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私はシステム担当者の代行業をしているので、最近はPC講習の依頼を受けることが多い。忙しいシステム担当者に代わって、講習の内容から、実施、そしてそのフォローまで行うのである。ところが内容や期間についてお打ち合わせを進めると、必ず大きな壁にぶつかることが多い。
●壁といってもお客様と喧嘩をするわけではない。どちらかと言うとお客様も「そのとおりだ。しかしそこまで考えていなかったな。」と悩んでしまうのである。
例えば「インターネットの使い方講習」を考えてみたい。おそらく「メールの送受信方法」「メールにファイルを添付する方法」「ホームページの閲覧の方法」などが考えられるであろう。「メールを受信するには「送受信」ボタンをクリックして・・・」なんて説明が思い浮かぶのである。それらはいわゆる「操作方法」である。
しかし果たして「操作方法」だけ覚えればよいのであろうか。
●その1)
メールの操作はばっちりの新入社員のA君。出社して一番初めの仕事がメールのチェックである。
「おお、今日は20通も来ているぞ。さて順番にチェック・・・。あれ、なんだ『some
questions.』ってタイトルだ。添付ファイルもあるぞ。どれダブルクリック・・・。」
もうお気づきのことであろうが、見事にA君のマシンはクレズに感染してしまうのである。
ましてやこの種類のウィルスは感染した本人はまったく気が付かないので、どんどんお客様に「ウィルス」をばら撒き続けるのである。
●その2)
突然お客様から「なんだ、はげ社長ってのは!」とクレームの電話。A君ははっと気が付く。アドレス帳にお客様のメールアドレスを登録したとき、「ニックネーム」の欄に、かんたんな気持ちで「はげ社長」と入れてしまった。もちろんメールを送信するときにそのことは覚えていたので、アドレス帳からメールアドレスを持ってくるのはやめて、わざわざアドレスを打ったのだった。しかしメールソフトは、自動的にアドレス帳のニックネームをご丁寧にも探し出して送ってしまうのだった。その結果お客様のあて先にはきちんと「はげ社長」と表示されていたのだった。
●その3)
新商品に関する追加情報を至急お客様3000件にお知らせしなければいけなくなった。と困っているB先輩をみて、隣の席のA君はひらめいた。「そうだ、メールでお知らせしよう。」早速先輩に提案したところ、先輩は大喜び。先輩の持っていた顧客情報ファイルを、自分のアドレス帳にインポートして、一斉に同報。送信にはさして時間がかからず、先輩もほっとした様子。しかし5分とたたないうちに、電話がじゃんじゃん鳴り出した。
「勝手にメールアドレスを公開するとは何事だー!」
残念ながらA君は「BCC」でなく「宛先」にアドレス3000件分を登録してしまったのである。
●これらの話はすべて実例である。新入社員のA君は「操作方法」については身についていたのである。しかし「ルールやマナー」もしくは「便利が故の落とし穴」等についてはまったく知らなかっただけである。しかしメールやインターネットは便利であることは間違いないのだが、一方で間違えると笑い話ではすまなくなることが、たくさんあるのである。
したがって先ほどの話に戻るが、「操作方法」だけでなく「ルール、マナー、モラル」等の講習も同時に行わなければならない。というのが私の考えである。
車の免許を取るときには、運転の技術だけでなく、法律やマナーもきちんと学ぶのである。
●さらに「活用のための講習」を行うと理想であろう。
たとえばすべてのやり取りをメールで行ってよいのだろうか。例えばお客様とのコミュニケーション手段が「メール」「電話」「ファックス」「訪問」と仮定しよう。どのようなときにそれらを「使うべきか」、時には「使わないべきか」というカテゴリ分類を行うのもひとつの方法だろう。
またPCという道具を使って「こうすればお客様が喜ぶ」とか、逆に「PCを使わないことで、お客様に喜ばれた」なんていうような講習をやってみたいものだなー、なんて思う今日この頃である。
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