【Ver.19の新機能】Claris FileMaker WebDirect でカードウインドウがサポートされるようになりました

2020年06月01日 02:00 PM

Claris FileMaker 19


FileMaker Pro 16 の新機能として登場したカードウインドウですが Claris FileMaker Server 19において Claris FileMaker WebDirect でもサポートされるようになりました!

 

(カードウインドウについてはこちらを参照ください)

 

また、カードウインドウのサポートにともない、スクリプトステップや関数に一部変更がありますので、こちらをご紹介したいと思います。

 

 

★変更になったスクリプトステップ

 

 

○新規ウインドウ

 

カードウインドウスタイルオプションが Claris FileMaker WebDirectでサポートされるようになりました。

1つの Claris FileMaker WebDirectセッションでを最大で表示することができます。

 

!ウインドウについて補足!

Claris FileMaker WebDirectにおけるウインドウについてですが、実際にウインドウがあるわけではありません。そのセッション(ブラウザページ)において、実際のウインドウの代わりに「仮想ウインドウ」というものを開いてレイアウトを表示しています。

これまでは1つのドキュメントウインドウしか表示できませんでしたが、今回カードウインドウがサポートされたことにより、1つのドキュメントウインドウを表示させたまま、カードウインドウを表示できるようになった、ということですね。

(カードウインドウが開いた状態では後ろのドキュメントウインドウ(親ウインドウ)を操作することはできません)

 

 

○ウインドウの調整

 

Claris FileMaker WebDirectでカードに対応する[収まるようにサイズ変更]オプションを使用できるようになりました。

 

使用例

【新規ウインドウ】スクリプトステップのオプションでカードにしたいレイアウトを小さく(大きく)指定してしまっても、【ウインドウの調整】スクリプトステップで[収まるようにサイズ変更]に設定することでレイアウトに合わせた大きさに調整されます。

※【新規ウインドウ】スクリプトステップの「(Web上の仮想ウインドウ)」は、スクリプトステップの互換性でFileMaker WebDirect(サーバー、FileMaker Data API)を選択することで表示されます。

 

 

○ウインドウの移動/サイズ変更

 

 

Claris FileMaker WebDirectの場合、

 

・カードの大きさがブラウザのサイズより大きい場合、上端からの距離と左端からの距離は0にセットされます。

・上端からの距離と左端からの距離は指定していない限りは、負の値にはなりません。

・カードのサイズは、ブラウザウインドウのサイズを超えないように作成する必要があります。ブラウザウインドウの右端、下端を超えた部分は切り取られて表示がされます。

※切り取られて表示された後にブラウザの大きさを大きく変更しても、切り取られた部分は表示されません。再度カードを閉じて開き直す必要があります。

→閉じるボタンをカスタムして配置する場合、位置に気を付けましょう。

 

↑切り取られて表示されたカードウインドウ(切り取られた後にブラウザのウインドウを大きく変更しています)

↑正しく表示されたカードウインドウ

 

 

 

★変更になった関数

 

○Get (ウインドウ左位置)

Claris FileMaker WebDirectでは、カードウインドウで値が取得できるようになりました。

※他のウインドウスタイルではサポートされていません。

 

○Get (ウインドウ上位置)

Claris FileMaker WebDirectでは、カードウインドウで値が取得できるようになりました。

※他のウインドウスタイルではサポートされていません。

 

○Get (ウインドウスタイル)

Claris FileMaker WebDirectでは0(ドキュメントウインドウ)または3(カードウインドウ)を返します。

※V.18までは、 Claris FileMaker WebDirectでは常に0を返します。

 

 

これらの関数を確認できるスクリプトを作成してみました。

このスクリプトをドキュメントウインドウを表示した状態で実行してみると、次の結果が得られました。

ドキュメントウインドウでは【Get (ウインドウ左位置)】と【Get (ウインドウ上位置)】の値は空ですが、カードウインドウだと値を取得できています。

ちなみに同じスクリプトをV.18で確認してみると、次のようになりました。

※V.18ではカードウインドウはサポートされていませんので、【新規ウインドウ】スクリプトステップで開くウインドウはドキュメントウインドウとなります。

また、Ver.18からVer.19で Claris FileMaker WebDirectの動作が異なる箇所がありますので、ご紹介します。

Claris FileMaker WebDirectのカードウインドウのサポートに伴って変更されたスクリプトステップと関数をご紹介しました。

 

(※この動作はデスクトップブラウザではChrome 81.0.4044.138、Microsoft Edge 44.18362.449.0、モバイルブラウザではiOS13.4.1のモバイルSafariにて確認しました。他の環境では確認をしていませんので、動作の違いが発生するかは不明です。)

 

レイアウト上のオブジェクトはインスペクタパネルの自動サイズ調整でアンカー設定を行うことができます。

レイアウト上のオブジェクトが1つも、右側のアンカー設定がされていない場合、

下のアンカー設定がされているオブジェクトがブラウザウインドウの大きさや表示倍率の設定により表示されなくなってしまうことがあります。

Ver.18では次のように表示される設定では、

 

Ver.19では次のように表示されます。

このように、下のアンカー設定したオブジェクトが一部消えたりしてしまいます。

ウインドウの大きさや、表示倍率を変更することで、正しく表示されることもあります。

※こちらは発売時点での挙動です。仕様なのか不具合なのかはわかっていません。

 

右のアンカーを設定しているオブジェクトが1つでもある場合はこの挙動は起こらなくなりますので、解決したい場合は、右側のアンカーを設定したオブジェクトを配置するとよいかと思います。

 

今回の新しい機能紹介は以上です。

 

弊社では Claris FileMaker WebDirectの機能を体験できるサイトを用意しております。

また、お使いのシステムを Claris FileMaker WebDirectでお試しいただくこともできます。

ぜひこちらをご覧ください。

現在、Ver.19の環境を準備中です。用意ができましたら別途お知らせいたしますので、お待ちくださいませ。

 

 

 

是非、機能強化された Claris FileMaker WebDirectを利用してみてください!