Claris FileMaker 19 の機能「FileMaker Go でSiri ショートカットを使おう!」

2021年10月26日 04:27 PM

Claris FileMaker 19


今回のブログでは、Claris FileMaker 19の機能 「FileMaker Go での Siri ショートカットのサポート」をご紹介いたします。

 

皆さん、Siriをよく使っていますか?

Siriでは、電話をかけることはもちろん、アラームをセットしたり、イベントやリマインダーを作成したり、アプリを起動させたりすること等ができます。

Claris FileMaker 19でSiriショートカットが正式にサポートされ、iOS及びiPadOSのショートカットAppを使ってFileMaker Go 19でスクリプトを実行できるようになりました。

 

今回はSiriショートカットを使用して、ユーザーが「本日の注文を見せてください」と話しかけると、該当するレコードを検索し結果を表示する、という機能を実装してみました。

操作は音声で行いますので、仮想アシスタントとしてSiriを使います。

 

それでは、設定方法を以下の流れでご説明します。

・カスタムApp 「AskSiri.fmp12」 の作成

・カスタムAppの設定

・「AskSiri.fmp12」 をFileMaker Serverにアップロード

・iPad・iPhoneで 「AskSiri.fmp12」 を開く

・iPad・iPhoneでショートカットを作成

・実行しよう

 

▼カスタムApp 「AskSiri.fmp12」 の作成

カスタムApp「AskSiri.fmp12」を新規作成し、検索のスクリプトを設定します。

検索のスクリプトの詳細を見てみましょう。

ユーザーが話しかけた言葉を引数として検索条件を設定し、その検索条件でレコードを検索します。

該当レコードがあれば、件数と合計金額を表示、なければ「注文はありません。」と表示します。

 

 

▼カスタムAppの設定

ショートカット、Siri ボイスコマンドからスクリプトを実行できるように、拡張アクセス権とスクリプトの設定を行います。

 

①拡張アクセス権を設定

FileMaker Proのメニュー「ファイル」>「管理」>「セキュリティ」を選択します。

「セキュリティの管理」ダイアログボックスが開くので、「詳細設定」ボタンをクリックします。

 

「詳細セキュリティ設定」ダイアログボックスの「拡張アクセス権」タブで、「fmurlscript」を選択し、「編集」ボタンをクリックします。

 

FileMaker Go で使用するアクセス権セット(今回は「完全アクセス」に設定します)にチェックを付け、「OK」をクリックします。

 

「OK」をクリックして全てのダイアログボックスを閉じます。

 

②スクリプトに「ショートカットの登録を有効にする」を設定

「AskSiri.fmp12」ファイルを開き、FileMaker Proのメニュー「スクリプト」から「スクリプトワークスペース」を選択します。

スクリプト「検索」を右クリックし、「ショートカットの登録を有効にする」を選択します。

 

ショートカットの登録が有効化されているスクリプトにはマイクアイコンが表示されます。

 

 

「AskSiri.fmp12」 をFileMaker Serverにアップロード

iPad・iPhoneでファイルを開くには色々な方法があります。

・FileMaker Server/ FileMaker Cloudで公開

・iTunesでデバイスに転送

・メール/AirDrop/iCloudの共有でデバイスに転送

 

今回は FileMaker Serverで公開しますので、「AskSiri.fmp12」をFileMaker Server にアップロードします。

FileMaker Proのメニュー「ファイル」>「共有設定」>「ホストにアップロード」を選択します。

 

「+」ボタンをクリックすると、「お気に入りのホストを追加」のダイアログが表示されます。

ホストのインターネットアドレスを入力し、「お気に入りのホストの名前」には任意の名前を設定します。「保存」ボタンをクリックします。

 

Admin Consoleの名前とパスワードを入力し「サインイン」ボタンをクリックします。

 

「参照」ボタンをクリックし、アップロードするファイルを選択し、「アップロード」ボタンをクリックして完了です。

 

 

iPad・iPhoneで「AskSiri.fmp12」を開く

Claris FileMaker Go 19で 「AskSiri.fmp12」 を開きます。Claris FileMaker Go 19 をインストールしていない場合はApple Storeから無料でダウンロードできます。

こちらからダウンロードしてください Claris FileMaker Go (日本語)

 

今回はiPadを使用してご説明します。画面は少し違いますが、iPhoneでもほぼ同様の操作となります。

FileMaker Go 19 を開き、ホストをタップし「+」ボタンをタップします。

ファイルをアップロードしたFileMaker Serverのアドレスやホスト名を入力し、「保存」ボタンをタップします。

 

右側にアップロードしたカスタムAppが表示されるので、「AskSiri」をタップし開きます。

 

 

▼ iPad・iPhoneでショートカットを作成

ショートカットAppはiOSおよびiPadOS12以降のデバイスにプリインストールされたソフトウェアです。

インストールされていない場合は、こちらからダウンロードしてください

ショートカット (Apple)

 

以下の流れでショートカットを作成します。

・ユーザーが話しかけた言葉を変数に設定

・「AskSiri.fmp12」を開き、「検索」スクリプトを実行(ユーザーが話しかけた条件でデータを検索して表示)

 

必要なステップは以下となります。

①ショートカットを作成
②「テキストを音声入力」アクションを追加
③「変数に追加」アクションを追加
④「FileMaker Go スクリプトを実行」アクションを追加

では、詳細設定を見ていきましょう。

 

まず、FileMaker Go で「AskSiri.fmp12」を開きます。

ショートカットAppでFileMaker Goのファイルとスクリプト名を指定するために、あらかじめ開いておく必要があります。

 

①ショートカットを作成

ショートカットAppをタップして起動し、「+」ボタンをタップします。

「新規ショートカット」の横にある「…」のアイコンをクリックすると、下図のウィンドウが表示されるので、ショートカット名に「テスト」と入力して、完了をタップします。

「テスト」はSiriに話しかける文言となります。今回は「テスト」と設定しましたが、ユーザーが分かりやすい言葉を設定しておくと良いでしょう。

 

 

②「テキストを音声入力」アクションを追加

仮想アシスタントがユーザーから話しかけた言葉を記録します。

右側のパネルから「書類」をタップし、「テキストを音声入力」を選択します。画面左側に追加したアクションが表示されます。

  • iPhoneの場合は「アクションを追加」ボタン→「書類」→「テキストを音声入力」を順にタップします。

 

③「変数に追加」アクションを追加

②で記録した言葉を変数に設定します。

「戻る」ボタンをタップし、「スクリプティング」をタップし、「変数に追加」を選択します。「音声入力されたテキストを変数名に追加」の「変数名」を「sentence」にします。

※iPhoneの場合は「+」→「×」(書類タブの閉じるボタン)→「スクリプティング」→「変数に追加」を順にタップします。

 

④「FileMaker Go スクリプトを実行」アクションを追加

変数「sentence」の値から結果を表示させるために、「FileMaker Go を実行」のアクションを追加します。

「戻る」ボタン→「App」→「FileMaker Go 19」を順にタップし、「FileMaker Go スクリプトを実行」を選択します。

※iPhoneの場合は「+」→「×」(スクリプティングタブの閉じるボタン)→「App」→「FileMaker Go 19」を順にタップします。

 

「実行するスクリプトを含むファイルを選択します」のアクションが追加されます。

 

「実行するスクリプトを含むファイルを選択します:」の「ファイル」をタップし、「AskSiri」を選択します。

「引数」には「sentence」を選択し、スクリプトには「検索」を設定します。

 

これで設定は完了です。

iPadでは、「完了」や「OK」などのボタンを押さなくてもショートカットが自動的に保存されます。

しかし、iPhoneでは、最後のアクションを追加した後に画面右上の「完了」をタップして保存する必要があります。

 

 

▼実行しよう

まず、FileMaker Go で「AskSiri.fmp12」 を開きましょう。

開いていない場合は、ショートカットを実行する時に下記のメッセージが表示されてしまうため、あらかじめ開いておくと良いです。

 

Siriにショートカット名を話しかけます。

今回作成したショートカット名は「テスト」ですので、「Hey Siri、テスト」と話しかけます。

そして、「本日の注文を見せてください」と話しかけます。

 

無事起動しました!本日の注文レコードが検索され「5件 1,526,500円です。」のカスタムダイアログが表示されています。「OK」ボタンをタップして、本日の注文リストを確認できます。

 

 

皆さん、いかがでしたでしょうか?

Siriショートカットを使用して、音声での検索方法をご紹介しました。

「FileMaker Go での Siri ショートカットのサポートがどういう機能なのかちょっとわかった」「便利そう」と思ってくだされば幸いです。

 

Claris FileMaker Go デベロップメントガイドやショートカットのユーザガイドがありますのでこちらもご参照ください。

Claris FileMaker Go デベロップメントガイド

ショートカットユーザガイド(Apple)

 

最後までお読みいただきありがとうございました!