FileMaker Server 17 Admin Consoleの変更点について
2018年06月21日 02:42 PM
FileMaker 17
FileMaker Server 17よりAdmin Consoleはデザインが刷新され、まったく新しいレイアウトになりました。
実際に一通り触ってみたところ、レスポンスが良く使用感が向上していると感じました。
まず始めにAdmin Consoleにログインした直後の画面から確認していきます。
バージョン17
バージョン16
バージョン16までをご利用いただいていた方には、この時点で戸惑う方がいるかもしれません。。。
しかし、ひとつひとつ確認すると以前からあったものが多いように見受けられます。
新しい点としてはボリューム状態、システム使用状況が追加されています。
タスクマネージャーのパフォーマンスと同じ様に、サーバーのCPU使用率など現在の状態を確認できます。
以後はバージョン17のメニュー順をもとに、バージョン16との違いを見ていきます。
「ダッシュボード」タブの隣は「データベース」タブです。
バージョン17
バージョン16
こちらはバージョン16まで「アクティビティ」メニューとしてあった機能です。
できる機能自体に大きな変更はございませんが、フォルダ階層の表示から全件の表示へと変更されています。
また、検索ウィンドウが新しく追加されました。特にデータベース数が多い場合は、
目的のデータベースを効率良く見つけられるようになりました。
次に「バックアップ」タブを見ていきます。
以前は「スケジュール」と表示されていた機能になります。
大きく変わった点は以下のとおりです。
・自動バックアップ
毎日午前0時にバックアップを取得します。(7世代の1週間)
こちらはコマンドラインから停止することもできますが、Admin Consoleからは設定できません。
「自動バックアップおよびオンデマンド」、「保存済み」は、
上記の「自動バックアップ」と「今すぐバックアップ」の際に使用されます。
「バックアップスケジュール」で設定されたバックアップはAdmin Consoleの「自動バックアップおよびオンデマンド」には表示されませんのでご注意ください。
次に「構成」タブに移ります。
上から順に「一般設定」から説明していきます。
新しく追加されたものは
【サーバーID】
各 FileMaker Server 展開をサーバー ID で固有に識別します。
カスタマサポートや FileMaker Store に連絡する際に、必要になる場合があるようです。
【表示言語】
表示言語を変更できます。言語を英語などへ一瞬で切り替えることができます。
「FileMakerクライアント」
セッションタイムアウトのカスタム時間が最大60分だったものが24時間まで設定できるようになっております。
「フォルダ」
デフォルトのデータベースフォルダの場所が変更できなくなっております。
また、プログレッシブバックアップはAdmin Consoleでは時間指定ができなくなり5分となりました。
こちらはコマンドラインから変更することができます。
「スクリプトスケジュール」
以前は「スケジュール」タブでバックアップスケジュールと一緒になっておりましたが、
今回よりスクリプトスケジュールのページが追加されました。
バージョン16までは展開アシスタントで設定したいましたが、単一画面で設定できるようになっています。
「通知」
ローカル通知は Admin Console を実行しているマシンのブラウザで通知されます。
こちらのローカル通知は Admin Console が前面に表示されていない場合でも表示されます。
「SSL証明書」
以前は「セキュリティ」タブの中にあり、証明書情報も「証明書を表示」と押して、始めて内容が確認できるものでした。
今回よりSSL証明書のページを開くことで詳細な情報をすぐに確認することができます。
「ログ」
こちらはバージョン17で大きく変わった点の一つといえるかもしれません。
以前はAdmin Console上でログの確認ができていましたが、今回よりログファイルをダウンロードして確認することになりました。
恐らくAdmin Consoleが重くなる原因のひとつであったためと考えられます。
「ダウンロードするログを選択」を押しダウンロードしたいログをクリックする
ことによりダウンロードできます。(ダウンロード形式:zip)
event.log : サーバーのイベントログ
access.log : サーバーのアクセスログ
wpe.log Web : 公開ログ
fmdapi.log : FileMaker Data API ログ
topcallstats.log : 最長呼び出し設定のログ
「FileMaker Data API」
バージョン16ではトライアルの機能でしたが今回より正式なサービスとなりました。
「コネクタ」の「FileMaker Data API」タブより有効にすることで使用できます。
「FileMakerラインセンス」
使用中のFileMaker Serverのライセンス情報を確認することができます。
バージョン17よりライセンス形態が変更になり1ユーザーごとの追加購入ができるようになりました。
それにあわせてAdmin Console上からライセンスの購入が可能になりました。
「外部認証」
バージョン16より搭載されたOAuthによる外部認証機能ですが、専用タブが用意され設定がしやすくなりました。
■機能のまとめ
・今回より追加、変更された機能
「FileMaker Admin API (Trial)」
FileMaker Admin APIを使用すると、REST API アクセスにより FileMaker Server を管理することができます。
トライアル期間は、2019年9月27日までです。
「FileMaker Data API」
トライアル機能ではなくなりました。
FileMaker Server スクリプトのサポート、オブジェクトフィールドにファイルをアップロードする機能が追加されています。
・今回より廃止になった機能
【展開アシスタント】
インストール時や、設定変更時など展開アシスタントを使用していましたが、
今回より設定の変更もよりシンプルにおこなえるようになりました。
【管理者グループ】
Admin Console上でのデータベースの管理・運用を行うことができる特定の管理者グループを作成できる機能でした。今回より廃止になっています。
【Admin Consoleから削除された機能】
バージョン17よりコマンドラインのみでAdmin Consoleからは設定できなくなった機能があります。
コマンドラインからのみ設定できる機能の一例
・データベースキャッシュに予約されている RAM
・パスワードで保護されたデータベースのみをホストする
今回よりAdmin Consoleはよりシンプルに使いやすくなったと感じられました。
始めて使用する方にも直感的に使用できるインターフェースになったと思います。
レイアウトの変更など大きく変わったように感じられますが、追加された機能として目立つものは少ないように感じられます。
エンドユーザーにはより使いやすく、開発者にはAdmin Consoleにアクセスせずに
設定できるなどそれぞれにメリットがあると感じられます。