Claris Connect を使って、FileMakerからSMSを送信! Media SMS コネクタを試してみた!

2022年02月02日 11:00 AM

事例

「カスタムAppからSMS(ショートメッセージ)を送信したい」というご要望を受けることがあります。

「SMS送信」という機能は、下記のようなメリットがあります。

・ 誰にでも届く(携帯電話番号がわかれば送付できる。)

・ 着眼率が高い

・ 開封率が高い

その中でも、1つ目の相手も選ばず、携帯電話番号さえわかれば、メッセージが送信できるのは、とても大きいメリットだと思います。

プッシュ通知を送りたい場合、何かしらのアプリを端末にインストールして、そのアプリ経由で通知を送ることは、それほど難しくはないかもしれません。ただ、「何かしらのアプリ」をインストールするということができる相手に限ります。

社内であれば、それでもいいかもしれませんが、不特定多数に携帯電話番号だけで、通知を送付したい場合は、「SMS」でしょう!

今回は、このSMSの送信を、Claris Connect を使って試してみました。

 


 準備

Claris Connect の「Media SMS」コネクタは、2021年7月にリリースされました。

今回使ってみるのは、この「Media SMS」コネクタです。

 

Claris Connect が新たに「メディア SMS」と連携開始

2021/07/26 — Claris International Inc. のプレスリリース

 

Media SMS トップページ

まず、Claris Connect の Media SMS を使うために、HPから問い合わせをします。

そうすると、資料が送られてきますので、その書類を揃えて申込みをする必要がありました。

(2021年11月時点)

 

更に、APIの仕様書を取得するには、秘密保持契約(NDA)が必要となります

(2021年11月時点)

若干、面倒な手続きがあるのが残念ですが、担当の方とのやり取りがあるおかげで、質問などもできたので、その点は良かったです。

 


 使用してみる

では、準備ができたので、実際に使用したいと思います。

Claris Connect に接続して、Media SMS コネクタを見てみます。

Triggerは現在ないようです。今回は、カスタムAppからSMS送信なので、「ActionのSMS送信(個別方式)」を使用します。

では、Flowを作成し、Trigger にScript triggerを設定しました。

Flowの作成や、カスタムAppのScript triggerの設定は、下記ブログに詳細に説明しているので、そちらを参照してください。

Claris Connect を使って FileMaker Cloud から Chatwork へメッセージを送ってみよう!

Script trigger の画面です。

指示通りにスクリプトを作成しました。

指定するURLは、Claris Connect の Script trigger の画面 で指定されたURLです。

変数を設定 [ $url ; 値: “https://XXXXXXX” ]  ← コピペして設定

 

3行目のJSONdataには、Media SMS コネクタで指定する引数を設定します。

変数を設定 [ $$JSONdata ; 値: JSONSetElement ( “{}” ; [“action” ; “script” ; JSONString ];・・・・

設定できる引数は、たくさんありますが、送信時に最低限必要なのは、

  1. 宛先電話番号
  2. SMS本文

ですので、とりあえずそれだけ設定してみます。

では、次に Media SMS の Action を設定します。

今回は、「SMS送信(個別方式)」を試しますので、それを選択しています。

「Continue」をクリックすると、Media SMSにサインインする画面に移ります。

申込後に発行されたAPIユーザのアカウント・パスワードを入力し、サインインします。

その後、必要な設定をします。

まずは、宛先電話番号

そして、SMS本文

それでは送信してみましょう。
今作成したFlowを「Enabled」に変更します。

それでは、Claris FileMaker のカスタムAppからスクリプトを実行してみます。

実行できました。

かんたんにFlowが作成できるのは、Claris Connect のいいところです!

 


 まとめ

今回は、かんたんに個別送信の作成を確認してみました。

SMS送信については、いくつか注意点があります。

 

■ 文字数とコスト

SMSの文字数は、1通70文字です。
2019年9月から別のキャリアへの送信にも、最大670文字までのメッセージを送信できるようになりました。(それまでは同じキャリア同士であれば、長文はサポートされていましたが、別キャリアへは70文字でした。)

ただし、文字数によって金額は変わってきます。SMS送信サービスでも同じく、長文を送信する際には、それによって金額が変わってきます。

Media SMSでは、長文オプションがありますので、そのオプションを付けることで、長文の送信もできるようになります。その際には、文字数によって、何通分になるのかで利用料金がかかります。

SMS送信サービスは、従量課金制のサービスがほとんどで、プランによって1通8円~18円ぐらいの幅があります。

また、Media SMSでは、長文オプションを使用せずに70文字以上のメッセージを送信した場合、71文字以降を切り捨てて送信します。送信時には、文字数に気をつけてメッセージを作成しましょう。

 

■ SMS送信(CSV形式)

先程紹介したFlowは、「SMS送信(個別方式)」でしたが、それ以外に「SMS送信(CSV形式)」という形式もあります。

こちらは、一気に複数あてにSMSを送信できます。Media SMS では、送信件数がカウントされて、使用料金になりますが、Claris Connect では、一回のリクエストになります。

SMS送信を、大量の宛先に同じタイミングで送信するような機能の場合、このCSV形式でのSMS送信が有効です。

 

■ 最後に

SMS送信の一番のメリットは、「送信相手を選ばない」という点だと思います。

そのメリットは大きく、SMS送信サービスのコストから得られる効果は、機能によってはとても効果の高いものになると思います。Media SMS を使用した効果的な機能や提案を考えたいと思います。