この設定項目、なんだっけ?<Claris FileMakerにたくさん存在する設定項目を確認してみよう!>

2025年04月08日 12:00 PM

ファイルメーカーのTips


みなさま、こんにちは!

Claris FileMakerには、いろいろな場所にチェックボックスやラジオボタンによる、さまざまな設定項目があります。
例えばこれとか・・・

これとか・・・

開発を進める中で、「こんな設定項目があったのか!」と驚くこともあるのではないでしょうか。

特に初心者のうちは、これらがどのような役割を果たすのかを一つずつ試しながら学んでいくことが多いと思います。

今回は、FileMakerでの開発歴2年弱の私が、最近知った、または知った時に感心したチェックボックスやラジオボタンによる 設定項目5選 をご紹介します。

1. 「計算結果を保存せず必要時に再計算する」チェックボックス

ファイル > 管理 > データベース

> 計算フィールド オプション > 索引オプションダイアログ

「今日の日付」や「今日時点での年齢」など、常に最新の値を計算する必要がある場合にはこの「計算結果を保存せず必要時に再計算する」チェックを付ける必要があります。

Claris FileMakerで開発を始めてすぐ、一番初めに「なるほど!」と思った設定項目です。 
はじめて聞いたときは「保存される計算タイプのフィールド」「非保存の計算タイプのフィールド」という、耳なじみのない言葉に頭が混乱したものの、開発を進めて行くにあたってこの考えがだんだんと身に染みてきました。

「保存される計算タイプのフィールド」と「非保存の計算タイプのフィールド」について、より詳しい説明が知りたい方は、ぜひ『計算式を使って値を取得し、値が保存される2つのフィールド設定について』 の記事も読んでみてください!

2. 「印刷時に非表示にする」チェックボックス

レイアウトモード > オブジェクトを選択

> インスペクタ 位置タブ

このチェックを付けるだけで、このオブジェクトは印刷プレビュー時や印刷物に表示されなくなります。

印刷時に非表示にしたい場合はずっと「次の場合にオブジェクトを隠す」設定を使っていたため、知る機会が無く最近知った設定項目です。

「次の場合にオブジェクトを隠す」の計算式に「Get ( ウインドウモード ) = 2 or Get ( ウインドウモード ) = 3」のような計算式をいちいち書き込まずとも、この設定項目にチェックをいれるだけでよかったのですね。

今回このブログを書くにあたり調べていたら、どうやら「印刷時に非表示にする」が先にあった機能で、「次の場合にオブジェクトを隠す」はV13からの機能のようです。

Claris FileMakerはだんだんとオブジェクトの表示/非表示の設定の柔軟性が増していったようです。

3. 「値一覧でデータ書式を上書き」チェックボックス

レイアウトモード > ポップアップメニューを設定したフィールドオブジェクトを選択

> インスペクタ データタブ

「男」が選択されたら「1」、「女」が選択されたら「2」をデータとして持たせたい場合に、下図のような値一覧を作成した場合、

チェックのありなしによってこのように表示が変わります。

この設定についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ『FileMaker Pro 15 の新機能「ポップアップメニューの『値一覧でデータ書式を上書き』オプション』 の記事も読んでみてください!

こちらも、私は比較的最近知った設定項目です。
値一覧をコードで管理する場合には、必須の項目です。

値一覧の設定はこれ以外にもたくさんの設定のパターンがあります。
いまや当たり前になった機能が多いですが、初心者からすると、設定項目がたくさんありややこしく感じることが多いのではないでしょうか。

4. ルックアップダイアログ上のラジオボタン

ファイル  >管理 > データベース

> フィールド オプション > ルックアップダイアログ

「近似値」を選択すると、以下のような値がルックアップされます。

「完全に一致する値が無い場合」は基本的に「使用する値”(空欄)”」を設定しており、それ以外の設定を使う必要が無かったため、しばらくスルーしていた機能でしたが、

検証してみるとシンプルでとても分かりやすい機能ですね。

この設定は、消費税の税率のルックアップなどに使えそうです!

上図のような消費税マスタを用意して、「(消費税率の適用)開始日」と見積書なら見積日などの「消費税率反映の基準日」でリレーションを設定し、「近似値(小さい値)を使用」を選択することで、正しい消費税率がルックアップされる設定をすることができます。

5. 「データ入力時の値の変更の禁止」と「データの入力時にユーザによる上書きを許可する」チェックボックス

ファイル > 管理 > データベース

> フィールドオプションダイアログ > 入力の自動化タブ と 入力の制限タブ

この2つは以下のような設定ができます。

〇「データ入力時の値変更の禁止」

表示されている内容の通り、チェックを入れるとデータ入力時の値の変更を禁止します。

〇「データの入力時にユーザによる上書きを許可する」

デフォルトでチェックが入っています。チェック入れる/入れないに関わらず、必要条件に設定した条件で入力に制限をかけます。

チェックを外すことで必要条件を満たしていない値でフィールドの値を上書きすることができなくなります。チェックを入れた状態の場合、警告は出ますが必要条件を満たしていない値でフィールドの値を上書きすることができます。
また、制限をかけるタイミングは「常時/データ入力時のみ」で設定します。

※・常時 → (インポート、スクリプトでの値設定などでも)常に制限
 ・データの入力時のみ → ユーザの直接入力による値の入力時に制限

改めて使い分けを書くとはっきりと違いがありますが、この2つの設定項目、表示されている日本語だけをみると意味がとても似ておりちょっと混乱しませんか?(私だけ・・・?)

この2つの設定以外にも、入力の制限をしたいときにはスクリプトトリガもよく使われますし、Claris FileMaker の入力の制限の手法はなかなか奥が深そうです。

いかがでしたでしょうか。

今回は、私が最近知った、または知った時に感心したチェックボックスやラジオボタンによる設定項目5選をご紹介しました。

Claris FileMakerには多くの設定項目があり、それぞれを正しく理解し活用することで、多彩な機能を作成できます。今後も、一つ一つの機能を丁寧に整理しながら覚えていきたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました!