Claris FileMakerでのシステム開発における要件定義、要件定義書作成の目的・必要性について

2023年01月20日 12:07 PM

その他


弊社でのシステム開発は基本的に以下の流れに沿って進めています。それぞれの作業内容や目的など概要は以下の通りです。

最初のステップとして「要件定義/要件定義書作成」がありますが、なぜ必要なのでしょうか?
頭の中にシステムのイメージがあるから必要ないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

「要件定義/要件定義書作成」をするメリットは以下のとおりです。

・あとで見直した時に何故そういう処理が必要かわかる
・機能の目的が明確だと仕様に無理があった時に別の手法を考えやすい
・それをみるだけで詳細設計が開始できるので開発がスムーズ
・テストの際、定義した要件と合致しているか確認ができる
・開発者が不在の時、引継書として使用することができる

さまざまな要望をひとつのシステムに落とし込むには、開発者はもちろん依頼者や実際のユーザーなど複数の方々の決定が必要です。「要件定義/要件定義書作成」は、システムの設計・開発前にそれを集約することで共通の認識とし、依頼者と開発者の間で齟齬をなくし、情報が適切に共有されていることを確認するために非常に大切なステップです。

ですので、「要件定義/要件定義書作成」の次のステップとして開発者が「詳細設計/仕様書作成」をスムーズにスタートさせるためにも大きな役割を果たします。

そんな「要件定義/要件定義書作成」をどのように進めるか、簡単に以下にまとめてみました。
システム開発を自社で内製化されている皆様の参考になりますと幸いです。

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要件定義はまず、システムへの要求事項(ニーズ)を整理するところから始めます。
上図の「1.ご要望のヒアリング」にも近い内容となります。
以下の内容に沿って要求事項(ニーズ)を整理します。

・何をやりたいのか

   … 例.「自動で毎月の経費を計算してほしい 等」

・優先順位をつける

   … 要求事項をすべて対応できないこともあるため必要です。

・要求事項の背景を確認する

   … 要求の意味を明確にすると、詳細設計で実装が難しいことが分かった場合に代案を検討できます。

要求事項(ニーズ)を整理したら、要件定義および要件定義書の作成を行います。
要件定義書には、各画面について以下の項目について記載していきます。
以下について、弊社では最低限必要と考える内容ですので、開発するシステムによってはさらに記載が必要な場合もございます。

・背景/目的:

       上記の「要求事項(ニーズ)の整理」をベースに各画面の開発が必要な背景や目的をまとめます。

・業務フロー図:

  業務の流れを理解・共有するために作成します。
  関係者や関係部署等を明確にし、それぞれの業務プロセスと条件による分岐など記載します。
  フローチャートで作成することが多いです。

・画面遷移図:

  画面間の関係を明確にするためにまとめる図です。
  必要な画面の洗い出しを行うので、システムの全体像を把握することができます。

・画面レイアウト:

         実際の画面イメージを作成します。
  フィールドやボタン、オブジェクトなどをどこに配置するかあらかじめ決めることで
  使い勝手の良いユーザーインターフェースを検討することや、開発着手前に関係者間で
  共通のイメージを持つことができます。

      

・権限表:

  各画面や機能において「出来ること・出来ないこと」を管理者や運用者、一般など
  メンバーの権限をまとめた表です。マトリックス表にまとめることで、一目で定義を
  確認することができます。

・導入/移行計画:

       現在管理しているシステムからのデータの移行があるのか、またそれはどういったデータか、
  Claris FileMakerで開発したシステムへどのようにデータを移行するのか等を検討し記載します。
  また、サーバー環境によっても導入手順等は変わりますので、そちらも考慮した上で検討します。

・スケジュール:

      上図の本納品までのスケジュールを明確にすることで、いつまでに何を完了させなくてはならないか
  計画することができます。たとえば、新しく開発したシステムをクラウドサーバーで運用したい
  といった場合にはクラウド―サーバー構築もスケジュールに合わせて実施することができます。

上記の内容について、弊社では以下のツールを使用して作成することが多いです。

・PowerPoint
・Excel
・Notes

要件定義書は一度作成したらおわりではなく、改修する際には作成済みの要件定義書を見ながら新しい要件を検討する、アップデートをするといったことが必要です。

ですので使いやすいツール、かつ後任者も使用しやすいツールを選ぶことが大切です。

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いかがでしたでしょうか?

「要件定義/仕様書作成」はシステム開発をスムーズに実施することはもちろん、
冗長性のあるシステム開発を行うためにも大切なステップです。

まだ要件定義書がないシステムをお持ちの方は、
新しくシステムを開発する際や既存システムの改修を行う際にぜひ作成してみてください。

「要件定義/仕様書作成」が大切なのはわかるけど

・何から手をつけたらよいかわからない
・作成する時間がない

このようなお客様に向けて、弊社では要件定義や要件定義書を作成するコツやポイントをお伝えする講習や作成代行を行なっています。詳細につきましてはお気軽にお問合せください。

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