インボイスの登録番号をWeb-APIで(第1回 4回シリーズ)
2023年08月17日 12:00 PM
tipsファイル
急げアプリケーションID申請を!1か月もかかるんです!編
インボイス番号(適格請求書発行事業者登録番号)をWeb-APIを利用して
国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトから情報を取得してみよう
長いサブタイトルとなってしまいましたが、
簡単に言うと請求書にある登録番号を入力すると、申請済の適格事業者かどうか確認を行い、
自社マスタに登録をする。
そんな機能を持つカスタムAppsを作成して見よう ということです。
なぜ適格事業者登録番号の正否の判断は必要?
何故、請求書(正確にはインボイス)の登録番号が正しいかどうか判断をしなければならないかというと、
少しうがった見方となりますが、
仕入先となる請求書を発行した企業が適格請求書発行事業者でなかった場合、
その仕入先事業者に支払った税金分をこちらで肩代わりして納めなければならなくなる
(極論ですが)、そんな制度だからです。
(詳しくは国税庁のサイトをご参照ください)
登録番号を照合するシステム開発までの流れ
さて請求書に記載された登録番号を国税庁の適格請求書発行事業者公表サイト(以下「公表サイト」)でWeb-APIで照合するシステム(以下「照合システム」)を作成するまでのだいたいの流れをご説明いたします。
- 登録者DBにアクセスするためのアプリケーションIDの発行申請と入手
これ約1か月(!)かかります。さらにちょっと面倒な手続きが多いのですがコツさえつかめば簡単です。まずはここから始めることをお勧めいたします。 - カスタムAppsの作成
考え方によっては約1か月と時間もたっぷりあるので、じっくりと時間をかけてより良いカスタムAppsを作成するチャンスと捉えましょう。 - アプリケーションIDの実装とテスト
いよいよ実際の動作確認です。まだインボイス制度の実行前ですと(2023年8月現在)意外と身近なところに登録番号が見つからないかもしれません。
出来る限りテスト用の登録番号を用意しておくことをお勧めします。
(実際に法人番号の頭に「T」をつけたものが登録番号なのですけどね。) - 実運用
マスタとどのように連動するかがポイントかと思います。実運用に合わせて改良を重ねていきましょう。
アプリケーションIDの発行手続き
国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトにある
「適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能」
をご覧いただければ一通りのことが記載してあります。
もしこれで充分いけそう。という方はこの先は読み進んでいただく必要はございません。
そんなこと言わずに分かりやすく簡単で短く説明してよという方へ
- メールアドレスの仮登録
- サイト上で情報の本登録
- Excelファイルと添付書類の作成と送付
- 約1か月後「アプリケーションID」がメールで届く
要するにWeb-APIを利用するには国税庁届出が必要なんです。
もう少し詳しくご説明をいたします。
(以下出来るだけ簡潔にお伝えしたいのでお伝えの仕方が変わることお許しください。)
- 上記ページ中ほどにある「アプリケーションID発行届出」ボタンをクリック。
表示された画面でメールアドレスを入力して送信だ。 - 「国税庁からのお知らせ【仮登録受付:アプリケーションID発行届出】」という題名のメールが届く。もちろんすぐには届かない。数十分は覚悟しておけ。ただし席をはずしてはいけない。理由は次に記載をする。
- 上記メールに記載されている「アプリケーションID発行届出の本登録」のURLにただちにアクセスしろ。また今度とか明日時間が出来たらなんてボケたことを言っている暇はない。なぜならばそのURLの有効期限はたった1日だからだ。
- まず利用規約をよく読め。そうして同意するなら必要事項を入力して送信だ。入力内容詳細等を記載することは有効期限のあるURLだけに、ここでは控える。が、記入に迷うことはない。心配するな。
- 次に「国税庁からのお知らせ【本登録完了:アプリケーションID発行届出】」が届くはずだ。本文には「発行届出での本登録を完了したことをお知らせします。」とあるがここで決して騙されてはいけない。あくまでも「届出」の登録が済んだだけであって「申請手続」が済んだわけではないのだ。ここでとやかく言うやつは申請をあきらめろ!タダで手に入る物ほど面倒なものはないと割り切れる奴だけついてこい。
これで安心してはいけない - 「適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能アプリケーションID発行申請書」という長ったらしい名前(最後まで読もうとするな、舌を噛む)のExcelファイル(以下Excelファイル)をダウンロードしろ。「適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能」の中段「アプリケーションID発行手続きの流れ」の欄にある。入力の注意点は別途記載する。
ここだ、ここだ!ここにある! - Excelファイルの入力の次は最後の大仕事だ。申請手続きにはExcelファイルの他に「添付書類」の提出を要求している。その添付書類に関する情報は上記サイトを隈なく探しても一切見つからない。それもそのはずだ。Excelファイルの項番「2.7.添付書類」にそーっと記載されているだけだからだ。再三言っているはずだ。ここを我慢すればアプリケーションIDがタダで手に入る。ここExcelファイルには添付書類のことを「取得した公表情報を利用する電子計算機およびプログラムの概要を記載した書類(プログラムの概要)」もしくは「その他参考資料(ソフト等パンフレット)」と記載がある。どちらか一つを添付書類として提出すればよいのだ。
- 今回作成するプログラムの概要を添付しておく。これを貴社用に変更をして自由に利用してかまわない、が、あくまでも自身の責任で利用してほしいことと問題が発生しても当方では一切責任を持てないことを前提でダウンロードして頂きたい。
サンプルには、
・インボイス照合システム概略図.pptx(73KB)
・インボイス照合システム概略図.key(1,129KB)
が含まれています。 - さてExcelファイルと添付書類が揃ったらExcelにある提出先「国税庁軽減税率インボイス制度対応室」宛(メールアドレスもExcelファイルに記載してある。安心しろ)に送信して完了だ。
- 一部やり取りをしたメール本文には1週間とあるが1か月は覚悟しろ。サイトにもそう書いてある。その時間を使ってカスタムAppsの作成だ!忘れたころに(私の場合書類提出後28日後だった。)「国税庁からのお知らせ【ID発行:アプリケーションID新規発行】」というメールが届けばこれでこのセッションは完了だ。よくここまで頑張った。ご苦労だった。
とまあ簡単には説明が出来ずごめんなさい。
それでは次回いよいよカスタムAppsの作成に入っていきます。
「インボイスの登録番号をWeb-APIで(第2回 4回シリーズ)
—JSONを選んで何が悪い!編」
に続きます。
Excelファイル入力に関するアドバイス
(あくまでも個人的な見解であり、貴社にてご判断ください)
2.「取得した公表情報を利用するシステムについて」
2.1.プログラム・システム等の名称 →これは自由にお決めください
2.3.ダウンロードファイルの利用有無 →今回のシステムでは利用しません 無し
2.5.1.3. サーバー等に内蔵されている内部記録媒体の可能性が有るかと思います。
4.1 法人番号システムWeb-API機能のみの利用希望の有無 →今回のプロセスでは「いいえ」です。
届け出フォームが利用できない期間が有るようです。
要するに申請を受け付けない期間かと思います。ご注意ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
「アプリケーションID届出フォームの利用停止について」
その他疑問点は
「よくある質問」をご覧いただくよう国税庁ではお勧めしています。
また上記で見つからない場合は
invoice-web-api@nta.go.jp
宛にメールでお問い合わせください。とのことです。
※今回一連のプログでご紹介をするプログラムはデータの正確性を保証するものではありません。また国税庁のWeb-APIの利用規約に従ってご利用ください。