ファイルメーカーの変数について (FileMaker Pro 12)

2013年03月17日 05:07 PM

ファイルメーカーのTips


今回はFileMaker Pro 8から追加されている機能の「変数」をご紹介します。

FileMaker Pro 8より前のバージョンでは変数機能が無かったため、グローバルフィールドを 変数の代わりとして使用していましたが、新しい変数を使用する度にグローバルフィールドを追加するという 作業をしなければなりませんでした。また、スタンドアローン利用の場合は問題ありませんが、サーバで共有して利用する 場合にグローバルフィールドを簡単に追加できないバージョン(FileMaker Pro 7以前)もありました。

今回ご紹介する「変数」は、グローバルフィールドを作成する必要がないため自由に変数を活用できます。

変数のヘルプはこちらを参照ください。
http://www.filemaker.co.jp/help/html/scripts_ref1.36.15.html

ローカル変数およびグローバル変数を作成して計算式の中で使用することができます。

変数を設定 [<変数名> {[<繰り返し数>]}; 値:<値または式>]

[繰り返し]は作成する変数の繰り返し数(索引)です。
繰り返しが指定されていない場合デフォルトは1です。

• ローカル変数は現在実行中のスクリプトのスクリプトステップでのみ使用できます。
ローカル変数の値はスクリプトの終了時に消去されます。

ローカル変数の場合は変数名の前に「$」を付けます。
例) $変数名

• グローバル変数はファイル内にある計算式またはスクリプト、たとえば他のスクリプトやファイルパスなどで使用できます。
グローバル変数の値はファイルが閉じられるときに消去されます。
グローバル変数はFileMaker Pro 11からマージ変数としてレイアウトに配置できるようになりましたので、
表タイトルやボタン名を変えたりと応用範囲が広がります。

グローバル変数の場合は変数名の前に「$$」を付けます。
例) $$変数名

• ローカル変数とグローバル変数、または別々のスクリプト内にある2つのローカル変数には同じ名前を付けることが
できますが別々の変数として扱われ、別の値を保存することができます。

■説明 変数が存在しない場合はこのスクリプトステップによって変数が作成されます。 変数名にはフィールド名と同様の名前付けに関する制限事項があります。 詳細については、フィールド名の指定を参照してください。

今回は、グローバル変数をファイルパスで利用する例をご紹介します。 以下の手順は、WindowsOSで名簿データをデスクトップに「名簿.csv」のファイル名でエクスポートし、保存する場合の例です。

ファイルパス名は「$$保存先」とします。

1.[スクリプト]メニューの[スクリプトの管理]を選択します。

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2.[スクリプトの管理]ウィンドウの[作成(N)]空のスクリプトを選択します。

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3.「新規スクリプト]名を[エクスポート]に変更します。

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4.スクリプトステップ一覧の「変数を設定」スクリプトステップをクリックして追加します。 画像05

5.[指定(C)]を選択し「名前(N)」に「$$保存先」、「値(V)」に 「”filewin:” & Get ( デスクトップパス ) & “名簿.csv”」内容を入力し[OK]を選択します。

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6.「レコードのエクスポート」スクリプトをクリックして追加します。

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7.[出力ファイルの指定(Y)]を選択し出力ファイルのパス一覧に「$$保存先」と入力し[OK]を選択します。 画像08

8.[エクスポート順の指定(I)]を選択しフィールドのエクスポート順に書出しするフィールドを追加し[OK]を選択します。 画像09

9.右上の[X]を選択し保存確認メッセージが表示されたら「保存(S)」を選択します。

画像10画像11

10.[スクリプトの管理]ウィンドウが表示されたら右上の[X]を選択しスクリプト作成を完了します。 画像12

11.[スクリプトの管理]から先ほど作成した「エクスポート」スクリプトを実行するとデスクトップに「名簿.csv」が書き出されます。

変数を是非、ご活用ください。