブログの別記事で取り上げる予定です。)

 

 

○実際に設定してみる

Webの「起動復元」機能のヘルプに記載がある通り、
[ fmsadmin set serverprefs StartupRestorationEnabled=false]コマンドを実行することで、
「起動復元」機能を無効にすることができます。

同様にして、他のいくつかの項目も設定を変更してみました。

どの項目も設定を変更することができました。
ちなみに、これらの項目は以下の設定を行っていました。

MaxGuests:FileMaker Proクライアント接続の最大数
MaxFiles:ホストする最大ファイル数
CacheSize:データベースキャッシュに予約されているRAM
MaxLogSize:ログの最大サイズ
StatsTimeInterval:使用状況情報の収集間隔
IncrementalBackupInterval:プログレッシブバックアップの保存間隔
AllowPSOS:スクリプト同時セッション最大数

上記の設定をする際、私は今まで[ fmsadmin set serverconfig ]コマンドを使用してきました。
試しに[ fmsadmin get serverconfig ]で情報を取得してみました。

[ fmsadmin set serverprefs ]での変更がしっかり反映されています。
残る[ SecureFileOnly ](パスワードで保護されたデータベースのみをホストする)項目についても、
[ fmsadmin set serverprefs RequireSecureDB=false]を実行することで、
有効/無効を切り替えることができました。

[ fmsadmin set serverconfig ]コマンドでできることは、
[ fmsadmin set serverprefs ]コマンドが全て網羅しています!

 

 

○セキュリティ関連

[ fmsadmin get serverprefs ]コマンドで取得できた情報の中で、
デフォルトと異なる結果が返ってきた項目が[ UseSecureConnection ][ HSTSEnable ]です。

新しく構築したサーバーにFileMaker Server 18をインストールしただけなのに、
デフォルトと違う設定になっているのはおかしい、と慌ててしまいましたが、
こちらは最初にAdmin Consoleを立ち上げ、カスタムSSL証明書をインポートした際に、
自動で設定が変更されたものでした。

ちなみに、この2項目はFileMaker Server 16のAdmin Consoleで設定できていた、
以下の項目に対応しているようです。

UseSecureConnection:データベース接続に SSL を使用する
HSTSEnable:Web クライアントに HSTS を使用する

FileMaker Server 17でAdmin Consoleの画面が一新してから、
これらの設定を個別に変更することができなくなったと思っていましたが、
コマンドラインで変えられると発見できて嬉しくなりました。

 

 

○ログ関連

[ fmsadmin set serverprefs ]で各種ログの有効/無効を切り替えることもできます。

それぞれ以下のログの有効/無効を設定することができます。

UseStatsLog:使用状況ログ
UseTopCallsLog:最長呼び出しの使用状況ログ
UseClientStatsLog:クライアント使用状況ログ

中でも[ Stats.log ] [ ClientStats.log ]は、FileMaker Server 17以降、
Admin Consoleで設定できなくなってしまったため、
今までは[ fmsadmin enable ] [ fmsadmin disable ]コマンドから有効にしていました。

[ fmsadmin set serverprefs ]コマンドを使用することで、
他の設定とまとめて一緒に設定することができます。

ただし、[ fmsadmin enable ] [ fmsadmin disable ]コマンドには、
バックアップスケジュールの有効/無効等、
[ fmsadmin set serverprefs ]で設定できないオプションもあります。

 

 

○まとめ

[ fmsadmin set serverprefs ]コマンドは、多くの項目を一度に設定できたり、
バージョン16までAdmin Consoleで変更できていたことをバージョン17以降でも変更できたりと、
多機能でとても便利なものであることがわかりました。

これを活用して、FileMaker Server の設定を最適なものに変えていきましょう!