Claris FileMaker 2025 -「対象レコードに埋め込みを挿入」スクリプトステップの改善

2025年07月09日 03:56 PM

Claris FileMaker 2025


みなさん、こんにちは

Claris FileMaker 2025では AI関連のスクリプトステップである「対象レコードに埋め込みを挿入」スクリプトステップにオプションが追加されました。

FileMaker 2024ではオプションは下図の通りでした。

FileMaker 2025では下図のようになりました。

追加されたオプションは「エラー時に続行」「概要を表示」の2つです。

「エラー時に続行」

一部のレコードでエラーが発生しても埋め込みベクトルの取得を継続できます。

「概要を表示」

ステップ実行時に概要のダイアログボックスが表示されます。

実際にスクリプトステップを動作させてみましょう。

趣味と休日の過ごし方を登録したファイルを準備しました。キーワードを指定して「休日の過ごし方」についてセマンティック検索をさせるファイルです。

セマンティック検索の準備として「_ベクトル」フィールドに「休日の過ごし方」フィールドの内容をベクトル化して挿入します。この際に「対象レコードに埋め込み挿入」ステップを使います。「エラー時に続行」「概要を表示」
ともにチェックをしました。

このスクリプトを実行させるにあたり、わざとエラーを出すために別ウインドウを開き、1つのウインドウで「_ベクトル」フィールドにカーソルを入れ、編集中にします。この状態でもう1つのウインドウで「_ベクトル」フィールドを「全置換」ステップを実行した場合、201エラー(エラー内容:フィールドを変更できません)が出て編集中のレコードは全置換できません。「対象レコードに埋め込み挿入」ステップではどうなるでしょうか?

結果、他のウインドウで編集中の「_ベクトル」フィールドは空欄になり、その他のレコードにはベクトルが挿入されました。挿入が終わると「埋め込みを挿入の概要」というタイトルのダイアログボックスが表示されました。

「スキップされたレコード」に1が表示されているため、挿入ができなかったレコードがあったことが簡単にわかります。

ただし、編集中のレコードに挿入できなかったのはエラーとしては扱われないのか「検出されたエラー」に表示されませんし、その後Get(最終エラー)関数を確認してみてもエラーは「0」でした。何かAIに特有にエラーなどがあるのかもしれません。

対象レコードに埋め込み挿入する際に「概要を表示」のチェックをすれば、スキップされたレコードの有無がわかるので、挿入されていないレコードがあるかないかが簡単になり、セマンティック検索時のエラー処理に役立ちそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました。