|
「古いパソコンの使い道を考えてほしい」と依頼があった。2ヵ月後に4年のリースがきれて、リース会社に継続の契約をするかどうか判断をしなければならないという。
「新しいパソコンを導入する予定だが、せっかくここまで使ってきたパソコン、なんか使い道が無いかな。もし有効に活用が出来るのならリースを継続して使おうと思うんだ。」
実は4年前に導入のお手伝いをしたのも弊社であり、「そんな古いパソコン捨てて、新しいパソコンを買いましょう。」とは決して言えなかった。
「最近入社した社員は『こんな古いもの使い物になりませんよ』なんて言うのさ。しかし有城さんも知っているよね。これを入れるときに結構苦労したの。」
そうであった。会社を設立して間もないということもあり、リース会社の与信がなかなか通らないのであった。そこで何社もリース会社をあたり、最後にはリース会社の支店長に直接お会いし、事業プランを一生懸命説明してようやっとリースが通ったのだ。帰り道に社長と二人抱き合って喜んだことを覚えている。
その後順調に業績が伸び、社員数も当時の4人から40人まで増えたのである。
社長は「このシステムが無かったら、決してここまで伸びなかったと思う。本当にこのパソコンのおかげだよ。」もちろん社長以下従業員の皆さんががんばったからこそ、今があるのであるが、私も小さいながらも会社を運営する身、社長の気持ちは良く分かった。
「わかりました。このパソコンにもうひと仕事してもらいましょう。」
そうは言ったものの、少し色がくすんだパソコンを前に考え込んでしまった。4年前は最高のスペックであったPentium200MHz メモリがサーバーには128MB、クライアントには64MB OSもNT4.0とWindows98である。ハードディスクは10GB、ただしサーバーには20G
の外付けハードディスクがついている。
スペックはもう時代遅れであり、これから主流になるであろうXPでは到底使えない。
さらに困ったことにそれらの機種に搭載できるメモリはかなりの割高になっており、64MB を増やすと3万円もかかることが判明した。
またCPUのクロックアップ(スピードを上げるためにCPUを変えてしまうこと)もその機種にあうCPUの販売は終了していて、中古品やジャンク品を秋葉原で丁寧に探さなければならなかった。
この時点でマシンのバージョンアップはあきらめた。
そこでもう一度オフィスの隅に座らせてもらって半日ほど眺めることにした。(もちろん社長の許可をいただいて。よく私がわが社の社員に言っていること「システムの問題は社長室にあるんじゃない、現場にあるんだ!」の実践。)
はじめのうちは社員の皆さんも気を使っていただいたのだが、1時間もすると普段どおりの仕事に戻っていた。そうするとパソコンを使っている皆さんの普段の姿が見えてきた。
例えばファックスの前では3-4人が1台しかないFAXの前での順番まち行列が出来ている。そうして次の人が送信済みファックスの束を、利用済みBOXにドーンとほおり込むものだからあふれっぱなし。一方その前に3台あるプリンタの前でも行列が出来ている。
私の提案は簡単にできた。ファックスサーバーとプリンタサーバーへの転用である。ファックスソフトとその他の備品で10万円ほどかかったが、パソコンから直接書類がファックスできるので、皆さんの評判も上々である。導入から1ヶ月で効果が見えてきた。用紙の発注量が半分以下になったのだ。
古いパソコンも「もう使い物にならない」と簡単に諦めるのではなく、まだまだ活かせる事が分かった。
今日もオフィスの片隅で5台のマシンがせっせとデータを印刷したりファックスしたりして第二の人生を送っている。
|