Claris FileMaker 2024 -クイックオープン機能が強化されました!
2025年03月25日 12:00 PM
Claris FileMaker 2024
みなさま、こんにちは!
今回は2024年11月にリリースされたClaris FileMaker Proのバージョン21.1.1において機能強化されたクイックオープンの機能をご紹介いたします。リリースから少し時間がたってしまいましたが、実際に使ってみてとても便利な機能なのでご紹介させていただきます!
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クイックオープンは元々「Open Quickly」という作業中のレイアウトに素早くアクセスできる検索機能です。
FileMaker2024バージョン21.0.1において機能が強化、変更されています。
参考:弊社ブログ「Claris FileMaker 2024 -クイックオープン でファイルやスクリプトも検索が可能になった!」
そして2024年11月のバージョン21.1.1においてさらに機能が強化されました。
以下Clarisの公式サイトをご参照ください。
https://help.claris.com/ja/pro-release-notes/content/index.html
それでは解説をしていきます。
まずは要となる[クイックオープン] ボックスを確認しましょう。
ボックスの表示方法は以下です。
・Ctrl+K(Windows)
・Command-K(macOS)
・[ファイル] メニュー > [クイックオープン…]

今回のポイントは、以下の4つです。
1.[クイックオープン]ボックスからのレイアウトやスクリプトへのユーザーのアクセスを制御できる
2.完全アクセス権を持つアカウントの場合、クイックオープンの結果にテーブル、フィールド、およびテーブルオカレンスが含まれるようになった
3.[データベースの管理] ダイアログボックスで [クイックオープン] ボックスを使用すると [データベースの管理] の項目のみを検索できる
4.クイックオープンの結果がカテゴリごと(ファイル、レイアウト、スクリプト、テーブル、フィールド、テーブルオカレンス)に分けられ、区別しやすくなった
5.[クイックオープン] ボックスでは、ファイル内にある項目 (レイアウトやスクリプトなど) の検索が、デフォルトで現在のファイルのみになった
それでは各々のポイントを詳しく解説していきます。
1.[クイックオープン]ボックスからのレイアウトやスクリプトへのユーザーのアクセスを制御できる
クイックオープンの機能強化の一環として「アクセス権セットの編集」内にある「その他のアクセス権」に新しいアクセス権が追加されています。(下図赤線部分)

この「クイックオープンによるレイアウトとスクリプトへのアクセスを許可(Q)」は完全アクセス権を持つアカウントの場合とそうでないアカウントでは初期設定が異なります。
図で確認してみます。


完全アクセス権を持たないアカウントに対する「クイックオープンによるレイアウトとスクリプトへのアクセスを許可」の初期設定は、チェックが付いていない状態です。
この状態は[クイックオープン]ボックスからレイアウト名やスクリプト名を指定しても
該当のレイアウト、スクリプトにアクセスできないことを表します。
アクセス権追加だけでなく、あらかじめ初期値としてチェックが外れていることで
設定忘れによる問題発生を防いだり、わざわざ設定をする手間も省けるといった効果があるのではないでしょうか。
2.完全アクセス権を持つアカウントの場合、クイックオープンの結果にテーブル、フィールド、およびテーブルオカレンスが含まれるようになった
Claris FileMakerのバージョン21.1.1以前のバージョンでは、[クイックオープン]ボックスから「最近使った項目」、「お気に入り」のファイルへアクセスできたり、開いているすべてのファイルから「レイアウト」「スクリプト」の検索ができました。
バージョン21.1.1では、完全アクセス権を持つアカウントであれば「テーブル」「フィールド」「テーブルオカレンス」も検索対象になりました。
確認してみましょう。
ファイル内には図のようなテーブルとテーブルオカレンスがあります。

テーブル「電子メールアドレス」には下図のとおりフィールドが定義されています。

このファイルでクイックオープンボックスを開き「アドレス」と入力します。

するとクイックオープンの結果に「アドレス」という文字を含むレイアウト、テーブル、フィールド、テーブルオカレンスが表示されました。
ここで表示された結果の中から、テーブルの電子メールアドレスをクリックしてみます。
すると該当する[データベースの管理]ダイアログボックスが開きます。

3.[データベースの管理] ダイアログボックスで [クイックオープン] ボックスを使用すると [データベースの管理] の項目のみを検索できる
[データベースの管理]ダイアログボックスが開いた状態で[クイックオープン]ボックスを表示します。このボックスに「アドレス」と入力した場合 [データベースの管理] が検索対象の範囲となります。

4.クイックオープンの結果がカテゴリごと(ファイル、レイアウト、スクリプト、テーブル、フィールド、テーブルオカレンス)に分けられ区別しやすくなった
同じファイルでバージョン21.0.1と21.1.1の[クイックオープン]ボックスを使用した結果を比較してみます。

結果は一目瞭然です。バージョン21.0.1では表示された結果を判別しないといけません。しかしバージョン21.1.1ではファイル、レイアウト、スクリプト、テーブル、フィールド、テーブルオカレンスというカテゴリごとに分けて表示されているため瞬時に判別できるようになりました。
5.[クイックオープン] ボックスでは、ファイル内にある項目 (レイアウトやスクリプトなど) の検索が、デフォルトで現在のファイルのみになった
Claris FileMakerのバージョン21.1.1以前のバージョンで[クイックオープン]ボックスを使用し検索した場合、検索の対象は開いている全ファイルでした。
バージョン21.1.1では初期設定が現在のファイルのみに変更されました。
ただし開いているすべてのファイルを対象にすることも可能です。
設定を変更するには[現在のファイル] オプションの選択を解除します
下図は、現在のファイルを対象に検索を行った結果が表示されています。

下図は、 開いているすべてのファイルを対象に検索を行った結果が表示されています。

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みなさま、いかがでしたでしょうか。
ご紹介した強化されたクイックオープンは、開発効率をさらにアップするとても便利な機能だと思います。みなさまも是非ご活用いただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。