ついに出た! Claris FileMaker Server 2023 変更点まとめ

2023年05月23日 12:38 PM

Claris FileMaker 2023


先行して米国で発売されていた Claris FileMaker 2023 ですが、ついに日本でも発売されました!

早速ですがClaris FileMaker Server 2023 で変更された点などをまとめてみていきたいと思います。

バージョンについて

Claris FileMaker 2023 のバージョン “2023” は公開された年で表示されていますが、内部的には数字バージョン”20.1”で表示されています。

動作環境などのドキュメント内では、この数字バージョンで表記されているものもありますので、両方押さえておきましょう。

対応OSについて

Claris FileMaker Server 19.6 から見て、以下変更がかかっています。

・macOSについて

Catalina 10.15 と Big Sur 11 がサポートされなくなっています。
V19.1のころからサポートされていたので長かったようなイメージがあります。
サポートされているOSは Monterey 12.0 と Ventura 13.0 です。

・Ubuntu Linux について

新たに Ubuntu 22.04 LTS がサポートされました。
かつARM版がサポートされました!
手持ちのM1 Mac上での検証環境を作ることをあきらめていたのですが、これでDockerや仮想サーバーで FileMaker Server の環境を作成することが可能になります。

またパフォーマンスがよい。という話もあるので、こちらも検証してみたいと思います。

・Windowsについて

こちらは特に変更はありませんでした。

接続可能なクライアントについて

FileMaker Server 2023 に接続可能なバージョンは FileMaker Pro 、FileMaker Go ともに v19.4.2 以上となっています。
v19.4.1以下のバージョンからはアクセスできなくなっています。v19環境からのアップデートを行うときは、クライアントのバージョンのケアも必要となります。

共有データベースの最大数の変更

今まで125ファイルだったところが256ファイルまで増加しています。
複数サーバーを使用していたような方は1台に集約することが可能になるかもしれません。また使用するファイルを都度閉じる。というような運用から解放されることになります。
閉じているファイルはバックアップされないため問題になることもあったのですが、増加したことにより、そういった問題も解消されそうです。

通知のメール送信のOAuth2.0 サポート

Admin Console からメールの送信の認証にOAuth2.0が選択できるようになりました。
Google WorkspaceとMicrosoft 365 Businessに対応しています。セキュリティが高くSMTP Authが許可されていない企業様でも通知設定を行うことができます。

スクリプトエラーの保存先の変更

今まではスクリプトで発生するエラーがEvent.logに書き込まれていましたが、こちらがデフォルトで、scriptEvent.logへ書き込まれる動作に変更されました。
スクリプトを多用されている場合、Event.logにスクリプトとサーバー上のイベントが出力されていて、ログの解析が難しかったりしたのですが、この変更により開発の時もログを追いかけやすくなっているのではないでしょうか。

バックアップ動作の変更

バックアップのキャンセルやエラーで失敗した場合のデフォルトの動作が変更されています。
この変更によりキャンセルした場合のバックアップも世代管理の対象となり、自動的に削除されることとなりました。今まではキャンセルされてしまったバックアップが残ってしまい、バックアップ先の容量を圧迫しトラブルとなることもあったのですが、それらが解消されることになります。

細かい動作についても別途検証してみたいと思います。

Java のバージョンが17へ

Web公開エンジンを使用するときにインストールをしていたJavaのバージョンが11から17へ、またJREではなくJDKへ変更されています。
その一環でAdmin Console からガベージコレクションができるようになっています!
(ガベージコレクションとは使用して確保しているメモリのうち未使用分を空き領域として開放する機能です。)

WebDirectなどを使用し続けていると、Javaのプロセスが空きメモリの大半を使用してしまいメモリの使用率が大変なことになることがあります。定期的にガベージコレクションを行うことにより、より安定した運用ができそうです。

運用するうえで個人的には良い変更が多いと感じています。

今回、代表的なところを見てきましたが、そのほかにも多くの変更点等があります。
ぜひClarisから出ているドキュメント等でご確認いただければと思います。

〇参考URL

・Claris FileMaker 2023 動作環境

https://community.claris.com/ja/s/article/Claris-FileMaker-2023-%E5%8B%95%E4%BD%9C%E7%92%B0%E5%A2%83

・FileMaker Serverリリースノート

https://help.claris.com/ja/server-release-notes/content/index.html