担当者ひとりでの開発からチーム開発へ -メンバーの育成-【美和ロック株式会社様 】

2022年04月20日 12:00 PM

導入事例


美和ロック株式会社の玉城工場では製品設計に関するデータを管理するために Claris FileMaker(以下FileMaker)を使用しています。これまでは担当者1名で設計から開発、運用まですべて行っていましたが、今後の運用を見据え開発担当者を増やし、チーム開発を進めていきたいと考えられました。

チーム開発の必要なノウハウを学ぶため、弊社の「一緒に開発しましょう」トレーニングの一つである「開発ルール講座」を受講されました。

◆美和ロック株式会社様について

世界約50カ国で愛用されている鍵、錠前の総合メーカーで、建築用錠前、工業製品用錠前、セキュリティシステム及び関連機器の設計、製造、販売を行っています。東京に本社、全国各地に支店、営業所、工場があります。

今回ご相談いただいた玉城工場は会社全体の生産の約9割を占める三重県に所在する主力工場です。

(美和ロック株式会社公式サイトはこちら

↑玉城工場

Claris FileMaker での開発を中心となって行っている製品設計部 次長 中野昌浩 様 にお話を伺いました。

◆ご依頼の経緯

中野様は FileMaker Ver.4の頃から利用を始め、伝票管理システムからPDM(製品情報管理システム)までおひとりで開発をされました。開発されたシステムは、製品設計部内から始まり、製造部門、生産管理部門へ広がり、現在では玉城工場全体約175名の従業員が利用するシステムとなっています。

美和ロック様は「社内で開発やメンテナンスができる体制を整えるために協力してくれて、社内で対応が難しい場合には委託ができるような会社を探そう」と考えはじめ、2017年から FileMaker カンファレンスに通うようになり、そこで弊社にもお声がけいただきました。

最終的に弊社を選んでいただいた理由をお聞きしたところ「全体的に若いメンバーが多く活き活きとした印象があり、話をした担当者の感じもよかった。また、セッションでの登壇を見た印象や Claris パートナーの Platinum レベルであることから会社としても信用できそうと感じた」とのことでした。

◆「一緒に開発しましょう」トレーニングを受講することに

製品設計部では、数年前からは2名の担当者が加わり、3名でシステムの開発・運用・保守を行っていました。「数十年先も使っていけるような息の長いシステムを目指すのであれば、システムの規模感を踏まえて今後の運用を見直し、より属人化しない仕組みを作ろう」と考え、開発チームメンバーの増員と教育を始めることにしました。

チーム開発を行うにあたり、フィールド名やテーブル名などの命名規則であったり、リレーションやスクリプトなど開発にあたっての同一のルールを設定することで誰が見ても用途や目的がわかるようにすることで属人化することなく開発時の担当者がいなくてもシステムを見れば迷う事が無くなります。

美和ロック様では、元々社内で利用していた開発ルールはありましたが、講座を受講することで、より精度の高いルールを決めることができると考えご依頼いただきました。

初心者の方にも時間をかけて理解していただけるよう、レイアウト、リレーション、スクリプトなど機能ごとに分けた3回の講座をご提案しました。

(講座内容の詳細はブログの最後に掲載しています)

◆開発ルール講座を受講するまでの美和ロック様での取り組み

開発ルール講座の受講前に、選抜した開発メンバーで開発の知識と技術を学ぶため、Claris 社から提供されている学習ツール(※)を利用し、毎週土曜日チームでの勉強会なども行われました。

これまでシステムをユーザーとしてしか利用していなかったチームのメンバーが、開発者としての基礎を身につけることができました。

※学習ツールは「FileMaker オンライン学習 初級編中級編」「FileMaker Master Book 初級編・中級編」を利用されました。

◆受講中の様子

3回の講座では、弊社が用意した資料を元に、座学形式で行いました。オンラインで実施し6名でご参加いただきました。

講座中は、気になったことや分からないことなどをその場でご質問いただき、講師が回答しながら進めていきました。

講座について「受講前後で進め方や内容についてはイメージ通りで満足している。システム開発を行う上で基本となる部分について、開発会社が実際に使っているノウハウを教えてもらえる機会は滅多にないのでとても良い機会になった。命名規則などこれまでは自分で考えていて迷う部分もあったけど、今回の受講を通してすぐに解決することができた。初心者が多いメンバーで受けるにはちょうど良いボリューム・スピード感だったと思う。」と仰ってくださいました。

◆受講後の後の変化と今後の展望

前述したように、もともと大まかな開発ルールは作成されていました。

受講後の変化についてお聞きしたところ「命名規則や、テーブル定義、レイアウトの作り方、削除オプションなど講座内で学んだことはさっそく開発に取り入れている。命名規則もそのまま活用しているところも多い。」と受講内容に満足されているご様子でした。

自社の開発ルールは、文書として Microsoft の OneNote で管理し、開発チームメンバーへ共有されているのですが、その内容も受講後ブラッシュアップできたそうです。

新しいシステムの開発にはすでに新しい開発ルールを取り入れており、既存のシステムへは少しずつ改修しながら適用させていきたいとおっしゃっていました。

受講後の開発チームメンバーの変化については、各自の「Claris FileMaker の開発メンバーになった」という意識がより強くなり、積極的に開発に携わるようになったそうです。

「開発の手法がわかりイメージがつくようになったことで、日頃ユーザーとして使っている中で感じていた“ちょっとした煩わしさ”や“繰り返し業務”に対して、改善できるポイントに気づいてくれるようになり、積極的に開発に取り組むようなった」と嬉しそうに話してくださいました。

メンバーの皆さんが開発を行う中で、うまくいかないこともあるそうですが、その際は中野様からフォローし、素晴らしい人材育成の場になっています。

「“ボタンを1つ追加する”“エクスポートの項目を変える”などかゆいところに簡単に手が届くのが Claris FileMaker のいいところ。新しい開発メンバーにはどんどんチャレンジしてより良いシステムを目指してほしい」とメンバーに対する期待を語ってくださいました。

今後は基本的に製品設計部の約6名の開発チームメンバーで開発・運用・保守を行い、既に新しいシステムをチームで開発する案件が2件同時に動いていているとのことです。

弊社では、美和ロック様が今後も開発手法に困った際に、「一緒に開発しましょう」トレーニング開発の形式でサポートしていく予定です。

(「一緒に開発しましょう」トレーニング開発の詳細はこちら

↑開発チームメンバーの皆様(後方中央の方が中野様)

◆最後に

FileMakerについて「“FileMakerを今後も使っていきたい”と強く思う理由はローコード開発が出来るプラットホームであるためです。ユーザーが、ユーザーの立場に立って、データベースを設計・開発・利用してみて、不都合や使いづらい箇所があれば、たった30分で改修し業務に合わせて進化させられることに大きな魅力を感じています。今後も新しいデータベースを開発したり、タイムリーに進化させていくことができる社内開発体制を維持したいと考えています。」とおっしゃっていました。

開発の自由度が高く、学べば誰でも開発できるFileMakerのメリットを十分に活かし、息の長いシステム開発を行っていくためには開発ルールの設定とチーム開発が必要となります。

美和ロック様はそのことに気付き、開発ルールの設定と開発チームメンバーの育成に早めに取り組まれました。

弊社の「一緒に開発しましょう」トレーニングが美和ロック様のシステム開発で役立ち、今後も活かされていくことは大変光栄なことです。今後も、開発パートナーとして美和ロック様をサポートしていきます!

2022/8/10追記

7/27に開催されたWebセミナーの録画動画です。

///////美和ロック様の開発ルール講座の詳細///////

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