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あるテレビコマーシャルでシステムエンジニアが、上司に(たぶん社長でしょう)
「今回のシステムバージョンアップに伴って、200のドメインと3000台のクライアントの設定がとてもスムーズに終わりました。それからセグメント設定・・・」
技術用語の羅列なので、当然社長は怪訝そうな顔でエンジニアの顔を覗き込む。
それに気が付いたエンジニアが
「要するに、40万ドルのコスト削減が出来たって事ですよ。」
ここで社長はにっこりと笑う。
そうしてナレーションが「新しいサーバーOSは・・・」と新製品の特徴を述べる。
これを見た時に首をひねってしまった。いや捻挫したわけでなく、「???」がいくつも飛び交ったのである。
まず一番目。そもそも「システムのバージョンアップ」の多くは得てして不必要なものであり、その不必要なことをやるのにユーザーはコスト負担を強いられているのである。
そもそも「40万ドル削減できました」なんて喜んでいて良いのだろうか?
もし仮に私がデパートで趣味のものを大量に買い込んできて、家内にしかられたとしよう。(得てして私には大切な物は家内には「全く」不必要な物だから)そのとき「良いじゃないか、4000円も安かったんだ。」なんていおうものなら、その後の修羅場は想像するだにも恐ろしい。
しかし、しかしだ、その社長はにっこりとしてしまうのである。出来ることならかみさんにしたかった、と少し後悔してしまうわけだ。(しないか・・・)
「バージョンアップは必要なんです。今まで不便だった機能がとてもスムーズに改良できていますから。」
待ってくださいよ。じゃ、なんですかい(だんだん言葉が喧嘩口調になってきたぞ・・・)そのひとつ前のバージョンが発売される時になんて言ってました?「最高峰、最機能。これほど充実した機能はない。」とか「最適にチューニングされた最高品質」とか。美辞麗句のオンパレードで宣伝してませんでしたか?
それが新しいバージョンが出ると、手のひらを返したように「以前に問題のあった」とか「機能としては不十分だった」ところが出てくるのである。
毎回、毎回だまされ続けるあたしは悪い女。いっそのこと永代橋でこの身を投げましょう・・・。とまるで浄瑠璃ものを見ているような気分になるのである。(もうここまで来ると意味不明だ)
気を取り直して、もうひとつ言いたい!社長はシステムのバージョンアップの費用が「削減」出来たことに喜んでいたが、それで良いのですか、社長。いくら費用を削減できても、実際には大きな金額を投資しているのだから、バージョンアップの「効果」を問うべきなのではないですか?「このバージョンアップにより、これこれの効果が出ました。」と聞いて始めてにっこりとするのが本来の経営者の姿ではないのですか?
「IT投資」イコール「経費削減」という図式で、まだ凝り固まっているトップの方がいる会社は不幸である。しかしITブームの初期のころ、ベンダーやメーカーを中心にそのセールストークで、どんどんシステムを受注していたことを考えると、そういった考えを持つトップがまだ多いのは、仕方ないかもしれないが。
今日もどこかでいくつもの「バージョンアップ」おこなわれている。しかし本当に必要なバージョンアップはいったいどれだけなのか。
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