Claris FileMaker Pro のカスタム App を Claris Pro へコンバートしてみた

2023年04月10日 12:00 PM

Claris Studio


今回は、Claris FileMaker Pro で作成したカスタム App を、Claris Pro フォーマットへのコンバートを試してみました。

Claris Proについては、下記のブログで紹介しています。

Claris Pro へのコンバートは、とても簡単でした。

目次

  • コンバート
  • アカウントとファイルオプション
  • スクリプトや関数


■□ コンバート □■

Claris FileMaker の拡張子は、「.fmp12」ですが、Claris Pro へのコンバート後、拡張子は、「.claris」になります。

  • Claris Pro フォーマット (.claris)
  • FileMaker Pro フォーマット (.fmp12)

コンバート前に、Claris と FileMaker プラットフォームの違いについて、下記のHelpページで確認しておくといいかと思います。

Claris と FileMaker プラットフォームの違い

コンバートについては、下記URLで書かれています。

FileMaker Pro App から Claris Pro App への変換

コンバートはとても簡単です。
カスタム App のファイルを一式、Claris Pro にドラッグ・アンド・ドロップするだけです。

ドラッグすると、変換時のダイアログが出ますが、こちらはおなじみのダイアログでした。

変換時のダイアログ

Claris Pro のカスタム App から FileMaker Pro へのコンバートは出来ません。
ご注意ください。

Claris Pro ファイルを FileMaker Pro で開こうとしたときのエラー

■□ アカウントとファイルオプション □■

変換後のアカウントについて見てみました。

元のアカウントから、Claris IDの認証に切り替わっています。

↑ FileMaker Pro のセキュリティの画面
↑ Claris Pro のセキュリティの画面

認証はClaris ID のみになったため、他の認証方法が選べなくなり、パスワードも必要ないため、欄がなくなっています。

あと、「デフォルト」というアカウントがありますが、こちらは何でしょうか?

ファイルの認証が「Claris ID」だけになったので、変換したユーザの他に、ユーザがいる場合は、そのユーザーのClaris IDを追加する必要があります。

特定のユーザではなく、不特定多数の方がファイルを開けるようにするためには、このデフォルトアカウントを有効にすると、Claris IDのアカウントの登録がなくても、ファイルが開けるようになります。

サンプルファイルの配布時などは、このデフォルトアカウントを使うといいと思われます。

ファイルオプションも見てみましょう。

↑ FileMaker Pro のファイルオプション
↑ Claris Pro のファイルオプション

ファイルオプションはだいぶスッキリしました。

バージョンの指定欄は、Claris Pro ファイルの場合、40.0から始まるようです。

■□ スクリプト・関数 □■

スクリプトでは、アカウント関係のスクリプトステップが使えなくなっています。

↑ FileMaker Pro のスクリプトワークスペース
↑ Claris Pro のスクリプトワークスペース

スクリプトステップパネルに、アカウントのスクリプトステップが表示されません。
ただし、左側では「アカウントを追加」スクリプトステップは、見える状態で残っています。
FileMaker Pro で設定していたスクリプトステップは、Claris Pro に無くても、どのスクリプトステップだったのかがわかるので、この状態は嬉しいですね。

では、実行してみます。

↑ Claris Pro のデバッガで実行した画面

エラーになりました。元のスクリプトステップ名の表示のままなので、一見実行できそうですが、もちろんエラーになります。

次に関数についてですが、19.6で追加された関数「Get (トランザクションオープン状態)」「Get (最終エラー位置)」、関数名が変わった「Get (最終エラー詳細)」関数の表示を確認しました。

↑ FileMaker Pro 19.6 の関数
↑ Claris Pro 40.1 での表示

テストコンバート時には、Claris Pro の最新バージョン(当時40.1)にコンバートしましたが、FileMaker Pro の新しい関数が、まだ Claris Pro で使えなかったので、上記のように「<関数が見つかりません>」という表示になりました。

↑ Claris Pro 40.2 での表示

その後、Claris Pro が40.2にアップデートしてから、同じファイルを開いた場合、このように正しくなりました。

FileMaker Pro のアップデートがされて、その後 Claris Pro のアップデートがあるまで、すこしタイムラグがあるのかもしれませんので、コンバートするタイミングで、新しい機能が使えるかどうかは、少し気をつけましょう。

■□ まとめ □■

コンバートはとても簡単ですが、一度コンバートすると、再度 FileMaker Pro に戻すことは出来ません。また、アカウント関係のスクリプトステップは使えません。認証が Claris ID のみになるためですね。コンバートするタイミングでは、FileMaker Pro の新機能が使えないタイミングがあるかもしれませんので、気をつけましょう!


Claris Studio および Claris プラットフォームは2023年4月10日現在、日本国内では発売されていません。本記事は、米国で発売されている Claris Studio のバージョンをもとに検証したものです。日本国内での製品発売時に当該機能の向上および仕様変更が発生することを予めご了承ください。また、製品評価時点の情報については可能な限り十分注意をしておりますが、その完全性、正確性、妥当性について保証するものではありません。情報の誤りや不適切な表現があった場合には予告なしに記事の編集・削除を行うこともございます。本記事の内容についてはあくまでもご自身の判断にてご覧頂くようにお願いいたします。なお、本記事の転載・転用・複製・複写はお断りいたします。当ブログの記載内容によって被った損害・損失については一切の責任を負いかねます。ご了承ください。

Claris、クラリス、Claris Connect、Clarisロゴ、FileMaker、ファイルメーカー、FileMaker Cloud、FileMaker Go、FileMaker Pro、FileMaker Server、FileMaker WebDirect およびファイルフォルダのロゴは、米国およびその他の国におけるClaris International Inc. の 登録商標です。Claris Go、Claris Pro、Claris Server、Claris Studio 、クラリススタジオ および Claris WebDirectは、Claris International Inc. の商標です。