FileMaker Pro(ファイルメーカー)と Microsoft Access(アクセス)の比較

2013年08月27日 11:45 PM

ファイルメーカーのTips


今回は FileMaker(ファイルメーカー)とMicrosoft Access(アクセス)の比較 をご紹介いたします。

(2017年5月10日に発売されたFileMaker 16シリーズに関連する記事はこちら(2017年6月22日 追記))

顧客管理をはじめ、業務では様々なデータベースシステムが利用されています。

システムでは主にFileMaker・Accessが多く利用されています。
この2つのソフトはどんなところが異なるのでしょうか?

FileMaker社にて作成されているFileMakerとAccessの比較表は以下になります。
こちら

今回のテーマでは、Access歴約10年、FileMaker歴4ヶ月の私が、ここ数ヶ月で感じたことをメインに比較を行いたいと思います。
*比較対象 FileMaker Pro 12/Access 2010

1.共通点
まずは、2つのソフトの共通点です。
 ・リレーショナルデータベースシステム(RDB)作成ソフトである。
 ・ソフト内で、
   ○データの保管場所(テーブル)
   インターフェイス(レイアウト/フォーム)
    を作成することができる。
    →SQLServer・Oracleなどのデータベース単体(RDBMS)では、データの保存しかできません。
    データベース以外に、データを表示するアプリケーションの作成が必要です。
    FileMaker・Accessでは、データを閲覧、編集する画面まで作成ができます。

 ・簡単なシステムから、複雑なシステムまで作成できる

    →予めソフトで用意されているファイルを利用して、簡単にシステムが作れます
     FileMaker:Starter Solution   参照
     Access:テンプレート
     また、より作りこむことによって
     業務に適したシステム、複雑なシステム、別システムとの連携を行えます。

2.違い
メインの違いについてです。
 1. 画面レイアウトの美しさ・作成のしやすさ
    FileMaker:テーマを利用して、簡単一括設定・変更が可能
      1つのレイアウトで、フォーム形式・リスト形式・表形式が使用可能。
      なおかつ、モードを変更することで検索も同じレイアウトで簡単に行える。
    Access:設定はできるが、変更に手間がかかる
      1つのレイアウトで、単票形式・帳票形式・表形式が使用可能。
      検索画面(機能)は別途作成が必要。

    →システムの顔とも言える見映えが、良いに越したことはありません。
     FileMaker、Accessともに画面作成の手間は以前のバージョンに比べ、
     はるかに楽になりました。 FMのテーマ設定はすぐに利用でき、美しいものも多く、とても便利です。
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 2. スクリプト・プログラムの作成
    FileMaker:スクリプト一覧から選ぶだけ!
    Access:マクロで実行もできるが、複雑なことを行いたい場合はVisual Basic(VB)の習得が必要

    →VBのプロともなれば、一覧から選択するよりも書いたほうが早い
     ということもあるかと思います。
     しかし開発を始めた初級者~中級者にとって、 行いたい動作を選択するだけ
     (しかも選択するステップ一覧は日本語で表記しているためわかりやすい)
     ということはとても魅力的かつ、入門ハードルが低いです。

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 3. リレーション作成時に使用するもの
    FileMaker:テーブルオカレンス
    Access:SQLリレーション(テーブル リレーションシップ)

    →同じ言葉を利用しますが、FileMakerでは、SQLのリレーションとは異なります。  FileMakerで利用するのはテーブルオカレンス(TO)です。
     TOは過去「テーブルの別の名前」と表記されていたように、
     元になるテーブルとは別に、新たに名前を付け替えた同一のテーブルを使用します。TO間をつなげることによって、リレーションを作成します。

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  4. 動作環境   

    FileMaker:マルチプラットフォーム
       (利用:Windows・Mac・Web・iOS(iPhone/iPad/iPadmini/iPod touch)
 開発:Windows・Mac)
    Access:Windows

    →一番の違いといっても過言ではありません。
     近年、業務でのMacOS、iOS(iPhone/iPad/iPadmini/iPod touch)の導入は増えてきましたが、
     それらの端末ではAccessを使用するにはいくつかの手順、準備が必要です。
     FileMakerでは環境差を気にすることなく簡単に共有・利用・作成することができます。

 

総合すると、②の項目でも少し触れましたが、大きな違いは以下になります。
 ・Accessは基本的に1つずつ機能を作りこんでいくため、上級者向け。
  プログラムの知識、データベースの知識、SQLの知識が習得必須なため、 初めてデータベースシステムを作成する方には難しい。
 ・FileMakerは直感的に操作ができ、比較的容易に作成ができる。

  (もちろん、複雑なシステム、効率のよいシステムを作成するには、
   プログラムの知識、データベースの知識が必要になってきますよ)

 

おまけ FileMakerでの開発時に、2.違い 以外の細かいところで感じたこと、驚いたことを以下にまとめます。。
 ・レイアウトに別のレイアウトを埋め込めない

   ○Accessのサブフォーム的なこと
   (親フォーム-子フォーム(別のフォームを表示))  と言った、入れ子のレイアウトは基本的にできません。
   ○レイアウトを表示する事はできませんが、 ポータルを利用することで同じようなことが可能です。
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 ・1件目のレコード作成時の挙動が異なる。
  Accessでは、0レコード時のフォームに変更点を加えた時点で、1レコード目ができます。
  FileMakerでは、変更を加えようとするとエラーが表示されます。
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  「新規レコード作成」が必要になります。

 ・全てのレイアウトにテーブルが、全てのフィールドがテーブルオカレンスに連結する必要がある
  Accessでは、非連結のフォーム(主にメニュー画面など)やテキストボックスの作成、もしくはデータソースが動的に変更が出来ました。
  FileMakerではすべてのレイアウト、レイアウト上のフィールドは連結している必要があります。

 ・関連レコードが容易に埋め込める。
  FileMakerでは、ポータルを利用して、関連したレコードが簡単に引き出せます!

 ・Map関連のWebビューアーが簡単便利!
  特にiOS(iPhone/iPod touch/iPad/iPad mini/iPod touch)を利用することでより効果を発揮します。
  Yes!マッピングシステム

 

今回はここまでのご紹介とさせていただきます。
FileMakerとAccessの比較でお悩みの場合は、ぜひ参考にしていただければと思います。