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「きこりののこぎり」の話をご存知であろうか。ある働き者のきこりがいたそうだ。彼は朝から晩まで木を切っているのだが、のこぎりの刃の切れ味がだんだん悪くなってきた。それを補うために朝も夜明け前から夜中まで一日中仕事をしなければならなくなった。それを見かねた仲間が彼に向かって「のこぎりの歯を研げば良いじゃないか」と言うと彼はこう答えたそうだ。「時間が無くてそれどころじゃないよ。」
システム管理室もしくはそれと同じような部門にいる責任者の方のお悩みのひとつに「トラブルの対応に追われて、本来の業務にまったく手をつけられない」ということが無いだろうか。
「あの〜お客さんから送られてきたファイルが開かないんだけど・・・。」
駆け付けて見てみるとファイル名が「六本木女子大生パブ ゆみこちゃんのヒ・ミ・ツ」なんて書いてある。いったいお客様と何の打ち合わせなの?
「昨日までデスクトップにあったファイルが無い。どうなってるんだっ!」
僕は消していないので、こちらに怒られてもどうすることも出来ないんです。
「すいません。何にもしていないんですけど(と、特にここを強調する)ホームページが勝手にどんどん開いて、閉じることが出来ないんですっ。助けてください。」
確実にアダルトサイトを見ていたよね〜。大丈夫、誰にも言わないから。とか。
ある企業でトラブルの発生件数と内容について分析したところ、それらの比率に面白い結果が出たそうだ。仮にそのままトラブルを放置した場合、業務の遂行に与える影響度を5段階でトラブルの内容の分類をする。たとえばそのままトラブルを放置しておくと、業務遂行に多大な影響を与えるものを5とし、逆にそのトラブルは放置しておき、時には代換策を講じておけばよいというものを1とする。
そうするとトラブルの発生数全体の約80%が、内容は1か2、要するに業務遂行にはまったく影響が無い、もしくはほとんど影響の無いトラブルであったそうだ。
逆に言うとトラブルの5件に1件しか、業務遂行に影響を与えるトラブルが無いということになる。
「これどっかで聞いたな〜」とお思いの方も多いと思う。そう、あのイタリアの経済学者パレート先生の発見した、別名2:8の法則である。「高額所得者の数は全体の2割であるが、その所得額は所得全体の8割を占めている」というもので、ビジネス入門書には必ず取り上げられており、あらゆるところに応用されている話だ。会社の売上に貢献する営業マンの数は全体の2割、しかし売上全体の8割を稼いでいるとか。TO DOリストの8割はやらなくて良い仕事だ、とか。
しかしそこで問題となるのが「優先順位のつけ方」になると思う。どのトラブルに対応して、どんなトラブルを放置してよいのかが、悩みどころであろう。決して「あの部長、先日の会議で俺を罵倒したから、あの部署は一切メンテナンスをしない。」なんて私怨をはさんではいけない。
まず参考にしたいのが過去のトラブルの履歴である。それらをもし放置した場合どのような結果になったかを想定してみる。そうしてすでに書いたように5段階に分けて点数をつけるのである。そうして点数化されたならば、それを「アプリケーション」「部署」「時間帯」等のいくつかの切り口で分けてみるのである。
その結果たとえば「メールソフトのトラブルについては、17時以降は受け付けない」とか「第二営業部の休日出勤時に発生したトラブルは必ず対応する」とか。
さてこのように決定して、余った時間を「さあたまにはみんなで飲みにいこうか」なんて言ってはいけない。その時間の使い方がとっても大切になるのである。例えば「メールソフトやブラウザのバージョンを整える」とか「セキュリティ教育の実施」とか。要するに「緊急ではないが重要なこと」を、このときこそ実施するのである。これはコビィ先生「7つの習慣」のうちのひとつであり、これもまたビジネス書では良く取り上げられる原理原則である。普段仕事を進める上で「緊急」である案件と「重要」である案件を同じように捉えてしまう傾向にある。特に忙しかったり、仕事に追われたりしている時にはなおさらその傾向になりがちである。
たとえば入社時に必ず「ウィルスに関する講習」を10分行うだけで、確実にウィルスに感染する割合は減るであろう。もし感染した場合にシステム担当が失う時間は10分ではすまないはずだ。ましてやお客様に迷惑をかけようものなら失うものは時間だけではないはずだ。
実はこの方法を実践しているお客様があるので、いずれこの場を借りて結果報告をしてみたいと思う。
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