属人化からの脱却!“開発ルール”でチームが変わった瞬間 —三井金属様の事例から学ぶ

2026年01月26日 02:00 PM

導入事例


みなさんは属人化ブラックボックス化しないシステム開発を意識されていますか?

「言葉ではよく聞くし、頭ではわかってはいる…けれど、実際にどう防ぐかとなると難しい」

と感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、属人化やブラックボックス化を解消するための大切な基盤となる「開発ルール」を学べる【Yes!開発ルール講座】を受講されたお客様の事例をご紹介します。

電解銅箔のトップメーカーが挑むDX

本ブログでご紹介するのは、2024年に受講していただきました 三井金属株式会社 銅箔事業部 の皆さまです。
三井金属株式会社 銅箔事業部 は、電解銅箔 のトップメーカーです。

電解銅箔とは、パソコンや携帯電話をはじめとしたあらゆる電子機器に使われているICチップなどの電子回路基板に必要不可欠な材料です。近年はAIニーズの増加に伴い、AIインフラ向けの需要が急拡大しています。

汎用品から超精細な回路形成を可能にする先端品まで、幅広い品揃えと開発力で市場を常にリードしており、日々進化し続けるエレクトロニクス製品を支える機能材料の分野で、高付加価値、高品質を常に追求しています。

銅箔事業部では盛んにClaris FileMaker(ファイルメーカー)をご利用いただいております。

↑三井金属株式会社 銅箔事業部 上尾事務所の写真

↑三井金属株式会社 銅箔事業部 上尾事務所の写真

1995年に一部の部署でFileMaker 4を導入し、仕様書や検査表、営業管理などのシステム開発から始まり、バージョンアップを重ねながら利用していました。

2019年頃、基幹業務の一部をプロコードで開発したシステムへ移行しましたが、現場要望への対応に時間がかかる点が課題となりました。そこで、現場主導で改善を重ねられる Claris FileMaker の強みが再評価され、基幹システムのデータを活かした、より使いやすい形へと進化させていきました。

内製化された一部システムは社内でDXの表彰を受け、日本全国の事業所でClaris FileMakerの存在を広く知られるきっかけになりました。

2025年12月現在では、各部署に開発者がいます。
導入当初は10ユーザーほどでしたが、現在は約550のユーザーが使用する工場全体でDXを推進する重要な基盤となっています。

増える開発者、増える課題――DX推進の現場で起きていること

開発者が社内に増えDX推進にはよい傾向な反面、
【他部署で使うシステムを開発し、手元から離れたはずなのにシステム改修をし続けている】
といった課題に直面するようになりました。

工場全体の内製化を推進すると共に Claris FileMakerの標準化に取り組んでいましたが、いくつかの部署では開発リソース(人材・スキル)が不足しており、自部門だけでのシステム開発が困難な状況がありました。
こうした背景から、特定の部署に限定されない形でシステム開発の依頼が発生していました。

短期間での対応が求められる案件が多い一方、開発スキルを持つ人材が限られており、その結果、他部署向けのシステムも含めて開発できる方へ開発依頼が集まる状態が生じていました。

開発担当者の退職や異動により、保守・改修を担える人材が不在となり、システムを継続的に運用できない状況が発生しました。
そして、システムの管理体制が弱体化し、【せっかくのシステムが廃れてしまう】といった事態も発生しました。

結果として、開発者に依存する形で保守・改修業務が戻ってくる構造が生まれてしまいました。

Claris Engage Japan 2023で見つけた新しい可能性

上記のお悩みを抱えながら参加したClaris Engage Japan2023(現:Clarisカンファレンス)が課題解決に向けてのきっかけとなりました。

当時、弊社が展開するブースは「社内システムの内製化サポート」が大きなテーマでした。

▼当時のイベントの様子

弊社ブースへお越しいただき、周りの会社は受託開発やクラウドサービスを展開する中、全面的に展開している内製化サポートをご覧になり、「サービスへの自信を感じられた」ことをきっかけに【Yes!開発ルール講座】の受講を決められました。

三井金属様の各部署から計4名の参加者を募り、全6回の講座を2024年9月~12月の3か月間で受講していただきました。

↑Clarisカンファレンス2025時の写真 弊社ブース前にて

属人化しない開発の土台を築く!講座で得られた新しい視点

全体を通して「講座の内容の密度が高い」「想像以上に奥が深い」といったお声をいただきました。

その言葉の背景としては、これまで社内に明確な開発標準が存在しなかったため、システムは各開発者の裁量に委ねられて構築されていました。
その結果、コードやスクリプトの意図が暗黙知となり、第三者が「なぜこうなっているのか」が分かりにくい状態が常態化していました。

改修のたびに仕様を把握しなければいけないので、システムの解析に多くの時間を要し、さらに前述したとおり担当者の異動や退職によって管理者が不在になると、システムの保守性は一気に低下してしまい「動いてはいるが触れないシステム」が増えていきました。

こうした経験を通じて、属人化を防ぐ仕組みづくりの重要性を強く認識されたそうです。
個人のスキルや記憶に依存するのではなく、誰が引き継いでも理解・改善できるようにする。そのためには、開発ルールや記述方針を整備し、共通認識として運用していくことが不可欠だと考えたそうです。

そんな課題を抱える中でYes!開発ルール講座を受講していただき、「様々な開発のノウハウは世の中にあるけれど、どういった背景でそのルールに決まったかまではわからない。それを教えてもらえることで属人化解消の土台になる。」といったご感想をいただきました。

また、Yes!開発ルール講座は座学だけでなく、充実したサンプルファイルがセットになっているので、学びをすぐに実務に生かしていただけることも特徴です。
ですので「システムとしては動くので業務上は問題ないけれど、エラー処理の方法など学ぶことができた。システム開発の視点からだと今の開発はベストでないことがわかった。」といった新しい気付きを得たというお声もいただきました。

受講後は、DXツールに関する情報を共有する社内ポータルへ講座資料や録画を共有するなどし、いつでも誰でも情報にアクセスできるようにしました。

↑社内ポータルの一部 これから開発を始めたい社員に向けてカスタムAppを配布

↑社内ポータルでYes!開発ルール講座のレジュメと録画を配布

技術レベルに応じた学び

今回のインタビューを通して、開発者の技術レベルに応じて「Yes!開発ルール講座」から得られる価値が異なることが見えてきました。
以下では、初級者・中級者・上級者それぞれの視点で得られる価値を整理します。

初級者:安心して開発を始めるための基礎を学ぶ(=知る)

  • FileMakerの基本操作や用語などの基礎知識を整理できる
  • フィールド名やスクリプト名、コメントなど、読む人を意識した書き方の重要性を自然と身につけられる
  • 後から修正・引き継ぎが発生することを前提に、最初から分かりやすく作る視点を持てるようになる。

中級者:実際に業務で使えるアプリを、継続運用を意識する(=使う)

  • 開発ルールに沿った構成・命名・スクリプト設計により、改修や拡張を前提としたアプリ作りができる
  • 他者が作ったシステムも読み解きやすくなり、保守・改修にかかる工数を減らせるようになる
  • 「動けばよい」ではなく、使い続けられる品質を意識した開発ができるようになる

上級者:開発を通じて組織全体の改善を推進する(=活用する)

  • 開発会社の標準的な考え方を取り入れ、既存の知識をアップデートできる
  • 個別のシステム開発にとどまらず、工場・部門を横断した業務改善テーマに取り組むためのヒントを得られる
  • 開発ルールを軸に、他部署の開発者のレビュー・指導・育成を行える
  • 属人化を防ぎ、仕組みとして継続する内製開発体制を構築できる

どのレベルの方にとっても、日々の開発や業務改善につながる学びがあるようです。

終わりに

現在、三井金属様では開発者個人の個別最適から脱却し、共通化・標準化された仕組みづくりを試行中だそうです。
また、Claris FileMaker活用の成功体験が十分に広がっていない部門に対して、ツール活用による業務改善の有効性を伝えClaris FileMakerを活用した業務改善の文化の浸透を段階的に進めています。

インハウス開発において「属人化」や「ブラックボックス化」は、多くの企業が直面する課題です。
特にClaris FileMakerはローコード開発ツールであるため、誰もがある日突然システム開発者になれる可能性を秘めています。

だからこそ、開発ルールを整備し、開発者のスキルの差や異動などによる管理者不在などによる属人化のリスクを防ぎ、「組織内で継続的に使い続けられるシステム」を目指すことが重要です。
息の長いシステム開発を実現するために、私たちと一緒に「属人化しない開発」を目指しませんか?

Yes!開発ルール講座 とは?

1996年の創立から約30年にわたりClaris プラットフォームでシステム開発を行ってきた弊社だからこそお伝えできるノウハウを、まるっと伝授してしまうトレーニングサービスです。

弊社が実際の開発で使用している開発ルールをベースに、座学だけではなくハンズオン形式で実践的に学び、身に着けていただくことができます。

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