第4回「バージョンアップ時の注意点-FileMaker Server 編-+オマケ」

2022年05月13日 10:52 AM

バージョンアップ


全4回にわたって、FileMaker専門の開発会社の視点で
バージョンアップにはどんな準備が必要で、何に気を付けたらいいのか
わかりやすくご説明をさせていただいております。

 

第1回目はこちら↓
FileMaker のバージョンアップとは?

第2回目はこちら↓
Claris FileMaker のバージョンアップの方法

第3回目はこちら↓
バージョンアップ時の注意点-カスタムApp&FileMaker Pro編-

 

第4回目の今回は、バージョンアップ時の注意点「FileMaker Server 」編です。
今回はちょっとボリューム多めなので、しっかりついてきてください!

 

①あなたはどちら?

バージョンアップを検討するとき、ファイルのことばかり考えがちですが、サーバーも同様にどのように運用していくか考えなければなりません。まずはどのようなサーバーを使用するか決めましょう。

考えるポイントは2点ございます。

  1. 現在利用中のサーバーを使用し続けるか、新しく乗り換えるか
  2. オンプレミスサーバーとクラウドサーバーどちらを使用するか

 

では、それぞれ詳しく見てみましょう。

1. 現在利用中のサーバーを使用し続けるか、新しく乗り換えるか

1番先に確認しなければならないことは、現在利用中のサーバーがバージョンアップ後のシステム要件にサポートされているかです。

Claris社のナレッジベースを確認し、サポート外のサーバーであれば新しく乗り換えることは必須になるかと思います。

また、ご存知かと思いますがIT業界の移り変わりは早いです。現在サポートされていたとしても、サポートギリギリの世代であったり、今後長い間そのサーバーを利用し続ける予定であったりするのであれば、新しく乗り換えることを検討した方がよいかもしれません。

Claris FileMaker 19.4 の動作環境 (Claris ナレッジベース)

 

2. オンプレミスサーバーとクラウドサーバーどちらを使用するか

次に検討すべきことは、オンプレミスサーバーを使用するか、クラウドサーバーを使用するかです。簡単に特徴を見ていきましょう。

  • オンプレミスサーバー

基本的にサーバーを自社で保有し運用するシステムの利用形態です。

メリットは、自社にサーバーを保有するのでセキュリティを高く維持しやすい点や比較的自由にカスタマイズできる点でしょう。

対してデメリットは、コスト面です。特に初期費用と初期設定のハードルが高いです。しかし、ランニングコストという面からみると費用はあまりかからないため、長く使用するほど費用を抑えられるという一面もございます。

  • クラウドサーバー

主にインターネット上の仮想サーバーを指します。

メリットは、場所に捉われずアクセスできる点や初期費用と初期設定のハードルが低く、早いものだと数日後にはサーバーとして運用を開始することができます。また、バックアップを取得するデータセンター を分散させることで災害等に強い点も挙げられます。

対してデメリットは、セキュリティ面が挙げられます。クラウドサーバーだから危ないということではありませんが、オンプレミスサーバーと比較すると、常にインターネット上にあるクラウドサーバーとはリスクの数に差があることは事実です。サーバーを提供しているシステムにトラブル が起きた際は、通常通りに使用できなくなることもあります。

オンプレミスサーバーとクラウドサーバーはどちらかが優れているというものではございません。それぞれの特徴を理解し、導入する環境や重視する機能を考慮した上で選択いただければと思います。

 

②検証しよう

使用するサーバーがオンプレミスなのかクラウドなのか決めることができたら、次にサーバーの動作検証が必要になります。

動作検証において別サーバーへ乗り換えの際は、旧サーバーと新サーバーを並行稼働でテストを行うことを推奨しています。並行稼働をせず移行作業を行ってしまい、後々新サーバーで動かないというトラブルが過去にございました。扱うデータにもよりますが、ほとんどが会社にはなくてはならない貴重なデータだと思います。手間は惜しまず、しっかりデータ移行をできるよう準備を進めましょう。

<準備>
・旧サーバー
・新サーバー
・動作検証をするClaris FileMakerファイル

<確認すること>
・新サーバー上で旧サーバーと同様の動きをするのかの動作検証
・通信スピード
・バックアップの取得はできているか

 

③バージョンアップの前に:準備

新サーバーでの動作検証ができましたら、いよいよバージョンアップ作業 に入っていきます。

まずは、旧サーバーでバックアップの準備をして参りましょう。

下記表は、最低限バックアップを取っておきたい項目になります。バックアップスケジュールやスクリプトスケジュールはつい忘れがちになってしまいますので気を付けましょう。

Admin Console 上の記載位置 保存しておく項目
バックアップ バックアップスケジュール
構成 > 一般設定 サーバー名
構成 > FileMaker クライアント FileMaker Pro / FileMaker Go /
WebDirect のタイムアウト時間
構成 > スクリプトスケジュール スクリプトスケジュール

 

上記に加えて下記の表もご用意いたしました。下記の表は、保存可能なリストになります。弊社の経験上、これらすべてが設定されているサーバーは少ないかと思いますが、使用用途によっては重要なものもあるかと思いますので、一通り目を通しておくことを推奨いたします。

もし、不明点があれば弊社までご連絡ください。

Admin Console 上の記載位置 保存しておく項目
バックアップ バックアップスケジュール
構成 > 一般設定 サーバー名
データベース/データベースサーバー/
Web公開エンジンの自動公開
構成 > FileMaker クライアント FileMaker Pro FileMaker Go /
WebDirect のタイムアウト時間
構成 > フォルダ 追加データベースフォルダ /
バックアップフォルダの設定
プログレッシブバックアップの設定
構成 > スクリプトスケジュール スクリプトスケジュール
構成 > 通知 ローカル通知の設定
電子メールの設定
構成 > SSL証明書 SSL証明書
構成 > ログ FileMaker ログ
コネクタ > Web公開 FileMaker WebDirectの設定
Web公開エンジンの設定
コネクタ > FileMaker Data API FileMaker Data API の設定
コネクタ > プラグイン サーバープラグインの設定
Web公開プラグインの設定
コネクタ > ODBC/JDBC ODBC/JDBCの設定
管理 > FileMaker ライセンス ライセンス情報
管理 > 管理者 管理者ID/Pass
管理 > 外部認証 アイデンティティ認証プロバイダの設定
外部アカウントのACサインイン設定
外部アカウントのDBサインイン設定

 

旧サーバーのバックアップが完了したら、次はClaris FileMakerの実データのバックアップを取得しましょう。
項目は以下の通りです。

実データ
データベース
スクリプト
プラグイン
ドキュメント

 

④FileMaker Server のインストール

サーバーとClaris FileMakerの実データのバックアップが取れましたら
Claris FileMaker Serverのインストールに移ります。

詳しいClaris FileMaker Server のインストール方法は別記事でまとめていますので下記ブログを参照ください。

Claris FileMaker Server 19 インストールレビュー

 

<旧サーバーのデータ復元>

先ほど確認・保存した旧サーバーの情報を新サーバーのAdmin Consoleで設定を行います。下記表でそれぞれの保存先ファイルを記載しています。

旧サーバーで保存したファイルをそれぞれに保存していきましょう

Windows Mac
データベース /Databases /Databases
データベース /Secure /Secure
(セキュアフォルダ)
スクリプト /Scripts /Scripts
ドキュメント /Documents /Documents
プラグイン /Database Server/Extensions /Database Server/Extensions

 

<スケジュール設定>

  1. Admin Console を開いて [構成]
  2. [スクリプトスケジュール] タブをクリック
  3. [保存またはロード] の [すべてのスケジュールをロード] を選択
  4. [参照] をクリック
  5. 旧サーバーで保存したスケジュール設定ファイルを選択し、開くをクリック
  6. ロードボタンを押せるようになりますのでクリック
  7. 正常にロードされました のダイアログが出ればロード成功

 

⑤その他注意点

<ハードドライブについて>

ナレッジベースでは、ハードドライブは500GB以上が推奨されています。
皆さんは500GBが何を指しているか正しくご存じですか?
少し解説いたします。

 

・500GB以上
・ドライブの空き容量20%
・OSドライブに100GB以上の使用可能領域

上記は、文字通り記載ある数字を当てはめてハードドライブを用意してみた内容になります。一見、何の問題もないように見えますが、実は以前Claris のサポートに問い合わせしたところ「動作環境のハードドライブ:500GB以上はシステムドライブであるCドライブ側に必要になる。データベースやバックアップのデータを別ドライブに保存している場合、それぞれのドライブの総容量や空き容量等の要件については、利用されるファイルのサイズに応じた容量を用意してください」とのことでした。これらを考慮すると、正しくは以下のような構成が必要と考えられます。

・OSドライブに500GB以上
・ドライブの空き容量20%以上

ハードドライブに関する注意点は以上です。

こういった内容があれば、これからもお知らせしていこうと思います。