Claris FileMaker × MCP がもたらす未来 〜横断検索・自動化・AIエージェント時代の到来〜

2026年02月12日 11:00 AM

Claris FileMaker 2025


■ はじめに:Claris FileMaker の“次の一歩”はどこにあるのか?

前回の記事では、MCP(Model Context Protocol)がAI時代の標準インターフェースひとつになり、 Claris FileMaker にとっても非常に重要な技術なるであろうことを解説しました。
(前回の記事はこちら

今回の第2回では、さらに踏み込んで Claris FileMaker × MCP が実際にどんな世界を実現するのか」 をわかりやすく紹介できればと思います。


■ Claris FileMaker 2025 の自然言語検索の制約

Claris FileMaker 2025 では自然言語による検索・集計が可能になりました。

●日本語で検索・集計ができる
 例えば、「先月の売上データを教えて」「東京都内の顧客を抽出して」など
 キーワードではなく、文章で検索ができます。

●簡単にプログラム(スクリプト)を実装
スクリプトステップ「自然言語で検索実行」や「自然言語でSQLクエリを実行」で手軽に組み込むことができます。

しかし、その対象はあくまで Claris FileMaker 内部のデータのみです。

一方、皆様が現場で扱う情報は Claris FileMaker だけに存在するわけではありません。
例えば、

  • 顧客とのやりとり は、Slack
  • バグの情報は、 GitHub
  • 集計・請求 は、ExcelやGoogle スプレッドシートで作成
  • 社内メモ・議事録 はグループウェアや、Teams ・ Slack  など

業務で扱う情報は常に “複数システムを横断” しています。

そこで必要になるのが「MCP」です。


■ MCPがもたらす「横断検索」

MCPを使えば、AIが必要な外部システムへ自動的にアクセスし、 Claris FileMaker のデータと統合して返してくれるようになります。

たとえば次のような検索が可能になります:

  • 「佐藤さん(Claris FileMaker の顧客管理)の最近の問い合わせ内容を、Slackの履歴からまとめて」
  • 「先月の売上と GitHub で対応したIssue件数の関係を教えて」
  • 「商談メモをスプレッドシートから取得して FileMaker に追記して」

ユーザーはただ自然言語で“尋ねるだけ”。 AIが裏側で MCP サーバーを呼び出し、必要な情報を集めて整理します。

▲MCPを利用した概念図

■ 自動ワークフロー:複数システムの“段取り”をAIが実行

MCP × FileMaker の最も大きな価値は、 「複数システムをまたぐ自動化」が劇的に容易になる点です。

① 在庫ワークフローの完全自動化

  • Claris FileMaker で作成されたカスタムApps内の在庫を監視
  • 規定値を下回ったら GitHub に発注チケットを自動作成
  • Slack で担当者へ通知
  • スプレッドシートにも記録を残す  等

これまで人が行っていた「気づく → 入力 → 通知 → 記録」を AIが代わりに実行します。

●② 月次レポートの自動生成

売上・経費・議事録・バグ修正状況など、 バラバラのシステムに散らばった情報をMCPで集約し、 FileMakerを軸にまとめてレポート生成できます。

▲月次レポートを作成しSlackへの投稿までの概念図

③ 顧客対応の自動下書き

顧客履歴(FileMaker)、過去のメッセージ(Slack)などを参照し、 返信メールの“下書き”を自動生成します。


■ Claris FileMaker の既存のAPI vs MCP:役割が根本的に違う

Claris FileMaker で利用されている既存のAPI(Data API、Admin API)は

「外部アプリや人間のプログラムが FileMaker を操作するための窓口」

と言えます
一方、MCPは

「AIがAPIを使うためのアダプター」「AI向けの共通規格」

「AI のための USB‑C 標準」ともいわれます。

FileMakerの既存APIと MCPの比較

つまり、両者は競合ではなく、役割が明確に異なります。


■ 公式対応か?自作MCPサーバーか?

現時点で FileMaker 公式の MCP サーバーはありません。
将来は以下2つの方向に進む可能性があります:

① 公式MCPサーバーが提供される

他のあらゆるデータベースがMCP対応を始めており、Claris が追随する可能性は高いです。
(あくまでも弊社の推測であり公式にアナウンスはされていません)

② 自社で「FileMaker専用MCPサーバー」を構築する

Data API / Admin API を内部で利用する形式の独自MCPサーバーをつくる方法です。この方法はData API や Admin API を内部で使うので、リクエスト制御をサーバー側で一元化できます。その結果クライアントからはシンプルに扱えるようにできます。認証や処理の流れをまとめて管理できるため、安心してデータ操作や管理機能を使える、やさしい設計のサーバーを目指せます。


■ FileMaker × AIエージェントの未来

MCPを軸にすると、FileMakerは AIエージェントに支えられた業務基盤へ進化します。

▲Claris FileMaker と AIエージェントの未来予想

例えば:

  • 朝:売上と異常値を自動分析し Slack に要点を投稿
  • 日中:問い合わせの返信案を自動生成
  • 月末:請求書草案の作成から送付まで自動処理

これは「夢」ではなく、すでに技術的には可能です。


■ まとめ:Claris FileMaker ユーザーがMCPを知るべき理由

  • Claris FileMaker は常にAIとの連動が進化してきてた、今後も進化する(はず)
  • MCPを利用することで外部システムとの横断検索・自動化が可能になる
  • 現場の“情報断絶”が解消され、業務は一気に滑らかになる(はず)
  • AIエージェント時代の基盤のひとつとして Claris FileMaker という選択肢は充分可能性がある

次のステップとして、まずは 「自社にとって必要な連携」を洗い出してみてはいかがでしょうか。