それぞれのIT事情 
 中堅企業 システム担当者 向氏御宅(むかし おたくさん)の話
 2002年7月号
 

うちの会社のIT事情ですか。
社長以下経営トップの方は比較的理解を示していただいて、同業他社と比べるとかなり進んでいると思うのですが、実際に使う現場の方々はまだまだですね。
メールから導入した2年前、なかなか皆使ってくれない。経営トップの方に相談して「会社の通達事項を全てメールで」ということにしました。初めのうちは大変でした。社長の仕事は毎朝、部課長に催促の電話。「おい、メール読んだか。」「言い訳は良いから、すぐ読みなさい。」と。本末転倒もいいところですが、仕方ないですよね。
ええ、今ではメールが一般的になり、社長もそんな仕事からは解放されています。
ただ残念なのが、どうしてもついて来られないと言うか、「こんな面倒なもの知らなくて良い!」と変に意地を張っている方が一部いるのは事実です。

● ウィルス騒動
先日ある社員のパソコンがウィルスにやられて、お客様にウィルスメールを送りつけるという、とんでもない騒ぎが起きました。その社員は多少知識があって、禁止されているのに自分のアプリケーションを勝手にインストールしたり、雑誌の付録のCD-ROMをインストールしたりして、システムを止めたり、と若干問題ありの社員でした。
普段から定期的に講習や研修を行ってきたのですが、原因の究明と対策がとられるまでは、その課のパソコンを使用禁止にしました。もちろん課長以下「仕事にならない」とクレームは来たのですが、社内のシステムだけでなく、お客様にも迷惑をかけたわけですから仕方ないと思います。
結局原因を突き止めて対策を施すまで、システム課全員が3日徹夜しなければなりませんでした。
一歩間違えば賠償問題にも発展する内容ですから。あれほど注意してきたにもかかわらず「やってはいけない」ということをしたのですから、システム使用中止は多少のお灸の意味もあります。

● メールの受信制限・閲覧
その騒ぎもあって、現在「情報セキュリティポリシ」の策定を行っています。現在では社内の情報資産の定義から始まり、それらをどう守っていくか等の「方針・基準」等の作成段階に入っています。
一番大きな問題は「情報資産に従業員個人のプラバシーは存在するか」ということでした。「具体的にはメールを必要ならば閲覧して良いのか」とか「見ることの出来るWebに制限をかけてよいか」などの問題です。これは大きな問題ですし、私たちの部門だけでは判断できないので、システム担当の役員と相談をして、経営ボードで話し合っていただいています。

● メールについて
私自身は「社内で使うメールには基本的に個人のプライバシーは存在しない。」という考えです。会社の電話を使ってプライベートなやり取りをする事はありますが、原則禁止である、ということは皆さん知っています。しかしメールなるとそんな事は一切お構いなしな状態です。それは違うのではないでしょうか。
先日システム課全員のメール調査を行ったところ(もちろん本人の申告という方法にしましたが)約70%が仕事とは関係のないメールである、という結果が出ました。
これは何とかしなければいけない、と思っている次第です。

● 基幹システムについて
5年前に導入したシステムなので現状にそぐわないところが多くなってきています。特に新商品を扱う2年前に設立した事業部にとってはこのシステムによってだいぶ面倒なところが発生していると思います。その際システム改良のベンダーに見積を取ったところ、数千万円という金額が出てきて、案の定、役員会で否決されました。今後のわが社を担うべき新事業部なので、「経費削減」という視点ではなく「戦略投資」という視点での説得が足りなかったと、今となって反省しています。
現場の気持ちもわかります。しかし予算が出ないと何も出来ないので、「儲けてからシステム投資か?」と「儲ける為のシステム投資か?」ということで、事業部長とは遭う度にそんな話になります。
愚痴になりますが、もう少し上の方も理解してくれませんかね