Claris FileMaker Server 2025-Admin Console から操作可能になった機能紹介!
2025年07月29日 12:00 PM
Claris FileMaker 2025
Claris FileMaker Server の最新バージョンがリリースされました。
それに伴い、 Admin Console も変更がありましたので、ご紹介いたします。
Admin Console (アドミンコンソール)は、Claris FileMaker Server の状態を確認したり、データベースの管理やバックアップの設定などを行ったりするための Web ベースの管理画面です。
今回のバージョンアップで Admin Console に追加・変更された機能は以下の通りです。
・データベースのフラッシュ機能
・Nginx Web サーバーの使用条件
・キューイング前のスクリプト同時セッション数の設定機能
・「Let’s Encrypt 証明書を要求」ボタン
・Claris FileMaker WebDirect のカスタムホームページ設定機能
・「AIサービス」機能
気になる機能が多く追加されていますね。
<データベースのフラッシュ機能>
「データベース」タブを開き、任意のデータベース右横のボタンを押下すると「フラッシュ」という項目が追加されていました。


「すべてのデータベース」右横のボタンを押下すると「すべてをフラッシュ」という項目が追加されており、まとめてフラッシュを行うことも可能になりました。


<Nginx Web サーバーの使用条件>
「構成」タブの「FileMaker クライアント」->「ネットワーキング」-> 「Nginx Web サーバーを使用」に注目です。
Windows では、バージョン21.1.1以降 HTTPSトンネリングにのみ Nginx Web サーバーが使用可能でした。そのため「HTTPSトンネリング」を有効にしないと「Nginx Web サーバーを使用」も有効にすることができませんでした。
そちらが今回のバージョンから「HTTPSトンネリング」を無効にしたまま FileMaker WebDirect での Nginx の使用が可能になっています。
※ Ubuntu ではバージョン19.5.1以降デフォルトの Web サーバーが Apache から Nginx になっています。


<キューイング前のスクリプト同時セッション数の設定機能>
次に、先ほどと同じ画面上で「スクリプトエンジン」の項目に「キューイング前のスクリプト同時セッション」が追加されています。

こちらも Windows のみ変更の対象ですが、サーバー上で同時に実行するスクリプトセッション数を Admin Console から設定できるようになり、より安定した運用が可能になりました。
デフォルト「50」に設定され、値は1から500までの値で入力できます。それ以外の値を入力すると保存ボタンが押せない仕様です。




<「Let’s Encrypt 証明書を要求」ボタン>
続いて、「構成」タブの「SSL 証明書」を見ていきます。
画面上部に「Let’s Encrypt 証明書を要求」というボタンが増えていました。


バージョン21では MacOS と Linux を対象に導入用スクリプトが提供されましたが、Windows は対象外だったため Windows での導入はやや難易度が高い状態でした。
※バージョン21での Windows への導入方法は過去にブログを掲載しておりますので、よろしければそちらをご覧ください。
そんな Let’s Encrypt 証明書の導入ですが、今回のバージョンから Windows もサポートされ、 Admin Console 上でドメイン名を入力するだけで設定できるようになり、設定手順が簡易化されました。システムスクリプトを使用し、更新をスケジュールすることも可能です。


<Claris FileMaker WebDirect のカスタムホームページ機能>
「コネクタ」タブの「Web 公開」の画面にて、カスタムホームページの設定機能が追加されました。


カスタムホームページの機能自体は以前からありましたが、設定手順の一つでカスタムホームページの有効化とURLの設定については、 jwpc_prefs.xml ファイルを手動で修正することでしか設定ができませんでした。

…/Web Publishing/confの jwpc_prefs.xml ファイル内の
homeurlenabled 引数を yes or no にすることで有効化・無効化の設定、customhomeurl 引数にカスタムホームURLを記述することで設定可能でした。
例)
・・・
<parameter name=”homeurlenabled”>yes</parameter>
<parameter name=”customhomeurl”> https://example.com</parameter>
・・・
今回のバージョンアップで、こちらの部分の設定を Admin Console で管理可能になり、設定・確認が簡易化されました。
<「AI サービス」機能>
そして最後に今回の目玉ともいえる機能について紹介します。
Admin Console 上に「AI サービス」タブが追加されました。
このタブでは管理者が利用可能なモデルの一覧表示、モデルの有効化・無効化、承認したモデルの追加・ダウンロード・除去などが可能です。
モデルサーバーはデフォルトでは未設定になっています。

モデルサーバーの状態を有効化するとポップアップが表示され Miniforge をインストールする手順が示されます。手順に従いファイルをアップロードすることで必要なパッケージ等を自動的にインストールしてくれます。

インストールが完了すると、状態が「実行中」に変わり設定画面が表示されます。

また、一度設定してから状態をOFFにすると「停止」という表示に変わります。

次に「キー」を見ていきます。
ここでは AI サービスへのアクセス制御をする API キーの管理画面です。
API キーの作成・削除そして作成したキーの確認が可能です。ここで併せて RAG スペースの設定も構成できます。

そして「モデル」は、モデルの管理画面です。モデルサーバーが実行中の間のみ表示されます。モデルが一覧で表示され、ここから追加したモデルのダウンロード等が可能です。

これら「AI サービス」タブの画面から設定を行い、LLM やローカル LLM を構築できるようになりました。この機能が追加されたことによって今後さらなる業務効率化が見込めそうです。
より詳細な内容については後日改めてブログにてご紹介させていただきます。
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いかがでしたでしょうか。
今回の新バージョンで Admin Console から操作可能になった機能が多く見られました。機能の紹介だったためあまり触れていませんでしたが、UI/UX にも一部変更があり、以前よりもより使いやすくなった印象です。
今後も引き続き詳細を確認していきます。