ご隠居:おや、今日は八さんも一緒だね。
八さん: ご隠居、おひさしぶりです。今日はね、熊公がパソコン教えてくれるって言うのでわざわざ八王子からこのノートブック持って、やってきました。
熊さん:なに言ってんだい。どうせ飲み屋のお花ちゃんが目当てでやってきたんだろ。残念ながらお花ちゃんは俺にほれてるんだ。
八さん:何ぬかしてんだい!昨日のあのおしんこの出し方は、きっと俺に惚れてるね。
熊さん:やるか!表に出ろ!
八さん:おう、望むところだ!
ご隠居:・・・・。
熊さん:ご隠居?


八さん:どうしたんですか?ここは普通「おいおい」とか言って止めるところでしょ。
ご隠居:いやね。ノートブックを振り回している八さんを見て、ハードディスクがどうなるか見てみたかったのですよ。
八さん:いや、このノートブックは「耐久性」抜群で、熊公をひっぱたくぐらいじゃ壊れませんよ。
熊さん:なに?それでぶん殴るつもりだったのか?
ご隠居:それにスイッチ入れっぱなしだね。ハードディスクが高速で回転している状態だ。揺らしたぐらいでも大変なことになるぞ。
熊さん:回ってるって・・・。この中であの弁当箱の小さいやつが回っているのですか?
ご隠居:そうじゃないよ。ハードディスクの中にある「プラッタ」という銀色の円盤が回っていて、そこにデータを記録するんだ。


八さん:ん????
ご隠居:わからないのかい。アナログのレコードプレーヤーを思い出せば良い。
熊さん:なるほどね。レコードが回っているイメージですね。
八さん:ところで、どれくらい高速で回ってるのですか?
ご隠居:このハードディスクのスペックは7200rpmだから、1分間に7200回転。1秒間では120回も回っていることになる。
熊さん:1秒間に120回もね。すごいような、すごくないような・・・。
ご隠居:データを読み出す部分を「ヘッド」と言うのだが、その「ヘッド」と「プラッタ」の間隔が0.05ミクロン〜0.1ミクロンだ。原子一粒より狭いんだ。タバコの煙も通らないくらいの狭さだ。
熊さん:うーん、あんまりぴんと来ませんね。
ご隠居:じゃあ、この例えはどうだい。時速500キロで飛んでいるジャンボジェット機が、地上1センチメートルの高さを飛んでいると考えればよい。
八さん:ひえーっ。そりゃすごい。ほんのちょっとの衝撃で壊れてしまうことが良くわかりました。



八さん:ところでこのノートブック、最近重たくなってきたんですよ。
熊さん:運動不足と食いすぎかい?
八さん:ちがうよ。何かと操作するときに反応が鈍くなってきたんですよ。データが増えてきたからですかね。
熊さん:じゃあそのデータを削除すれば良いじゃないか。
八さん:全部大切なデータだし、そう簡単に削除できないんだよ。ご隠居。データが増えてきた場合、メモリを増やせばいいんですよね。ほら256メガバイトとか、増設ってやつですよね。
ご隠居:どうだろう。ただね、よく間違えやすいのが「ハードディスク」と「メモリ」の関係だ。単位が同じ「メガバイト」や「ギガバイト」を使っているからね。
熊さん:そうなんですよ。いまひとつメモリとハードディスクの違いがわからない。
ご隠居:「ハードディスク」はデータを保管する場所で、「メモリ」は実際に作業を行う場所と考えれば良いんじゃないかな。
八さん:うーん。これも今ひとつぴんときません。
熊さん:ほら、いつものたとえ話。何か無いっすか。
ご隠居:じゃ机にたとえよう。データを保管する場所は机の「引き出し」これが「ハードディスク」だ。「メモリ」は実際に作業する場所である「机の上」。これでどうだ。
八さん:なーるほど。そうなるとさっきの話の場合は、反応が鈍くなってきたとしても机の上を大きくするだけじゃだめなんですね。



ご隠居:そうだな。原因として考えられるのは、書類を引き出しに出し入れを繰り返すうちに、あっちこっちの引き出しに書類がばらばらに入るので、必要な書類が一式整うのに時間がかかるようになってきた。そんなところかな。それでこの書類がばらばらに入っている状態を「断片化」というのです。
八さん:「だん・ぺんか」?中国か韓国の方ですか。
熊さん:無視しましょう。それを直すのは「最適化」って言うんですよね。
ご隠居:そうだ、熊さん良く覚えてたね。最適化の方法を教えよう。マイコンピュータの中のCドライブを右クリックして「プロパティ」を選ぶ。それから「ツール」タグの「最適化する」をクリックすればよい。
八さん:で、あっしのノートは軽く・・はならないのか。すばやい反応になるんですね。ん?何だ?いてーな。熊公、おれの背中、指でつついて何してるんだよ!
熊さん:おめーの反応をもう少し早くしてやろうと思って、「八こう最適化」ボタンを探してるんだよ。
八さん:てめー、このノートの中には時速500キロの円盤があるんだぞ。それで断片化してやる!
ご隠居:ノードを投げるのはやめなさい!あっ!あ〜あ。

こうして八さんのノートはばらばらになり、まさに断片化してしまったのでした。