Claris FileMaker 2025 - GetTextFromPDF 関数 -オブジェクトフィールドに格納した PDFからテキストを取得
2025年07月09日 10:00 AM
Claris FileMaker 2025
みなさま、こんにちは。
本ブログでは、Claris FileMaker 2025において新たに追加された「GetTextFromPDF 関数」についてご紹介させていただきます。
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Getで始まる関数はたくさんの種類がありますが、今回追加された関数は指定したオブジェクトフィールドに格納されているPDFファイルからテキストを取得します。では早速確認していきましょう。
GetTextFromPDF() 関数
指定したオブジェクトフィールドの PDF 内のテキストを返します。
構文:GetTextFromPDF ( オブジェクト )
引数:オブジェクト – オブジェクトデータを返す任意の式
戻り値のデータタイプ:テキスト
実際に使用してみます。
最初にオブジェクトフィールドとテキストフィールドを作成します。
「ファイル」>「管理」>「データベース」でデータベースの管理ダイアログボックスを開きます。「フィールド」タブを開きフィールド名に「イメージ」と入力し、タイプは「オブジェクト」を選択したら「作成」ボタンをクリックします。同じようにフィールド名「取得テキスト」、タイプ「テキスト」としてフィールドを作成します。(フィールド名はお好きな名前でかまいません)

作成したテキストフィールドを選択し「オプション」をクリックします。

「フィールドに既存の値が存在する場合は置き換えない(P)」に付いているチェックを外します。次に計算値にチェックを入れ、「指定...」ボタンをクリックし[計算式の指定]ダイアログボックスを開き、計算式を設定します。

関数パネルからGetTextFromPDF関数を選び、引数に先ほど作成したオブジェクトフィールドを指定します。

「OK」を3回クリックしてデータベースの管理を閉じます。これでテキストフィールドに計算値自動入力が設定されました。
次にフィールドを配置します。[ファイル] メニュー >「表示」>「レイアウトモード」と操作してレイアウトモードにします。(または画面右上の「レイアウトの編集」ボタン)
先ほど作成したオブジェクトフィールドとテキストフィールドをレイアウトに配置します。

配置したオブジェクトフィールドを選択した状態でインスペクタの[データ]タブをクリックします。

「データの書式設定」の「次の用途に最適化」の設定項目にある「インタラクティブコンテンツ(PDF、MP3など)」をクリックします。

これで準備はできました。次は動作を確認します。
[ファイル] メニュー >「表示」>「ブラウズモード」と操作してレイアウトモードにします。(または画面右上の「レイアウトの終了」ボタン)配置したオブジェクトフィールドにPDFファイルを挿入します。挿入はオブジェクトフィールド上で右クリックし「PDFを挿入」、もしくはPDFファイルをドラック&ドロップで挿入します。

GetTextFromPDF関数が動作し、右側に配置した「取得テキスト」フィールドには左側のPDFファイル内にあるテキストが表示されました!
PDFファイルと取得したテキストを比較した結果、文章に差異はありませんでした。全体を通して異なっていた点は、取得したテキストの行の先頭にPDFファイルにはない半角スペース(下図赤枠)が入ることがありました。

図のように行頭に空白があるPDFからテキストを取得した場合必ず半角スペースが
入るわけではありませんでした。今回は規則性が見つけられなかったのですが、また何かわかりましたらお知らせしたいと思います。
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みなさま、いかがでしたでしょうか。
ご紹介した今回追加された機能は、あると嬉しい便利機能だと思います。文書管理システムなどで、PDFファイル内に記載されている内容で検索したい(●●という単語が含まれているPDFファイルを検索とか・・・)、そのような場合はファイルからテキストを抜き出し検索をかければ簡単に実現ができます。今まではキーワードを入力して検索できるように工夫したり、最近だとAIを活用するということも出てきたと思いますが、この関数で文書管理の要望がとても手軽にできるようになると思います。
皆様も是非このブログを参考にご活用いただければ幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。