Claris FileMaker 2023 にバージョンアップをご検討の方へ

2023年07月19日 12:00 PM

Claris FileMaker 2023


Claris FileMaker 2023がリリースされて2ヶ月近くが経ちました。
2020年5月以来のメジャーバージョンアップとなります。

<前バージョン「19」との違いについて>

Ver.19と2023では、どのような違いあるのか、簡単にご紹介します。

■アイコンが変わりました。

■バージョン表記が変わりました。

19.1 19.2 19.3 19.4 19.5   →  2023

公開された年で表示されております。
最新のFileMaker バージョンを使用していることをユーザ自身が明確に把握できるという意味もあるみたいです。
※内部的には数字バージョン”20.1”で表示されています。

もちろん上記以外に機能も追加されています。
それぞれの新機能については、弊社の別のブログでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
↓↓FileMaker 2023 関連のブログはこちら↓↓
https://ywc.com/filemaker/?cat=692

<バージョンアップの必要性について>

なぜバージョンアップは必要でしょうか?

■セキュリティの担保

サポートが終了すると、仮にソフトウェアにセキュリティ上の問題や不具合が発覚した場合でも
アップデータが提供されません。
また、動作や不具合などの問い合わせをClarisでは対応できない可能性があります。
お使いの製品のバージョンはいつサポート終了になるかをご確認ください。

FileMaker 19 製品リリースのサポート終了スケジュールは次のとおりです。

FileMaker Server 2023 に接続可能なバージョンは FileMaker Pro 、FileMaker Go ともに v19.4.2 以上となっています。
19.3は今月でサポートが終了となります。

■開発時間とコストの削減

新しいバージョンでは開発に非常に便利なツールや効率化を図るための新機能が実装されている場合がございます。
そのような機能を利用することで、開発時間を大幅に短縮できる可能性があります。

<バージョンアップの手順>

では、実際にバージョンアップをするためには、どのような準備が必要なのかを簡単にご紹介します。

■ご利用中のVer.を調べましょう

①Ver.の確認はどこでできますか?
ヘルプ →「FileMaker Proについて」からバージョンの確認ができます。

 

②ライセンスの購入は必要ですか?

ボリュームライセンスをご契約中のお客様はご契約更新時に送られてくる電子納品書に記載されているオンラインソフトウェアダウンロードページから2023のインストーラーをダウンロードしてお使いいただけます。

ボリュームライセンスでも過去に永続ライセンスをご購入していてでメンテナンスを継続していない場合は、新規でのご購入が必要となります。

ボリュームライセンスではないシングルライセンスのパッケージ版をお使いの方で
FileMaker Pro または FileMaker Pro Advanced、バージョン16以降の方は
アップグレード版を購入して製品をアップグレードできます。

ライセンスについてご不明な点がある場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください。

■現在とバージョンアップ後に必要な環境確認しましょう

①2023に対応するOSになっていますか?

最新のバージョンにバージョンアップしようとしてもお使いのPCのOSが対応していない場合は
インストールできません。
利用しているデバイスのバージョンが、新しいFileMakerのバージョンでも使えるのかを確認しましょう。

Claris FileMaker 2023 動作環境については、Claris のサイトをご確認くださいhttps://support.claris.com/s/article/Claris-FileMaker-2023-%E5%8B%95%E4%BD%9C%E7%92%B0%E5%A2%83?language=ja

②クライアントだけではなくサーバも対応していますか?

・Claris FileMaker Pro 2023から接続できるFileMaker Serverのバージョンは
 19.4.2以上となっております。
・互換性がない場合、今回はFileMaker Serverのバージョンが19.4.1以下の場合
 19.4.2以上にする必要がございます。現在のオペレーティングシステムが19.4.2以上に
 サポートされていない場合はオペレーティングシステムのアップグレードが必要になってきます。 

オンプレミスでのサーバの運用の場合はサーバマシンの買い替えが必要になってくるかと思われます。
特にWindows Serverの場合はハードの調達だけでも1ヵ月はかかりますので計画的に準備していただくことをお薦めします。 

オペレーティングシステムのアップグレードについてはClaris のサイトをご確認ください。https://support.claris.com/s/article/Installing-OS-updates-with-FileMaker-Server-installed-1503693083301?language=ja

■バージョンアップをしてみよう

①自分たちで行う場合のバージョンアップ作業についてですが、ファイルの変換作業が必要になります。
 変換作業は旧バージョンのファイルを新バージョンのショートカットにドラッグ&ドロップするだけです。

Ver.6以前(拡張子は、「.fp5」)のファイルは、一度Ver.7~11(拡張子は「.fp7」)にバージョンアップして、「.fp7」のファイルを最新バージョンに変換する必要があります。
Ver.7~11をお持ちでない方は、以下のサイトから試用版をダウンロードしてください。
FileMaker ファイルを「.fmp12」ファイル形式に変換します。

詳しくはClaris のサイトをご覧ください。
https://support.claris.com/s/answerview?anum=10754&language=ja

<バージョンアップ後>

変換後はカスタムAppの動作確認を行って旧バージョンと動作に相違がないかご確認ください。

■カスタムAppの動作確認

バージョンが新バージョンに近ければそんなに相違はでてきませんが、古ければ古いほど細かい確認作業が必要になります。
バージョンアップ後も同じ操作ができるように、1つ1つ画面ごとに目視チェックや動作検証を行うことが大事になってきます。
カスタムAppを業務で運用している方は事前に2023での動作を確認していただき問題がなさそうだと確認できましたら本運用を行ってください。

■バージョンアップに困ったら?

プロに相談してみましょう
ファイルのバージョンアップは、ドラッグ&ドロップでとても簡単に行えますが
お使いのカスタムAppの作りにより、注意すべき点がいろいろとありますので
自分たちだけでバージョンアップを行うのは少し不安という方は弊社までご相談ください。

<おまけ>

今後廃止されている機能もありますので、以下の機能をご利用の方は、バージョンアップを行う際は事前にご確認の上、十分お気をつけくださいませ。

■廃止予定または削除される予定の製品/機能の確認

旧バージョンで使用していた機能が、新バージョンでは廃止され仕様が変更になっていることもございます。
特定の機能やオペレーティングシステムの対応が廃止される可能性がありますので
そちらもご確認ください。

・FileMaker Pro ランタイム機能が削除されました 。
これに伴い、これまでランタイム版を配布し利用されていた方が引き続きご利用される場合には、ライセンスのご購入とインストールが必要となります。また共有される場合はサーバ等のご準備も必要となります。

・FileMaker Pro のピアツーピア共有は「廃止予定」の機能となりました。
この機能はテスト目的にのみの利用を推奨します。業務で利用される場合はClaris FileMaker Server や Claris FileMaker Cloudをご利用いただくことでより
安定性が高くなっております。
・カスタム Web 公開 (CWP) with PHP は FileMaker Server 19.5.2 で廃止予定となりました。
代替方法としては「Claris FileMaker Data API」「OData API」「ODBC/JDBC」での利用となります。

・32-bit 版 Windows のサポート終了。
64-bit版Windowsへ移行をしてください。

バージョンアップをご検討の際は、ぜひ開発会社へ依頼をするという方法も選択肢の中に入れてみてください。