FileMakerの「iOS App SDK」を使ってみよう 3 – 「Xcodeプロジェクト」での各種設定〜前編

2016年06月07日 10:00 AM

FileMaker 16以前


 

目次
1.SDKとは
2.準備するもの
3.準備:「ターミナル」から「Xcodeプロジェクト」を作成
4.設定方法:「Xcodeプロジェクト」での各種設定
5.シミュレーション:「シミュレータ」「実デバイス」での動作確認

 

FileMaker iOS App SDKについてご紹介するブログの第3回です。
前回は、「3.準備:『ターミナル』から『Xcodeプロジェクト』を作成」ということで、ターミナルを操作してXcodeの新規プロジェクトを作成する方法についてご紹介しました。前回操作の結果、デスクトップ上の「iOS App SDK」フォルダ内に「YWCtask」というフォルダが作成されています。この「YWCtask」内の「YWCtask.xcodeproj」というファイルが、今回のXcodeプロジェクトになります。

画像1_プロジェクト
今回は、このXcodeプロジェクトを使った“4.設定方法”についてご紹介いたします。

4.設定方法:「Xcodeプロジェクト」での各種設定〜前編

 

「YWCtask.xcodeproj」を開き、左上の「YWCtask」をクリックしてみましょう。
画像2_

下図のような画面が開きます。

画像3_
この画面から様々なことができるのですが、Xcodeの使い方そのものについてはApple社のドキュメント「Xcode Overview」などをご覧いただくことにして、ここでは、手元のデバイスでアプリをテストするために必要な以下の設定のみをご紹介します。

 

1)FileMakerソリューションをXcodeに追加
2)「configFile」で開始ソリューションを指定
3)アイコンの設定
4)データ保護を有効に
5)版番号、ビルド番号を設定
「前編」では、1)〜3)までを順番に確認していきたいと思います。
Xcodeの画面左上、赤枠部分を操作していきます。

画像4_
赤枠部分のいくつかのファイルを、今回作成するアプリに合うようにカスタマイズします。

画像5_

1)FileMakerソリューションをXcodeに追加
Xcode内にデフォルトで保存されているFileMakerソリューションを、今回アプリにしたいソリューションと入替えます。[Custom Application Resources]-[ Solution Files]に、今回アプリにしたい「YWCtask.fmp12」をドラッグして保存し、最初に置いてあった「PlaceHolder.fmp12」を削除します。

〔新規プロジェクトの初期状態〕

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〔「YWCtask.fmp12」を追加し、「PlaceHolder.fmp12」を削除した状態〕

画像7_
2)「configFile」で開始ソリューションを指定 
アプリを開いたときに最初に開くソリューションを指定します。今回は1ファイルのソリューションなのでファイル名をそのまま指定しますが、複数ファイルをアプリにする場合は、どのファイルを最初に開くのかをここで指定します。
[Custom Application Resources]-[configFile.txt]を開き、「launchSolution=」の右のファイル名「PlaceHolder」を、「YWCtask」に変更しました。

〔変更前〕

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〔変更後〕
画像10_
3)アイコンを設定 
アプリのイメージやアイコンを設定します。画面の四角い点線内にアイコンにしたい画像をドラッグするだけで、簡単に設定することができます。形式はPNGが推奨されています。
[Custom Application Resources]-[ CustomAppMedia.xcassets]を開くと設定用画面が開きます。

画像11_

画像12_

設定できる画像は3種類あります。
1、AppIcon
2、LaunchImage
3、ObscureIcon

1、AppIcon
ホーム画面やiTunesなどで表示される、いわゆる「アプリのアイコン」です。
アイコンのサイズはデバイスによって異なるので、画面の指示に従ってアイコンにしたい画像のサイズを整えて、ドラッグします。
例えば、以下の場合「iPad App iOS 7-9用に、76pt×1、76pt×2の画像が必要」ということになります。

画像13_

実際には76×76ピクセルの画像を「1×」へ、152×152ピクセルの画像を「2×」へ、それぞれドラッグします。
画像14_

2種類のアイコンは、アプリが実行されるデバイスによって使い分けが行われます。
76×76:iPad2のアイコン
152×152:iPad Air、Air2、Retinaのアイコン

アイコンを配置する場所は20箇所用意されていますが、今回は「!」マークが表示されている5箇所だけアイコンを設定しました。

画像15_配置後

 

2、LaunchImage
アプリが開始する時に最初にデバイス画面に広がる画像(iOS起動画像)です。
画像の設定先を選択した状態でXcode画面右側の「ユーティリティ領域」を見ると、赤枠部分に画像サイズが表示されます。
画像16_

例えば、「3×」を選択した状態でユーティリティ領域を確認すると、赤枠で示した部分に「3072×3072pixels」と表示されます。「3×」の部分には、「3072×3072ピクセル」の画像を設定すればいいことが分かります。アプリアイコンと同様に、指定されたサイズの画像をドラッグして設定します。
画像17_

3、ObscureIcon
「ホーム画面に戻った後」や画面ロック後などバックグラウンドにあるアプリを再開する時に表示される画像です。「どの画面のことかピンと来ない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、「LaunchImage」と同様の手順でサイズを確認し、お好みの画像を設定してみてください。最後にシミュレータや実際のデバイスでアプリの動作をテストする際、ここで設定した画像がどこで表示されるのか探してみましょう。
画像を配置すると、Xcode上に今設定したばかりの画像が表示されます。

画像18_アイコンXcode

  
いかがでしょうか。段々とアプリ開発らしくなってきたのではないでしょうか。次回は「設定方法:〜後編」をお送りする予定です。引き続きご覧いただければ幸いです。