Claris FileMaker 2026 – フィールド表示名をカスタマイズする新機能

2026年06月10日 10:26 AM

Claris FileMaker 2026


Claris FileMaker 2026 では、フィールドの表示名を用途に応じてカスタマイズできる新機能が追加されました。

これまで FileMaker のフィールドは、定義したフィールド名がそのままエクスポート画面やソート画面、テーブルビューにも表示されていました。今回の新機能により、それぞれの場面で異なる表示名を設定できるようになり、ユーザーに見せる名称と開発者が管理するフィールド名を分離できます。

今回は下記の 2 つの機能について、実際に検証した内容をご紹介します。

  1. フィールドの詳細オプション「フィールド表示名をカスタマイズ
  2. 新しい関数 FieldDisplayNames ( ファイル名 ; フィールド名 )

1. フィールド表示名のカスタマイズとは

FileMaker のフィールドには「詳細オプション」という設定画面があります。FileMaker 2026 では、この詳細オプションに「フィールド表示名をカスタマイズ」という新しい項目が追加されました。

ここに JSON 形式の計算式を設定することで、フィールドの「表示名」を場面ごとに変えることができます。

詳細オプションを開くと、デフォルトで下記の計算式が設定されています。

   JSONSetElement ( "{}" ;
     [ "fm_common"    ; "" ; JSONString ] ;
     [ "fm_export"    ; "" ; JSONString ] ;
     [ "fm_sort"      ; "" ; JSONString ] ;
     [ "fm_table_view"; "" ; JSONString ]
   )

この計算式は 4 つの JSON キーで構成されています。それぞれのキーに値(表示名の文字列)を設定することで、画面ごとに異なる表示名を適用できます。

下記テーブルを例にして確認をしてみました。

他の 3 つのキーに値が設定されていない場合、このキーの値がすべての場面で使用されます。いわば「デフォルトの表示名」です。

たとえば「OrderID」フィールドに、表示名の fm_common に「注文ID」と設定し、他のキーを空にしておくと、エクスポート・ソート・テーブルビューのすべてで「注文ID」が表示されます。

データをエクスポートする際に表示されるフィールド名です。

fm_export に設定した表示名は、CSV や Excel へのエクスポート時に、その表示名で出力されます。受け取る側に合わせた列名を設定するのに便利です。

「レコードのソート」ダイアログでフィールドを選択する際に表示される表示名です。

エンドユーザー向けにわかりやすい名称を設定することで、ソート操作がより直感的になります。

テーブルビューで列ヘッダーに表示される表示名です。

「データベースの管理」画面のフィールド一覧でも、表示名の設定状況を確認できます。

フィールド一覧の「タイプ」列の右横には「オプション/コメント/詳細」という列があり、クリックすることで表示内容を切り替えられます。「詳細」を選択した状態では、「フィールド表示名をカスタマイズ」が設定されているフィールドの行に「表示名」という文字が表示されます。

この表示により、多数のフィールドがある場合でも、表示名カスタマイズが設定済みかどうかを一覧で素早く把握できます。

fm_export(エクスポート画面での表示名)で、FileMaker 形式で書き出してみました。

書き出したのは、CustomerID(表示名:顧客ID)CustomerName(表示名:顧客名)を書き出しました。書き出したファイルを確認すると、表示名と同じフィールド名で、フィールドが作成されていました。

表示名でフィールドが作成されているので、書き出したファイルを再度インポートするようなスクリプトなどがある場合、インポートスクリプトステップの「称合名順」などが使われている場合、インポートが失敗してしまいます。


そのような処理があるカスタムAppで、この表示名のオプションを使う場合は、その処理のインポートスクリプトステップを確認する必要がありそうです。

2. 新しい関数 FieldDisplayNames ( ファイル名 ; フィールド名 )

FieldDisplayNames 関数 は、FileMaker 2026 で追加された新しい関数です。指定したフィールドの「フィールド表示名をカスタマイズ」に設定された JSON を取得することができます。

FieldDisplayNames ( ファイル名 ; フィールド名 )

  • ファイル名:対象ファイルの名前
  • フィールド名:表示名を取得したいフィールドの名前

JSON 形式の文字列が返されます。

例)「OrderID」フィールドの fm_common に「注文ID」を設定している場合:

{"fm_common":"注文ID","fm_export":"","fm_sort":"","fm_table_view":""}

設定していないキーは空文字(””)で返されます。

フィールドラベルにフィールド名をそのまま書くのではなく、FieldDisplayNames 関数で取得した表示名を動的に表示する。こうすることで、フィールドの詳細オプションで表示名を変更するだけで、レイアウトの表示も自動的に更新されます。

① フィールドのラベルテキストで、レイアウト計算を使用します。
② 計算式に FieldDisplayNames 関数を使って fm_common の値を取得します。

   Let (
 	[
	~fn = GetFieldName ( OrderID );
 	~fdn = FieldDisplayNames ( Get ( ファイル名 ) ; ~fn )
	] ;
 	JSONGetElement ( ~fdn ; "fm_common" )
   )

③ レイアウト上のラベルに「注文ID」が表示されます。

  • フィールドの表示名を詳細オプションで一元管理できる
  • レイアウトを個別に修正しなくても、表示名を一括変更できる
  • 開発者向けのフィールド名(英語など)とユーザー向けの表示名を分離できる

Claris FileMaker 2026 の「フィールド表示名のカスタマイズ」機能と FieldDisplayNames 関数を組み合わせることで、フィールドの表示名を場面ごと・用途ごとに柔軟に管理できるようになりました。

これまでは、エクスポートの列名やソートダイアログの見出しはフィールド名がそのまま使われていたため、開発者にとってはわかりやすいですが、エンドユーザーには伝わりにくい名称になってしまうことがありました。今回の機能によって、その課題が解決されます。

エクスポートしたファイルを、外部で修正して、再度インポートするような場合は、照合名順がつかえないなど注意点もありますが、逆に項目名をユーザ向けにカスタマイズしないといけない場合、余計な処理が要らなくなります。また、表示名のJSONは関数で設定しますので、計算式を工夫することで、同じキー(fm_export など)でも、場面により表示名を切り替えることもできそうです。

また FieldDisplayNames 関数を使えば、表示名をプログラムから動的に参照できるため、レイアウトラベルの表示名の一元管理が実現できます。

ぜひ新しい「フィールド表示名をカスタマイズ」オプションを活用して、ユーザーに使いやすいカスタム App を構築してみてください。

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