Claris Connect で Outlook と Claris FileMaker を連携させよう

2021年12月02日 12:01 PM

はじめの一歩

今回は Claris Connect (クラリスコネクト)を使ってClaris FileMaker (ファイルメーカー)とOutlookを連携させて「メールが届いたらカスタムAppに新規レコードを作成して登録する」という作業を自動化させたいと思います。

(今回はClaris FileMaker Cloudを使いますが、Claris FileMaker Serverでも連携することができます。)

 

◇事前準備

 

・Outlook

Office365などWebベースのものを使用します。「アカウント」と「パスワード」をメモしておきます。

 

・Claris FileMaker Cloud

Claris Customer Consoleにログインし「ホスト」のタブで「FileMaker Cloud Admin Consoleに移動」ボタンをクリック、FileMaker Cloud Admin Consoleに移動します。

FileMaker Cloud Admin Consoleの「コネクタ」タブでFileMaker Data API を「有効」にしておきます。

 

・カスタムApp

今回は「mailtest」というカスタムAppを作成して使います。

カスタムAppのファイル>管理>セキュリティからセキュリティ設定を開きます。

今回カスタムAppにログインするClaris IDに設定されたアクセス権セットの詳細を開き拡張アクセス権「FileMaker Data API でのアクセス(fmrest)」にチェックをしておきます。

 

「メール」テーブルを作成、「送信元」(テキスト) 「題名」(テキスト)「メール本文」(テキスト)のフィールドを準備します。

使いたいフィールドは1つのレイアウトにすべて配置しておき、その「レイアウト名」をメモします。

このカスタムAppを Claris FileMaker Cloud へアップロードします。

アップロードした「Team」と「ファイル名」をメモしておきます。

 

◇Claris Connect で自動化フローを作成

 

まず Claris Connect にログインします。(※)
※ログインの方法は、こちらを参照してください。

 

ログインしたら、以下の手順でフローを作っていきます。

①プロジェクトとフローの作成

②トリガ「Outlook:メール受信」の作成

③アクション「Outlook:メールをIDで検索」の作成

④アクション「Claris FileMaker Cloud:新規レコード作成」の作成

 

①プロジェクトとフローの作成

「Create New」を選択し、プロジェクトに名前を付けます。今回は「OutlookFileMaker」とします。名前は4文字以上必要です。現時点では日本語名は付けられないようです。

 

「Create New Flow」からフローを作成し名前を入力します。今回は「メール自動登録」とします。フロー名も4文字以上必要ですが、こちらは日本語が使えます。

 

②トリガ「Outlook:メール受信」の作成

トリガはOutlookを選択します。

 

トリガのアクションは「Mail received」を選択し「Continue」をクリックします。

 

事前準備でメモしておいた「アカウント」と「パスワード」でOutlookにサインインします。「Sign into Outlook」をクリックしOutlookの認証情報を入力します。

 

認証情報が保存できたら「Continue」をクリックします。

 

トリガを保存する画面になります。

設定したOutlookのメールアドレスに実際にメールを送ってみましょう。

(ここでメールを送らないと「Save Trigger」のボタンがアクティブにならずクリックすることができません。)

 

メールを送るとトリガが実際に起動され画面がSuccessに変わります。

「Save Trigger」をクリックし保存します。

 

③アクション「Outlook:メールをIDで検索」の作成

「Mail received」のステップだけではメール本文などの情報を取り出すことはできません。

Outlookの「Find mail by ID」というアクションを使ってMessage idでメールを検索し情報を取得する必要があります。

 

⊕ボタンから「Action」を追加します。

 

コネクタの中から再度Outlookを選びます。

 

「Find mail by ID」のアクションを選択し「Continue」をクリックします。

 

次はOutlookの認証です。

Outlookは既に②で認証しているのでそれを選択し「Continue」をクリックします。

 

Message idのフィールド右の+のようなボタンをクリックします。

 

②で受信したメールの情報を選択できるようになっています。

bodyの中のresourceDataの中のidを選択します。

 

Message idが設定できたら「Save」をクリックします。

 

④アクション「Claris FileMaker Cloud:新規レコード作成」の作成

⊕ボタンから「Action」を追加します。

 

コネクタの中からClaris FileMaker Cloudを選びます。

 

「Create Record」のアクションを選択し「Continue」をクリックします。

 

事前準備でメモしておいた、「Team」「ファイル名」を使用してClaris FileMaker Cloudにサインインします。「Sign into Claris FileMaker Cloud」をクリックし今回使用するカスタムAppをアップロードしている「Team」、「Instance」(Instanceは各Teamで基本1つなのでTeamが決まれば1つに絞られ選択肢に表示されます。)、「Database」(ファイル名)を選択し「Sign in」をクリックします。

 

認証ができたら「Continue」をクリックします。

 

ここからカスタムAppのフィールドに値を設定していきます。

まずカスタムAppのレイアウトを選択します。事前準備でメモしておいたレイアウト(使用するフィールドを全て配置したレイアウト)の名前は「layout1」なのでこれを選択します。

 

次に題名のフィールドに設定する値を前のステップから選びます。

題名のフィールド右の+のようなボタンをクリックします。

 

ステップFind Email by IDを選択しその中から「subject」を選択します。

 

同様に本文(body.content)、送信元(sender.Emailadress.adress)も選択します。

※もしトリガ保存で送ったメールの実際の題名などが反映されていなければ、弊社ブログ「Claris Connect (クラリスコネクト) を使ってみよう!-No data available への対応」を参照してください。(こちら

 

設定が完了したら「Save」をクリックします。

これでフローは完成です。

 

 

◇実際に使ってみよう

 

右側のボタンを「Enabled」にしてフローを有効にします。

 

設定したOutlookのメールアドレスにメールを送ります

 

カスタムAppを確認してみると新規レコードが1件追加され、題名、送信元、内容が登録されていました。

 

メール本文はhtml形式でしたので、アドオンのリッチテキストエディタ(※)を使って表示してみました。

※アドオンについてはClarisブログのこちらの記事を参照してください。

 

今回のOutlookとClaris FileMaker Cloudとの連携で以下が特に忘れがちな点です。注意しましょう。

・カスタムAppの拡張アクセス権「FileMaker Data API でのアクセス(fmrest)」を設定しておく

・Outlookのメールの中身を取り出すには「Mail received」と「Find mail by ID」をセットで使う

 

ご紹介したものはごくシンプルなフローなので、適宜条件分岐を追加したりカスタムAppのスクリプトを組み合わせたりして、ご自身の業務フローに合うように機能を拡張してみてください。