PowerPoint®と兄弟だった!? Claris FileMaker®の知られざる歴史と進化
2025年09月26日 12:00 PM
その他
はじめに
Claris FileMakerでレイアウトを作っていて、「あれ?これってPowerPointに似てるな…」と思ったこと、ありませんか?
オブジェクトをドラッグして配置したり、テキストや画像を自由に組み合わせたり。直感的な操作感は、まるでプレゼン資料を作っているような感覚になります。
実はそれ、偶然ではありません。FileMakerとPowerPointは、同じ会社から生まれた“兄弟”のような存在なのです。

FileMakerとPowerPointの意外な共通点
1980年代、Forethought社という企業が販売していた2つのソフトウェアがありました。(※1
ひとつはプレゼンテーションツール「PowerPoint」、もうひとつがデータベースソフト「FileMaker」。
その後、Forethought社はMicrosoftに買収され、PowerPointはOffice製品として世界中に広まりました。一方、FileMakerはApple傘下のClaris社に引き継がれ、Macユーザーを中心に業務システム構築ツールとして進化を続けてきました。
こうしてそれぞれの運命が分かれていったのですが、兄弟(?)姉妹(?)ともども40年たった今でも全世界の数多くのユーザーに利用されていることは、これはこれですごいことですよね。
※1)FileMakerはNashoba社で開発されForethought社が販売をしていました。
40年の歴史を持つ、息の長いソフトウェア
FileMakerは1985年の誕生以来、約40年にわたり進化を続けてきたローコード開発ツールです。これほど長く生き残っているソフトウェアは非常に珍しく、しかもただ存続しているだけではありません。常に時代のニーズに合わせて変革を繰り返してきたのです。
● 1989年:FileMaker II が Clarisから発売される
Appleの子会社であったClaris Corporation が8月に発売を開始します。なぜ II が付いたかというとMac II の発売にあわせて名前を統一したとのことです。
● 2004年:バージョン7でRDB化
それまでのカード型構造から脱却し、複数テーブルを持つリレーショナルデータベースへと進化。業務システムとしての柔軟性が飛躍的に向上しました。
● 2010年:バージョン11でiOS対応
「FileMaker Go」の登場により、iPhoneやiPadで業務アプリが動作するようになり、モバイル対応が一気に加速。
● 2013年:FileMaker WebDirectの登場
Webブラウザから直接FileMakerアプリにアクセスできるようになり、インストール不要で業務アプリを展開可能に。
● 2020年 Claris Connectとの連携
Claris FileMakerは「Claris Connect」と連携し、他社のクラウド製品とノーコードで連動できるようになっています。これにより、業務の流れを一元管理し、データの複数管理を防ぐ仕組みが構築可能です
● 2025年:バージョン22でAIに本格的な対応
最新のFileMakerでは、自然言語検索や画像検索などのAI機能が標準搭載され、業務効率化やデータ活用の幅が大きく広がっています
次回は、FileMakerが今後どのように進化していくのか、AIやクラウドとの連携、そしてローコード開発の未来について掘り下げます。
参考リンク・出典
- FileMakerの歴史(Wikipedia)
- FileMakerは時代遅れ?(Claris公式ブログ)
- Claris Studio / Connect活用ガイド
- FileMakerでAIを使ってみる(Claris公式ブログ)