iPhone,iPad用のファイルを作成してみよう(FileMaker Go 12) その3

2013年07月23日 06:58 PM

ファイルメーカーのTips


今テーマでは、iPhone,iPad用(FileMaker GO 12用)のファイルの作成についてご紹介します。

(過去のブログはこちら→その1その2

今回は、作成時に気を付けたい事です。

(今回の例では、FileMaker GO 12 for iPhone and iPod touch (12.0.7)を使用しております。)

 

1.FileMaker GO 12のズーム機能が意図せずに動作してしまう
FileMaker GO 12で自作のファイルを操作した事がある方は、経験された事があると思いますが、
操作中にピンチアウトやダブルタップをすると、画面が拡大表示されます。
オブジェクトフィールドに格納された写真等を拡大表示したい時には使える機能なのですが、
これが意図していない時に動作してしまう事が良くあります。
(リスト形式のレイアウトで動作してしまうと、元に戻すのに大変手間がかかる場合もあります。)

  ◇意図せずに拡大されてしまった例  

 130719_01

  ズームをさせたくない時には、「ズームの設定」スクリプトステップを使用し、オプションで「ロック」をかけます。   130719_02

  そうすると、ピンチアウトやダブルタップをしても画面が拡大表示されることはなくなります。
ロックをユーザで切り替えられるようにしたいという場合は、ボタンを配置しても良いかもしれません。
◇ロック切り替えボタンを配置した例  

 130719_03

  (その場合、ロックの状態をフィールドで管理する必要があります。)
※iOSのズーム機能(3本指で画面拡大ができる機能)は、スクリプトステップでは制御できません。

 

2.スクリプト実行中にタップすると「現在のスクリプトを停止しますか?」というダイアログが表示されてしまう
FileMaker PRO用のファイルをFileMaker GO で使用しようとした場合に、良く発生する事象です。   130719_04
このダイアログで「はい」が選択されるとスクリプトが途中で停止されてしまう為、データが意図しない状態になってしまいます。
それを避ける為、FileMaker GO 12で実行するスクリプトには、必ず「ユーザによる強制終了を許可」スクリプトステップを使用し、
オプションで「オフ」にします。

  130719_05
ユーザ側でスクリプトの停止ができなくなりますので、以下の点に気を付けます。
・無限ループが発生するようなスクリプトが無いか、よく確認する。
・処理に時間が掛かる場合は、予め明示しておく。または、その処理をServer側でさせるようにする(共有時のみ)。

 

3.バックグラウンドに移動した後の再認証までの時間を設定する
バックグラウンドに移動した後にFileMaker GO 12に戻って来ると、再認証(再ログイン)が必要な場合があります。   130719_06

  デフォルト(最初からの)設定のままの場合、10分以上経過すると再認証が必要になります。
この設定は拡張アクセス権で設定されており、時間の変更が可能です。
メニューの[ファイル]-[管理]-[セキュリティ]から開かれる『セキュリティの管理』画面の「拡張アクセス権」タブにある   fmreauthenticate10 がそれになります。   130719_07
fmreauthenticate 
の後ろの数値を変更すると再認証までの時間を変更する事ができます。
0~10080分(7日)までの値が指定できます。
※再認証までの時間を長くすると再ログインの必要が少なくなりますが、端末自体に自動ロックの設定をしていない場合等、
セキュリティの面で問題がありますので ご注意ください。

 

4.縦横の切り替えで表示項目を変更する
その2でも少し触れましたが、工夫をする事で縦横に切り替えた時に(隠れていた部分に)別の項目を表示させるという事ができます。
方法としては主に2つあります。
1.「OnTimerスクリプトをインストール」スクリプトでウィンドウのサイズを監視し、サイズが変わった(=縦横が切り替わった)ら
レイアウトを切り替える。
2.フィールドやオブジェクトのアンカーを巧妙に設定し、縦横を切り替えると隠れていたそれらが表示されるよう レイアウトに配置する。

  今回は2の方法をご紹介いたします。
以下のような 縦の時は下側にグラフ、横の時は右側に画像が表示されるレイアウトを例にします。   130719_08

  早速ですがレイアウトです。高さが横の時の高さ、幅が縦の時の幅になるようレイアウトを作成しています。   130719_09

  このままではわからないのですが、グラフと画像を隠すためのオブジェクトが1枚入っています。
下図は、そのオブジェクトを右にずらしてみたところです。

  130719_10
実際には配置の高い順に以下のような構成になっており、グラフと画像には縦横に切り替えた時にのみ表示されるよう
アンカーが設定されています。   130719_11

  少々面倒ではありますが、画面の向きを変えるだけで表示されている情報が変わるのはiOSらしい動きかもしれませんね。

 

今回は以上です。