事例紹介:沖縄周産期クラウドデータベース ~新型コロナ感染妊婦の情報を迅速に共有して病院連携に活かす~【琉球大学病院 産科婦人科】
2023年02月08日 12:17 PM
導入事例
琉球大学病院様の取り組みを通じて、複数の施設で情報を共有するシステムを開発し
県全体で妊婦さんを守るための仕組みを作り上げました。
開発当時の以前のブログもご参照ください。
■システム
周産期クラウドデータベース
・患者情報
・施設ごとの病床使用率
・県内の妊婦さんの感染者数
・施設間での情報共有
※琉球大学病院様で作った簡易的な掲示板での情報共有を行っています。
稼働当初は12-13施設だったのですが連携施設が増えて現在は30施設あります。
これは県全体の出産施設をほぼ網羅しています。
システムの普及の経緯としましては、沖縄県産婦人科医会でシステムを紹介していまして
その際に各施設の方たちも患者情報をデータベースで管理したという要望がでてきて
だんだんと使用施設が増えていきました。
■共有方法
弊社で提供しているクラウドサービス『YFMcloud』で運用しています。
琉球大学病院内では、Claris FileMaker Pro でアクセスをしており、
各医療期間は FileMaker Pro をインストールせず利用できるFileMaker WebDirect を利用しています。
新規利用の施設が出てきた際は琉球大学病院内の管理者がアカウントを発行して
アクセスURLのショートカットをお渡ししています。
■システムの目的
沖縄県の妊婦さんでコロナ感染してしまった場合に迅速に療養先を
振り分けることができるようにしています。
症例が登録された後の妊娠、出産の経緯を管理、共有していくことがシステム導入の目的です。
〇患者の症例管理
以下のような流れで、データベースに情報が登録されます
妊婦さんがコロナに感染
↓
統括している中部病院で周産期クラウドデータベースに患者情報を登録して施設
を振り分けます。
↓
中部病院が保健所の登録(HER-SYS)を行います。
※緊急の場合を除く
↓
振り分け先の施設では入力された患者情報に診療記録を登録します。
各施設では周産期クラウドデータベースのほかそれぞれの電子カルテにも
情報を入れています。
〇集計データの活用
CSVに出力して学会発表に利用するデータとして提出しています。
エクスポートについては学会、講演会や会議などのタイミングで行っています。
※トップ画面に表示されている感染者の数やグラフを確認して資料を作成しているそうです。
※集計データをもとに作成された実際の資料です。
■導入の効果について
琉球大学病院管理者の宜保様より導入後の効果についてお伺いしました。
『集計については大きく役にたっている。システムを導入していなければ集計は難しかっただろう。Claris FileMakerの導入が広まったので、他のデータベースを作る足がかりになるのではないかと考えている。コロナ以外の症例もClaris FileMakerで管理したい要望を各施設の先生方から伺っている。』
とのことでした。
■今後の展望
周産期クラウドデータベースについてはこのままの機能を活用していければいいと考えているとのことで、今後については新たに重症のハイリスクの患者様のデータベースを
Claris FileMakerで新たに構築してければと検討しているそうです。
現在は沖縄県も積極的に協力をしていただき仕様の打合せを行っているところです。
ここ1-2か月で仕様がまとまり次第、弊社にご依頼頂く予定です。